2017年02月05日

卒業研究報告会をゼミで行いました ―日本語と古典ゼミ

  

 後期授業も終わり、来週から定期試験期間に入ります。4年次生は卒業論文の口頭試問を経て、完成論文を無事提出しました。今度は、3年次生が1年後の締切に向けて、卒業研究に取り組む番です。

 日本語と古典ゼミの3年次生たちは、一応、全員研究テーマを決めたところですが、実際にうまく研究が完遂できるのか、やってみるといろいろ問題が起こってくるのではないかと、不安を抱えているのも事実です。

 そこで、今回初めての試みとして、4年次生の先輩に来てもらい、卒業研究の概要と制作過程、問題点などについて、話してもらいました。




 一人目は、村岡伊都さん「京ことばテキストブックの作成」です。京ことばの基本的表現が段階的に学べるように、イラスト入りでわかりやすく編集したテキストを制作しました。京都生まれ京都育ちの祖母にインタビューしたり、京都市内の中高生にアンケート調査を実施、京ことばの使用状況をアンケート調査したりして、魅力的な冊子を作りました。就職活動の合間の苦労話なども含め、3年次生たちは熱心に聞いていました。完成した冊子は、大学図書館の所蔵図書にしてもらうことにしています。

 3年次生の中にも、書物を作る予定の人がいますので、大いに参考になったと思います。




 二人目の発表者は、香港出身の留学生、王海雯(オウカイブン)さんです。「女性」という日本語の歴史について、調べました。「近代語『女性』『男性』の語彙論的考察」という本格的な題目です。

 「京都ノートルダム女子大学」「婦人参政権」のように、50年以上前は「女子」や「婦人」といった言葉が主流で、「女性」という語はまだそんなに普及していなかった。ましてや「男性」などという日本語はほとんど用いられなかった。では、いつ頃から、使われはじめ、定着していったのか―そんな言葉の歴史の謎を徹底的に追究した、本格的な研究論文です。仏教語「女性(にょしょう)」「女人(にょにん)」から始まり、「女性(にょしょう)」から「女性(じょせい)」に転ずるタイミングやその背景などについて深く考察し、関連して「男性(だんせい)」の語誌にも触れています。




 王さんは、就職活動も返上して、新聞記事コーパス(大規模な電子データ)を連日のように検索し、言葉の変化をたどり、福澤諭吉、夏目漱石をはじめ、明治、大正期に活躍した著名な作家の全集なども丹念に調べ、貴重な研究成果を上げることに成功しました。

 本格的な研究発表の迫力に、ゼミ生たちも圧倒されていました。


 こんな先輩たちの苦労・成果によい刺激を受けて、続く後輩たちも、ぜひユニークなよい卒業研究をしてくれることを祈ります。

 何と言っても、長きにわたって学んできた学生生活の集大成ですからね。







〈報告者:ゼミ担当 堀勝博〉

  


Posted by 京都ノートルダム女子大学      人間文化学科  at 17:00Comments(0)授業紹介日本語日本文化領域