2020年06月01日
京都市京セラ美術館に行ってきました
外出自粛要請が緩和されつつある中、
岡崎に行ってきました。
府立図書館や
京都国立近代美術館
そして平安神宮や動物園の立ち並ぶエリアですが、
目的地は、やっとリニューアルオープンした「京都市京セラ美術館」です。
本当は3月のオープンのはずでしたが、コロナウイルスのために5月になりました。
しかも、予約サイトで予約して、アルコール消毒や検温管理、京都府内であることの住所確認が必要・・・
1933年に日本で2番目の公立美術館として開館して
第2次世界大戦後は「京都市美術館」として親しまれてきた美術館。
和風を取り入れた独特なデザイン(設計は前田健二郎、破風+和風の瓦屋根なんです)でした。
これを生かして、青木淳・西澤徹夫設計共同体の案により再整備されました。
以前は1階が入り口だったのですが、地下が入り口になりました。
スケボー禁止(やりたくなりますよね)のスロープです。
地下からのぼると開放的な空間、螺旋階段も設置されています。(何度やっても写真が横向きになるのです・・・お許しください)
古い建物も生かしながら
展示しやすく、観覧しやすい建物に生まれ変わっていました。
観覧した展示は「コレクションルーム春期」で、コレクションの作品が並んでいました(展示室は写真がとれません)
このような場を得て、京都の近代美術史の研究がさらに進むのではないかという期待が高まりますね!
なんだかおしゃれそうなカフェには入り損ねましたが、今度は入ってみようと思います…
京都での学生生活が始まったら/再開したら、ぜひこの岡崎にも足を運んでみましょう!
(吉田朋子)
岡崎に行ってきました。
府立図書館や
京都国立近代美術館
そして平安神宮や動物園の立ち並ぶエリアですが、
目的地は、やっとリニューアルオープンした「京都市京セラ美術館」です。
本当は3月のオープンのはずでしたが、コロナウイルスのために5月になりました。
しかも、予約サイトで予約して、アルコール消毒や検温管理、京都府内であることの住所確認が必要・・・
1933年に日本で2番目の公立美術館として開館して
第2次世界大戦後は「京都市美術館」として親しまれてきた美術館。
和風を取り入れた独特なデザイン(設計は前田健二郎、破風+和風の瓦屋根なんです)でした。
これを生かして、青木淳・西澤徹夫設計共同体の案により再整備されました。
以前は1階が入り口だったのですが、地下が入り口になりました。
スケボー禁止(やりたくなりますよね)のスロープです。
地下からのぼると開放的な空間、螺旋階段も設置されています。(何度やっても写真が横向きになるのです・・・お許しください)
古い建物も生かしながら
展示しやすく、観覧しやすい建物に生まれ変わっていました。
観覧した展示は「コレクションルーム春期」で、コレクションの作品が並んでいました(展示室は写真がとれません)
このような場を得て、京都の近代美術史の研究がさらに進むのではないかという期待が高まりますね!
なんだかおしゃれそうなカフェには入り損ねましたが、今度は入ってみようと思います…
京都での学生生活が始まったら/再開したら、ぜひこの岡崎にも足を運んでみましょう!
(吉田朋子)
2020年04月13日
東京カテドラル聖マリア大聖堂「オルガンメディテーション」
昨年12月13日(金)19時、東京カテドラル聖マリア大聖堂にて行われた「オルガンメディテーション」で演奏をいたしました。東京カテドラルでは「晩の祈りとオルガン音楽による瞑想」と銘打って、月に一度、オルガンの調べの内に祈りのひとときが人々に提供されています。
ここは東京におけるカトリック教会の司教座聖堂(カテドラル)で、お寺で例えるならば大本山のような位置づけになる大きな教会です。東京都庁の設計でも有名な日本を代表する建築家丹下健三(1913-2005)によって設計され1964年に完成しました。外装はステンレス・スチール板で仕上げられ、半世紀以上経った今日においても非常にモダンな雰囲気を醸し出しています。
大聖堂の内部はコンクリートの壁で覆われ、天井の高さは一番高いところで40m近く、残響は日本でも屈指の長さを誇ります。
信者席の後方、2階のバルコニーには2004年イタリアのマショーニ社 (MASCIONI)によって製作された大きなパイプオルガンが設置されています。オルガンケースも大聖堂の外観に合わせたモダンなデザインですね。
これはオルガンの演奏台(コンソール)です。ご覧の通り3段鍵盤+足鍵盤(ペダル)を備え、ストップ数46、パイプ本数3122本で教会のオルガンとしては日本最大規模の楽器です。音色の特徴としては、イタリア的な明るさと重厚さを併せもち、幅広いレパートリーに対応できる楽器となっています。日本の教会は残響の短いところが多いですが、ここ東京カテドラルではまるでヨーロッパの大聖堂のような本格的で素晴らしい響きをを味わうことができます。
当日は補助席も多く追加されるほど大聖堂いっぱいの来場者があり、本学科の岩崎れい先生もお越しくださいました。当日演奏した曲目やその他詳しい情報は下記URLをご覧ください。https://cathedral-sekiguchi.jp/info/concert/8228/
またこのオルガンで演奏できる日を楽しみにしています!
(国際日本文化学科教員 久野将健)
2020年03月30日
18世紀のイタリア旅行記
どの時代の美術を研究するにあたっても当時の一次資料を読まなければなりませんが、18世紀ヨーロッパの場合に重要なもののひとつがイタリアの旅行ガイド・旅行記です。古典古代文化・ルネッサンスの巨匠たちに憧れてイタリアに旅行する人々が18世紀には急増します。その需要に応えた出版物です。
中にはとんでもなく豪華な本もあります。その一つが、ジャン=クロード・リシャール・サン=ノン、通称サン=ノン師(Jean-Baptiste-Claude Richard Saint-Non, dit Abbé de Saint-Non, 1727-1791)による『ナポリ王国とシチリア王国のピトレスクな旅あるいは描写(Voyage pittoresque ou Description des royaumes de Naples et de Sicile)』です。1781年から86年にかけて出版された大型5巻構成、版画を贅沢に使用しています。
この本はなんといっても豪華なことで有名なのですが、対象とした地域が珍しいことも特徴です。当時イタリアに旅行する人々も、ナポリよりも南に足を延ばす人はまれでした。ところがこの本はイタリア南部・さらにはシチリアを紹介しているのです。実は編集したサン・ノン師も現地に赴くことができず、特派員のような人を派遣して調査したり風景をスケッチさせたりしています。
版画の質が高いのでしばしば展覧会にも出るのですが、文章の部分をきちんと読む機会が意外とない資料でもあります。そこで、せめてごくごく一部ですが日本語訳してみようということで、今年度本学が発行する『言語文化研究』に「研究ノート」として投稿いたしました。
膨大な項目のなかからわずか2か所について訳しましたが、ひとつはシチリア島・シラクーザの石切り場です。ここには石を切り出してできた巨大な洞窟があります。これは暴君ディオニュシオスが囚人たちの秘密を知るために作った牢獄だとされています。非常に音響の良い洞窟で、中の声がよく聞こえるので、囚人たちを閉じ込めて拷問したり秘密の会話を盗み聞きしたりしたという伝説があるのです。ちなみに、このディオニュシオス(紀元前432年頃-367年頃)は、太宰治『走れメロス』の暴君ディオニスのモデルです。
石切り場「ディオニュシオスの耳」の入り口(VP4巻下 図版116)
訳文はいずれウェブ上にも公開される『言語文化研究』をご覧いただければと思いますが、啓蒙の時代である18世紀らしいなあと思われる記述が次の部分です。
「しかし、そもそも石切り場は宮殿にさほど近くはない上、もしも石切り場が拷問場所とされていたのなら、こんな深さには掘っていないだろう。こんなにまで掘るには何世紀もかかる。暴君というのは自分の恐れや道楽に奉仕するには出来るだけ手っ取り早い手段を求めるものだ。それに、この洞窟では、二、三人の人が話しただけで音が混ざり合って非常に大きな音になり、混乱してまったく聞き取れないような騒音になってしまうのだから、こんなところで会話と声を理解して聞き分けてたどるなどまったく不可能なのだ。」
つまりはディオニュシオスが拷問場所にしたにしては深く掘りすぎている、とか、ここでこっそり話を聞くのは無理だ、とかといった突っ込みを入れているわけです。この旅行記を読む人たちはおそらくシチリアに行く機会はまずなかったでしょうが、この記述を読んでずいぶんと面白がったのではないかと思います。
またもう1か所は、自然の驚異を紹介した例として、やはりシチリア島の巨大な栗の木に関する記述を訳出しました。こちらでも、地元に伝わる伝説に細かく突っ込みを入れているのが興味深いところです。「大きな栗の木の下で」という歌となにか関係があるのかなと思いましたが、それはどうやらないようで、少し残念でした。
「エトナ山の有名な栗の木 『百馬力』」
美術史の研究は、作品を見ることが基本ですが、1次資料をできるだけ幅広く読んで、当時の時代の空気を理解することも重要なことです。
(国際日本文化学科 教員 吉田朋子)
中にはとんでもなく豪華な本もあります。その一つが、ジャン=クロード・リシャール・サン=ノン、通称サン=ノン師(Jean-Baptiste-Claude Richard Saint-Non, dit Abbé de Saint-Non, 1727-1791)による『ナポリ王国とシチリア王国のピトレスクな旅あるいは描写(Voyage pittoresque ou Description des royaumes de Naples et de Sicile)』です。1781年から86年にかけて出版された大型5巻構成、版画を贅沢に使用しています。
この本はなんといっても豪華なことで有名なのですが、対象とした地域が珍しいことも特徴です。当時イタリアに旅行する人々も、ナポリよりも南に足を延ばす人はまれでした。ところがこの本はイタリア南部・さらにはシチリアを紹介しているのです。実は編集したサン・ノン師も現地に赴くことができず、特派員のような人を派遣して調査したり風景をスケッチさせたりしています。
版画の質が高いのでしばしば展覧会にも出るのですが、文章の部分をきちんと読む機会が意外とない資料でもあります。そこで、せめてごくごく一部ですが日本語訳してみようということで、今年度本学が発行する『言語文化研究』に「研究ノート」として投稿いたしました。
膨大な項目のなかからわずか2か所について訳しましたが、ひとつはシチリア島・シラクーザの石切り場です。ここには石を切り出してできた巨大な洞窟があります。これは暴君ディオニュシオスが囚人たちの秘密を知るために作った牢獄だとされています。非常に音響の良い洞窟で、中の声がよく聞こえるので、囚人たちを閉じ込めて拷問したり秘密の会話を盗み聞きしたりしたという伝説があるのです。ちなみに、このディオニュシオス(紀元前432年頃-367年頃)は、太宰治『走れメロス』の暴君ディオニスのモデルです。
石切り場「ディオニュシオスの耳」の入り口(VP4巻下 図版116)
訳文はいずれウェブ上にも公開される『言語文化研究』をご覧いただければと思いますが、啓蒙の時代である18世紀らしいなあと思われる記述が次の部分です。
「しかし、そもそも石切り場は宮殿にさほど近くはない上、もしも石切り場が拷問場所とされていたのなら、こんな深さには掘っていないだろう。こんなにまで掘るには何世紀もかかる。暴君というのは自分の恐れや道楽に奉仕するには出来るだけ手っ取り早い手段を求めるものだ。それに、この洞窟では、二、三人の人が話しただけで音が混ざり合って非常に大きな音になり、混乱してまったく聞き取れないような騒音になってしまうのだから、こんなところで会話と声を理解して聞き分けてたどるなどまったく不可能なのだ。」
つまりはディオニュシオスが拷問場所にしたにしては深く掘りすぎている、とか、ここでこっそり話を聞くのは無理だ、とかといった突っ込みを入れているわけです。この旅行記を読む人たちはおそらくシチリアに行く機会はまずなかったでしょうが、この記述を読んでずいぶんと面白がったのではないかと思います。
またもう1か所は、自然の驚異を紹介した例として、やはりシチリア島の巨大な栗の木に関する記述を訳出しました。こちらでも、地元に伝わる伝説に細かく突っ込みを入れているのが興味深いところです。「大きな栗の木の下で」という歌となにか関係があるのかなと思いましたが、それはどうやらないようで、少し残念でした。
「エトナ山の有名な栗の木 『百馬力』」
美術史の研究は、作品を見ることが基本ですが、1次資料をできるだけ幅広く読んで、当時の時代の空気を理解することも重要なことです。
(国際日本文化学科 教員 吉田朋子)
2018年12月16日
ボヘミアンラプソディ 京都で映画を観る
ボヘミアンラプソディを観ました。
ただいま、話題になっている映画です。
ロックバンド、クイーンのボーカル、
フレディ・マーキュリーを主人公とした、
映画です。
どのへんが話題かといいますと、
応援上映、というものをしています。
(京都でも、しています。)
映画は、クイーンの演奏を再現した場面が、
散りばめられているのですが、
最後の20分は、
ライブをそのまま再現したシーンとなっています。
そこで、拍手をしたり、手拍子をしたり、
声を出しても良い、
ということになっています。
実際のライブ同様に、
ノってしまおう、ということです。
映画の中でも、
エピソードして紹介されているのですが、
クイーンは、聴衆と一体化できるような、
楽曲を作りました。
(We Will Rock You が、
その曲として紹介されています。)
映画は、フレディ・マーキュリーの人生を、
知ったうえで、
ライブの場面となります。
思わず、一緒に応援したくなる、
気持ちにさせる映画なのです。
報告:長沼光彦
2018年11月11日
公開講座「世界の中で日本を考える」を開催しました
本日、11日、日曜日、
公開講座「世界の中で日本を考える
―インドの俳句、ドイツの盆栽―」を、
開催しました。
国際日本文化研究所教授、
井上章一先生をお招きして、
第一部で、基調講演をお願いしまいた。
第二部では、井上先生と、
人間文化学科教員、
長沼光彦、吉田朋子、が、
シンポジウム形式で、
お話をいたしました。
井上先生のお話を、
少し紹介しましょう。
今回の題名にあるとおり、
インドで俳句が作られたり、
ドイツで盆栽が楽しまれたり、と、
日本の文化は、世界に広がっています。
そのときに、もともと日本にあったものと、
どこか違うな、という形に、
変わっていることがあるでしょう。
ただ、それも、海外における、
日本文化の理解、解釈のひとつの仕方として、
耳を傾けたり、楽しんでみてはいかがでしょう、
というお話です。
日本の中で生活していると、
気がつかないことが、
その理解や解釈の中に、
隠されているかもしれません。
私が思うに、
そういう変化も含めて、
交流ということなのだと思います。
そういう交流を機会に、
互いの理解を深めることができると、
面白そうですね。
報告:長沼光彦
公開講座「世界の中で日本を考える
―インドの俳句、ドイツの盆栽―」を、
開催しました。
国際日本文化研究所教授、
井上章一先生をお招きして、
第一部で、基調講演をお願いしまいた。
第二部では、井上先生と、
人間文化学科教員、
長沼光彦、吉田朋子、が、
シンポジウム形式で、
お話をいたしました。
井上先生のお話を、
少し紹介しましょう。
今回の題名にあるとおり、
インドで俳句が作られたり、
ドイツで盆栽が楽しまれたり、と、
日本の文化は、世界に広がっています。
そのときに、もともと日本にあったものと、
どこか違うな、という形に、
変わっていることがあるでしょう。
ただ、それも、海外における、
日本文化の理解、解釈のひとつの仕方として、
耳を傾けたり、楽しんでみてはいかがでしょう、
というお話です。
日本の中で生活していると、
気がつかないことが、
その理解や解釈の中に、
隠されているかもしれません。
私が思うに、
そういう変化も含めて、
交流ということなのだと思います。
そういう交流を機会に、
互いの理解を深めることができると、
面白そうですね。
報告:長沼光彦
Posted by 京都ノートルダム女子大学 国際日本文化学科(人間文化学科)
at 21:38
│Comments(0)
│国際文化領域(多文化理解)│国際文化領域(芸術と思想)│日本語日本文化領域
2018年11月08日
卒業制作目的でフィールドワークに行きました(蘆山寺)
秋らしくなるかと思いきや、
ちょっと暑いくらいの11月7日水曜2時間目。
市バス4番を駆使して3回生ゼミで京都御所の横にある「蘆山寺」を訪れました。
こちらは、『源氏物語』の作者・紫式部の住まいがあったと推定されている場所です。
紫式部は曽祖父・藤原兼輔がこの地に建てた家で一生の大部分を過ごしたとのことです。
現在は、天台圓浄宗のお寺になっています(蘆山寺は938年に開かれた與願金剛院が起源で、1577年に現在の場所に移転)。
実は今回のフィールドワーク、ゼミメンバーの一人の卒業制作に向けた調査の一環です。
歩道を歩いて安全に移動する一同。
準備してきた解説を読むメンバーと聞き入るメンバーたち。
「源氏物語の庭」として整備された蘆山寺の庭園。
有名な桔梗は盛りではありませんでしたが、とても落ち着いた静けさを味わいました。
ついでに、近くの「梨木神社」にも寄り、
有名な染井の水(京都三名水のひとつ)を見て(今回は容器がないので味見はなし)、
萩の群生した境内を拝見しました。
3時間めのある人ばかりだったので、すぐに帰る弾丸ツアーではありましたが、
京都の雅を垣間見た時間となりました。
卒業制作を完成するまでには、きっといろいろな場所をめぐることになるでしょう。
がんばってほしいものです。
(報告 吉田朋子)
ちょっと暑いくらいの11月7日水曜2時間目。
市バス4番を駆使して3回生ゼミで京都御所の横にある「蘆山寺」を訪れました。
こちらは、『源氏物語』の作者・紫式部の住まいがあったと推定されている場所です。
紫式部は曽祖父・藤原兼輔がこの地に建てた家で一生の大部分を過ごしたとのことです。
現在は、天台圓浄宗のお寺になっています(蘆山寺は938年に開かれた與願金剛院が起源で、1577年に現在の場所に移転)。
実は今回のフィールドワーク、ゼミメンバーの一人の卒業制作に向けた調査の一環です。
歩道を歩いて安全に移動する一同。
準備してきた解説を読むメンバーと聞き入るメンバーたち。
「源氏物語の庭」として整備された蘆山寺の庭園。
有名な桔梗は盛りではありませんでしたが、とても落ち着いた静けさを味わいました。
ついでに、近くの「梨木神社」にも寄り、
有名な染井の水(京都三名水のひとつ)を見て(今回は容器がないので味見はなし)、
萩の群生した境内を拝見しました。
3時間めのある人ばかりだったので、すぐに帰る弾丸ツアーではありましたが、
京都の雅を垣間見た時間となりました。
卒業制作を完成するまでには、きっといろいろな場所をめぐることになるでしょう。
がんばってほしいものです。
(報告 吉田朋子)
2018年08月25日
日本にあるフランスのパイプオルガンあれこれ
パイプオルガンと言えば、「ティラリ~♪」
トッカータとフーガニ短調=バッハ=ドイツ
というイメージが濃厚ですが、
パイプオルガンはなにもドイツだけではありません。
ヨーロッパ各国にあって様々な個性を持っています。
そこで今回はフランスのパイプオルガンをご紹介したいと思います!
フランスの、とはつまりフランス製ということですが、
実は国内には結構たくさんあるんです。
これはアクトシティ浜松のオルガン(パスカル・コワラン社64ストップ)
一方、これは東京・新宿文化センターのオルガン
(アルフレッド・ケルン オルガン製作所70ストップ)
同じフランスのオルガンでも18世紀のフランス革命を境にスタイルが大きく異なります。
フランスでは音楽の趣向が変化するのに伴い、
オルガンの音色や楽器自体の機能も大きく変化するようになります。
革命前のスタイルを古典(クラシック)タイプ、革命後のスタイルをモダンタイプと呼んでいます。
(この辺の詳細については「キリスト教音楽入門」の授業で触れます。)
上の2つのオルガンはモダンタイプのオルガンと言えますが、
古典タイプのオルガンもちゃんと日本にあります。
最も有名なオルガンは、神戸松蔭女子学院大学チャペルにあります。
(マルク・ガルニエ工房31ストップ)
実際にオルガンケースを見たり、音色を聴き比べてみると、
それぞれのオルガンの個性が分かって、とても楽しいと思います。
パイプオルガンの世界は奥深いのです。
報告:久野将健
トッカータとフーガニ短調=バッハ=ドイツ
というイメージが濃厚ですが、
パイプオルガンはなにもドイツだけではありません。
ヨーロッパ各国にあって様々な個性を持っています。
そこで今回はフランスのパイプオルガンをご紹介したいと思います!
フランスの、とはつまりフランス製ということですが、
実は国内には結構たくさんあるんです。
これはアクトシティ浜松のオルガン(パスカル・コワラン社64ストップ)
一方、これは東京・新宿文化センターのオルガン
(アルフレッド・ケルン オルガン製作所70ストップ)
同じフランスのオルガンでも18世紀のフランス革命を境にスタイルが大きく異なります。
フランスでは音楽の趣向が変化するのに伴い、
オルガンの音色や楽器自体の機能も大きく変化するようになります。
革命前のスタイルを古典(クラシック)タイプ、革命後のスタイルをモダンタイプと呼んでいます。
(この辺の詳細については「キリスト教音楽入門」の授業で触れます。)
上の2つのオルガンはモダンタイプのオルガンと言えますが、
古典タイプのオルガンもちゃんと日本にあります。
最も有名なオルガンは、神戸松蔭女子学院大学チャペルにあります。
(マルク・ガルニエ工房31ストップ)
実際にオルガンケースを見たり、音色を聴き比べてみると、
それぞれのオルガンの個性が分かって、とても楽しいと思います。
パイプオルガンの世界は奥深いのです。
報告:久野将健
タグ :芸術(音楽)
2018年08月16日
8月5日オープンキャンパス体験コーナー「仮想ギャラリーツアー」
「仮想ギャラリーツアー」。
これは、8月5日のオープンキャンパスの体験コーナーの一つでした。
きっと「なんだろう??」と思われることでしょう。
とても有名な美術館3つを「くじ」で選んでいただき
その所蔵作品から数点(事前に厳選いたしました)を
参加された方と一緒にお話しながら見る!というもの。
(ルーヴル美術館、ウフィッツィ美術館、ロンドン・ナショナル・ギャラリーの三択にしてみました)
単なる一方的な解説にならないように、
自由に感想を話していただきながら、鑑賞を深める・・・はずなのですが、
ついつい私の話も長くなってしまいました。
取り上げた作品の中で最も反応が大きかったのは、次の2点です!
どうでしょう?
ルーヴル美術館所蔵、グルーズという画家が1777年に描いた作品です。
実はこの2点、セットになっています。
最初の作品は《父の呪い(親不孝息子)》、2番目の作品は《父の呪い(罰せられた息子)》。
親の意に反して、傭兵にやとわれようとしていく息子が、結局家に帰ってくると、父は倒れていた・・・というストーリーなのですが、
細かく見ていくと、いろいろと「突っ込みどころ」があります。
体験コーナーに参加した方の中でもっとも鋭い突っ込みは
「家計を助けるために兵隊に入ったのかもしれないのに??」というものでした。
たしかに、当時の傭兵にまつわる事情をより調査したくなる指摘です。
ほかにも、「すごくたくさん子供がいるんだけど・・・みんな兄弟??」という意見も出ました。
鋭い!!
ブログを読んでくださっている方も、なにかすごいことに気づいてしまうかもしれませんね!!
ぜひじっくりご覧ください。
グルーズは、このようにドラマチックに想像力を刺激する作品で評判になった画家ですが、
ポイントは庶民が主人公になっているというところです。
17世紀までの絵画は、神話画や宗教画では激しい感情が表現されることが多いのですが、
庶民が描かれた作品で、これほどまでに多様な、とくに悲劇的な感情が描かれることは
あまりありませんでした。
また、2枚で一組というのも、漫画のようで面白い工夫です。
複数作品を比べながら見るという鑑賞形態にも興味が湧きますね。
絵画はいろいろな角度から楽しむことが出来ます。
8月19日のオープンキャンパスでは模擬授業を担当します。
ぜひご来場ください。
(報告: 吉田朋子)
これは、8月5日のオープンキャンパスの体験コーナーの一つでした。
きっと「なんだろう??」と思われることでしょう。
とても有名な美術館3つを「くじ」で選んでいただき
その所蔵作品から数点(事前に厳選いたしました)を
参加された方と一緒にお話しながら見る!というもの。
(ルーヴル美術館、ウフィッツィ美術館、ロンドン・ナショナル・ギャラリーの三択にしてみました)
単なる一方的な解説にならないように、
自由に感想を話していただきながら、鑑賞を深める・・・はずなのですが、
ついつい私の話も長くなってしまいました。
取り上げた作品の中で最も反応が大きかったのは、次の2点です!
どうでしょう?
ルーヴル美術館所蔵、グルーズという画家が1777年に描いた作品です。
実はこの2点、セットになっています。
最初の作品は《父の呪い(親不孝息子)》、2番目の作品は《父の呪い(罰せられた息子)》。
親の意に反して、傭兵にやとわれようとしていく息子が、結局家に帰ってくると、父は倒れていた・・・というストーリーなのですが、
細かく見ていくと、いろいろと「突っ込みどころ」があります。
体験コーナーに参加した方の中でもっとも鋭い突っ込みは
「家計を助けるために兵隊に入ったのかもしれないのに??」というものでした。
たしかに、当時の傭兵にまつわる事情をより調査したくなる指摘です。
ほかにも、「すごくたくさん子供がいるんだけど・・・みんな兄弟??」という意見も出ました。
鋭い!!
ブログを読んでくださっている方も、なにかすごいことに気づいてしまうかもしれませんね!!
ぜひじっくりご覧ください。
グルーズは、このようにドラマチックに想像力を刺激する作品で評判になった画家ですが、
ポイントは庶民が主人公になっているというところです。
17世紀までの絵画は、神話画や宗教画では激しい感情が表現されることが多いのですが、
庶民が描かれた作品で、これほどまでに多様な、とくに悲劇的な感情が描かれることは
あまりありませんでした。
また、2枚で一組というのも、漫画のようで面白い工夫です。
複数作品を比べながら見るという鑑賞形態にも興味が湧きますね。
絵画はいろいろな角度から楽しむことが出来ます。
8月19日のオープンキャンパスでは模擬授業を担当します。
ぜひご来場ください。
(報告: 吉田朋子)
2018年08月10日
科目紹介 「キリスト教美術」
大学もついに夏期休暇に入りました。試験やレポートを乗り越えた学生さんたちが充実した時間を過ごすことを願いながら、教員も一息つきたいところです。
さて、今日は学科教員が担当している科目のひとつ「キリスト教美術」をご紹介したいと思います。せっかくカトリックの大学で学ぶからには、教会や展覧会で宗教画を見た時に少しでも自力で主題がわかるようになりたいものです。
科目の目標は「4世紀以降、長い時間をかけて成立したキリスト教美術には、繰り返し描かれ続けてきた主題と表現上の約束事がある。さまざまな地域・時代に制作された作品を通して、未知の作品に出会ったときにも、ある程度主題を推測できる力を養うことを目指す」です!
しかし、必ずしも美術になじんだ受講生ばかりではないので、たくさん作品を見ることを楽しみながら、基本的な知識を得ることを目標にしています。旧約聖書・新約聖書・様々な聖人のエピソードから、代表的なものを解説していきます。
主題によっては、聖書には必ずしも記述がないけれども、派生的に発展したものがあります。たとえば「エジプト逃避途上の休息」は、福音書に語られる「エジプト逃避」(聖母マリア、幼子イエス、聖ヨセフは、ヘロデ王から逃れてエジプトに行き、ヘロデが死ぬまでそこにとどまった)から生まれた主題です。長旅の途中で、荷物をおろしてくつろぐ聖母子の姿が中心になりますが、美しい風景を描く良い機会でもあるので、画家たちに好まれました。
写真はパティニールという人の作品(1519-24年)です。緑・青の色が美しい広大な風景をじっくり鑑賞したいところです。
「エジプト逃避途上の休息」は一度知るとあまり間違えない主題だと思いますが、少しぼんやりしていると間違えることもあります。たとえば食事の場面には特に重要なものがいくつかありますが、次の二つの作品を観察してみてください。
最初の作品は、《最後の晩餐》。イエス・キリストが弟子とともにとった最後の食事ですが、これは「最初のミサ」でもありますし、「この中に私を裏切る人がいる」と衝撃の発言に弟子たちが動揺する劇的な場面でもあります。イエスを囲む12人の弟子たちの反応が見どころになります。有名なレオナルド・ダ・ヴィンチの作品(1495-98年)。
二番目の作品は、《カナの婚礼》。婚礼に招かれたイエス・キリストが、ワインがなくなってしまったときに、水をワインに変えたという奇跡の場面です。ポイントは、水を入れられた大きな甕が描かれていること。描いたのはジョットで1304-1305年の作品です。
期末試験では、講義では見なかった作品の画像を渡して、主題をあてるという問題も出しました。今回は《カナの婚礼》も出ましたが…受講生の皆さんは、わかったかな?
(科目担当: 吉田朋子)
さて、今日は学科教員が担当している科目のひとつ「キリスト教美術」をご紹介したいと思います。せっかくカトリックの大学で学ぶからには、教会や展覧会で宗教画を見た時に少しでも自力で主題がわかるようになりたいものです。
科目の目標は「4世紀以降、長い時間をかけて成立したキリスト教美術には、繰り返し描かれ続けてきた主題と表現上の約束事がある。さまざまな地域・時代に制作された作品を通して、未知の作品に出会ったときにも、ある程度主題を推測できる力を養うことを目指す」です!
しかし、必ずしも美術になじんだ受講生ばかりではないので、たくさん作品を見ることを楽しみながら、基本的な知識を得ることを目標にしています。旧約聖書・新約聖書・様々な聖人のエピソードから、代表的なものを解説していきます。
主題によっては、聖書には必ずしも記述がないけれども、派生的に発展したものがあります。たとえば「エジプト逃避途上の休息」は、福音書に語られる「エジプト逃避」(聖母マリア、幼子イエス、聖ヨセフは、ヘロデ王から逃れてエジプトに行き、ヘロデが死ぬまでそこにとどまった)から生まれた主題です。長旅の途中で、荷物をおろしてくつろぐ聖母子の姿が中心になりますが、美しい風景を描く良い機会でもあるので、画家たちに好まれました。
写真はパティニールという人の作品(1519-24年)です。緑・青の色が美しい広大な風景をじっくり鑑賞したいところです。
「エジプト逃避途上の休息」は一度知るとあまり間違えない主題だと思いますが、少しぼんやりしていると間違えることもあります。たとえば食事の場面には特に重要なものがいくつかありますが、次の二つの作品を観察してみてください。
最初の作品は、《最後の晩餐》。イエス・キリストが弟子とともにとった最後の食事ですが、これは「最初のミサ」でもありますし、「この中に私を裏切る人がいる」と衝撃の発言に弟子たちが動揺する劇的な場面でもあります。イエスを囲む12人の弟子たちの反応が見どころになります。有名なレオナルド・ダ・ヴィンチの作品(1495-98年)。
二番目の作品は、《カナの婚礼》。婚礼に招かれたイエス・キリストが、ワインがなくなってしまったときに、水をワインに変えたという奇跡の場面です。ポイントは、水を入れられた大きな甕が描かれていること。描いたのはジョットで1304-1305年の作品です。
期末試験では、講義では見なかった作品の画像を渡して、主題をあてるという問題も出しました。今回は《カナの婚礼》も出ましたが…受講生の皆さんは、わかったかな?
(科目担当: 吉田朋子)
Posted by 京都ノートルダム女子大学 国際日本文化学科(人間文化学科)
at 18:17
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│授業紹介│カトリック教育│国際文化領域(芸術と思想)│オープンキャンパス・AO入試
2018年06月10日
オープンキャンパスを開催しました
本日、6月10日、日曜日は、
オープンキャンパスを開催しました。
多くのご来場ありがとうございます。
天気予報では雨でしたが、
幸い、閉会の時間まで、
強く降ることはありませんでした。
人間文化学科の模擬授業は、
「アニメで世界がひとつになる
~進撃の巨人は、世界の共通語~」のタイトルで、
私、長沼が担当いたしました。
アニメ「進撃の巨人」が、
ヨーロッパやアジアで、
広く受け入れられている状況を紹介し、
国際社会における、
日本文化の現状について、
お話しました。
政府が主導する、クールジャパンと、
実際に、ヨーロッパやアジアの人たちが、
好む日本の良さは、
必ずしも一致しないのではないかという、
話をいたしました。
体験コーナーは、
中里郁子先生による、
「聖書のみことばカードづくり」を、
行いました。
聖書の言葉を選んでいただき、
絵入りのカードを作りながら、
聖書に親しんでいただく体験です。
参加された皆様は、
楽しく色づけをなさっていたようです。
受験生の皆さんは、
これから進路を決める時期かと思います。
ぜひ、人間文化学科の学びを、
体験してみてください。
オープンキャンパスは、
また来月も行われます。
よろしければ、またおいでください。
報告:長沼光彦
Posted by 京都ノートルダム女子大学 国際日本文化学科(人間文化学科)
at 20:22
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│国際文化領域(芸術と思想)│日本語日本文化領域│オープンキャンパス・AO入試
2018年03月20日
読み方見方を学ぼう
先日は、映画を観ようという話をしました。
映像の効果や、
表現の工夫など、
実際に観てみないと、
わからないものです、
ということも、
話しました。
とはいえ、どこを観たら良いか、
わからない、
という場合もあるかもしれません。
例えば、このまえ紹介した、
「シェイプオブウォーター」では、
パンフレットを見ると、
60年代のアメリカで、
種々の差別を受けていた人たちが、
登場人物だと書かれています。
言われてみないと、
えー、そうだったけ、
と思うかもしれません。
映画は、
言葉でテーマを、
説明するわけではありません。
出来事や、セリフ、
登場人物の行動など、
自分で意味を読み取る必要があります。
60年代のアメリカに対する、
知識もあった方が、
わかりやすいでしょう。
そういう鑑賞法、分析法を知ることも、
人間文化学科で学ぶ、
文化研究の方法のひとつです。
分析の仕方を知らないと、
気づかないことも多く、
せっかく観賞したのに、
もったいないということも、
あるかもしれません。
報告:長沼光彦
2018年03月14日
シェイプオブウォーター 京都で映画を観る
「シェイプオブウォーター」
今回のアカデミー賞で、
作品賞、監督賞を受賞しました。
ギレルモ・デルトロ監督の、
ファンタジー、
現代を舞台にしたお伽噺、
と言ってもよいでしょう。
(舞台は、60年代のアメリカですから、
正しくは、現代ではありませんが。)
アカデミー賞を受賞したので、
皆さんご覧になるだろうと思います。
ストーリーにはふれないでおきましょう。
この映画は、「見せる」映画になっています。
ギレルモ・デルトロ監督の映画を、
ご覧になったことがある方は、
美術面にこだわる監督であることを、
知っているでしょう。
(観たことのない方には、
「パンズラビリンス」を、
おすすめします。)
ひとつの世界観を作り上げるために、
風景から小物まで、
作り込まれています。
(少しだけ内容に触れますが)
映画を見始めた人は、
この人がヒロインですか?
と思うかもしれません。
実際演じている女優さんは、
他の映画では、
母親役をしたりしています。
ここでは、わざとさえない、
中年女性に扮しています。
(この女優、サリー・ホーキンスは、
ベルリン国際映画祭銀熊賞を受賞している、
有名な人です。)
そのさえない女性が、
ストーリーが進んでいくと、
感情移入をせずにはいられない、
魅力的な人物に見えてきます。
そういう演出も、
この映画の「見せる」魅力だと思います。
ただ、映画は、
いわゆる美しい映画ではありません。
グロテスク、残酷、道化、の要素も、
多くふくまれています。
趣味が合わない方もいるかもしれませんが、
そこが、ギレルモ・デルトロ監督の、
魅力です。
報告:長沼光彦
タグ :シェイプオブウォーター
2018年03月01日
ゴッホ展 巡りゆく日本の夢 開催しています
ただいま、京都国立近代美術館で、
「ゴッホ展 巡りゆく日本の夢」を、
開催しています。
皆さん、ご存じ
19世紀末に活動した、
オランダの画家、ゴッホは、
日本の浮き世絵の、
スタイルを好んでいました。
今回展示されている、
「花魁(溪齋英泉による)」は、
浮世絵を模写した油絵です。
その背景には、
19世紀のヨーロッパで、
日本文化が盛んに紹介されたことがあります。
ジャポニスムといいます。
浮世絵独特の構図を、
ゴッホが参考にしていることが、
展示物を観ると、
よくわかります。
印刷物でも見ることはできるのですが、
やはり本物を見た方が、
色合いや、タッチを、
生き生きと感じることができます。
実は、今度の日曜日で、
開催期間が終わるのですが、
よろしければ、お出かけ下さい。
長沼光彦
「ゴッホ展 巡りゆく日本の夢」を、
開催しています。
皆さん、ご存じ
19世紀末に活動した、
オランダの画家、ゴッホは、
日本の浮き世絵の、
スタイルを好んでいました。
今回展示されている、
「花魁(溪齋英泉による)」は、
浮世絵を模写した油絵です。
その背景には、
19世紀のヨーロッパで、
日本文化が盛んに紹介されたことがあります。
ジャポニスムといいます。
浮世絵独特の構図を、
ゴッホが参考にしていることが、
展示物を観ると、
よくわかります。
印刷物でも見ることはできるのですが、
やはり本物を見た方が、
色合いや、タッチを、
生き生きと感じることができます。
実は、今度の日曜日で、
開催期間が終わるのですが、
よろしければ、お出かけ下さい。
長沼光彦
2018年01月12日
ファンタジーが好きな人は哲学に向いている
哲学というと、
難しそうな気がするかもしれません。
しかし、哲学は、
自分の生きている世界を、
見直す学問です。
難しいのは、
今生きている世界のルールとは、
異なる見方で、
物事を考えようとするからです。
これは、昨日話した、
ファンタジーのものの見方と、
似ています。
実は、哲学は、
すべての学問の始まりです。
世の中の仕組みは、
不思議を明らかにするために、
目に見えない世界に、
思いを馳せて、
いろいろな学問分野を
生み出してきたのです。
そういう意味では、
ぜひ、哲学を学び、
学問とは何か、
知ってもらうと、
良いと思います。
報告:長沼光彦
2017年08月31日
トランスフォーマー 最後の騎士王 京都で映画を観る
「トランスフォーマー最後の騎士王」
これも、まだ上映しているかと思いますが、
7月末に公開の、宇宙から来た、
金属生命(見た目はロボット)の話です。
今のところ、この系統の映画が好き、
という学生に出会っておりません。
また、情緒を重んじるような映画が好きな方は、
なぜ、ロボットやら怪物やらが、
暴れる話に、観客が行くのか、
わからないかもしれません。
ただ、歴史を遡れば、
神話や伝承の世界に、
怪物はつきものです。
人と怪物は、
いつも一緒に過ごしてきたのです。
(近代科学の世界では、
妄想とされたてきましたが。)
また、CGなど、視覚的刺激を求めるのも、
人間の嗜好のひとつです。
時代ごとの技術によって、
視覚的刺激は変化してきました。
その先端技術の中で、
尖鋭な刺激を人は求めてきました。
そんなわけで、
先端技術を駆使した映画で、
ロボットや怪物が暴れるものが、
多くの人に喜ばれるのです。
まあ、そんな理屈っぽいことを考えないで、
すげー、とか言って、
観ておけば良いかと思います。
ちなみに、今回のトランスフォーマーも、
車が追いかける場面は、
CGではなく、実写です。
CGと実写を適度に混ぜるのは、
現在の映画のリアリティを感じさせる、
技術のひとつです。
報告:長沼光彦
2017年08月23日
オープンキャンパスで模擬授業をしました(8月20日)
こんにちは、人間文化学科の教員 吉田朋子 (担当科目は西洋美術史など)です。
8月20日に開催されたオープンキャンパスで
「西洋絵画解読 そのジェスチャーはいったいどういう意味?」というタイトルで
40分間の模擬授業をいたしました。
ヨーロッパ文化の源流は
ギリシア・ローマの古典古代、そしてキリスト教だといえますが
どちらも、「人間」が中心です。
そのため、美術作品でも、人間をいかに表現するか、が最重要となります。
そのおおきな手段のひとつが、身振り(ジェスチャー)。
ジェスチャーに注目すると、美術作品を理解するための様々なポイントが浮き彫りになります。
ロヒール・ファン・デル・ウェイデン 《ブラック祭壇画》(中央パネル 41×68㎝)
1452~55年頃 ルーヴル美術館
こちらの作品のイエス・キリストの右手のポーズは
祝福を表します。 固定した約束事としての身振りの一例です。
(仏像の印相と似ていますね)
しかし、物語的な性格の強い作品では、より自然で、日常生活の延長にあるような身振りが必要になります。
それと同時に、鑑賞者の視線や感情を誘導することも必要です。
ジョット 《キリスト捕縛》
1304~1306年 スクロヴェーニ礼拝堂 (パドヴァ)
ユダの裏切りが、マントでキリストを包み込む身振りで雄弁に語られています。
右の紫色の衣の人物は、キリストを指さして捕らえろと指示していますが、
同時に、わたしたち鑑賞者の視線も誘導しています。
そのほかにも、様々な作品を見ながら、
ジェスチャーを通じて、
作者の意図や鑑賞する私たちの心の動きを、
考えてみました。
高校ではあまり触れることのない「美術史」ですが、
楽しい学問です。 ぜひ、大学で親しんでいただきたいと思います。
(吉田朋子)
8月20日に開催されたオープンキャンパスで
「西洋絵画解読 そのジェスチャーはいったいどういう意味?」というタイトルで
40分間の模擬授業をいたしました。
ヨーロッパ文化の源流は
ギリシア・ローマの古典古代、そしてキリスト教だといえますが
どちらも、「人間」が中心です。
そのため、美術作品でも、人間をいかに表現するか、が最重要となります。
そのおおきな手段のひとつが、身振り(ジェスチャー)。
ジェスチャーに注目すると、美術作品を理解するための様々なポイントが浮き彫りになります。
ロヒール・ファン・デル・ウェイデン 《ブラック祭壇画》(中央パネル 41×68㎝)
1452~55年頃 ルーヴル美術館
こちらの作品のイエス・キリストの右手のポーズは
祝福を表します。 固定した約束事としての身振りの一例です。
(仏像の印相と似ていますね)
しかし、物語的な性格の強い作品では、より自然で、日常生活の延長にあるような身振りが必要になります。
それと同時に、鑑賞者の視線や感情を誘導することも必要です。
ジョット 《キリスト捕縛》
1304~1306年 スクロヴェーニ礼拝堂 (パドヴァ)
ユダの裏切りが、マントでキリストを包み込む身振りで雄弁に語られています。
右の紫色の衣の人物は、キリストを指さして捕らえろと指示していますが、
同時に、わたしたち鑑賞者の視線も誘導しています。
そのほかにも、様々な作品を見ながら、
ジェスチャーを通じて、
作者の意図や鑑賞する私たちの心の動きを、
考えてみました。
高校ではあまり触れることのない「美術史」ですが、
楽しい学問です。 ぜひ、大学で親しんでいただきたいと思います。
(吉田朋子)
タグ :西洋美術史
2017年08月21日
8月20日はオープンキャンパスでした
昨日、8月20日は、オープンキャンパスでした。
多くのご来場、ありがとうございます。
人間文化学科では、
吉田朋子先生が、
「絵画の中のジェスチャー」のテーマで、
模擬授業をしました。
絵画の中の、様々なポーズや仕草には、
どのような意味があるのか、
作品を紹介しながら、説明しました。
体験コーナーは、
鎌田先生による、
「簡単ムービー制作」と、
中里郁子先生による、
「聖句入りカードづくり」です。
ムービー制作は、
2年次ゼミ発展演習などで、
企画力、表現力を身につけるために、
採り入れています。
聖句入りカードづくりは、
聖書の言葉を自分で選び、
その言葉と水彩の絵を、
書き入れたカードを、
作るものです。
聖書に親しんでもらうために、
普段から行っている、
カトリック大学ならではの、
活動です。
今回は、来場した方が制作した、
カードをひとつ紹介しましょう。
絵は狼の求愛行動だそうです。
選んだ言葉は、
「愛は忍耐強い。
愛は情け深い。」
(コリント書13章4節)
です。
絵筆のタッチがすてきな作品です。
来場した方それぞれの、
個性が表れた作品が、
できました。
9月10日、日曜日に、
またオープンキャンパスがあります。
よろしければおいでください。
長沼光彦
多くのご来場、ありがとうございます。
人間文化学科では、
吉田朋子先生が、
「絵画の中のジェスチャー」のテーマで、
模擬授業をしました。
絵画の中の、様々なポーズや仕草には、
どのような意味があるのか、
作品を紹介しながら、説明しました。
体験コーナーは、
鎌田先生による、
「簡単ムービー制作」と、
中里郁子先生による、
「聖句入りカードづくり」です。
ムービー制作は、
2年次ゼミ発展演習などで、
企画力、表現力を身につけるために、
採り入れています。
聖句入りカードづくりは、
聖書の言葉を自分で選び、
その言葉と水彩の絵を、
書き入れたカードを、
作るものです。
聖書に親しんでもらうために、
普段から行っている、
カトリック大学ならではの、
活動です。
今回は、来場した方が制作した、
カードをひとつ紹介しましょう。
絵は狼の求愛行動だそうです。
選んだ言葉は、
「愛は忍耐強い。
愛は情け深い。」
(コリント書13章4節)
です。
絵筆のタッチがすてきな作品です。
来場した方それぞれの、
個性が表れた作品が、
できました。
9月10日、日曜日に、
またオープンキャンパスがあります。
よろしければおいでください。
長沼光彦
2017年06月11日
オープンキャンパスを開催しました
本日、11日、日曜日は、
オープンキャンパスでした。
多くのご来場ありがとうございます。
模擬授業は、平野美保先生が、
「笑顔がもたらす素敵なコミュニケーション」の題で、
本学科の特徴ある学び、
「話しことば教育」についてお話しました。
大学生に求められている力、
コミュニケーション能力向上に必要なこと、
そして、今回は、卒業生に来てもらい、
自身の体験を交えて紹介してもらいました。
就活で役だったことなど、
社会で使える、
コミュニケーションの学びであることを、
紹介してもらいました。
また、人間文化学科では、
プレゼンやスピーチを、
日本語コミュニケーションなどの授業や、
1年次ゼミ、2年次ゼミで、
重んじており、
「話しことば教育」が、
種々の場面で、
学科の学びと結びついていることをお知らせしました。
体験コーナーは、
鷲見朗子先生の「アラビア語入門」と、
中里郁子先生の「聖句入りカードづくり」です。
「アラビア語入門」は、
アラビア語の初歩を学んでいただき、
自分の名前を、カードに書いてもらいました。
できあがったカードは、
アラビア語独特の美しい字体でしあがり、
喜んでいただけたようです。
「聖句入りカードづくり」は、
聖書の中の言葉を選んでいただき、
イラストを付して、
カードとして仕上げるというものです。
普段から学内で、
聖書に親しむ活動として、
行っているものです。
こちらも、お土産として、
お持ち帰りいただきました。
来月もオープンキャンパスは、
開催されます。
また、別の授業や、体験コーナーを用意して、
お待ちしております。
よろしければ、おいでください。
報告:長沼光彦
オープンキャンパスでした。
多くのご来場ありがとうございます。
模擬授業は、平野美保先生が、
「笑顔がもたらす素敵なコミュニケーション」の題で、
本学科の特徴ある学び、
「話しことば教育」についてお話しました。
大学生に求められている力、
コミュニケーション能力向上に必要なこと、
そして、今回は、卒業生に来てもらい、
自身の体験を交えて紹介してもらいました。
就活で役だったことなど、
社会で使える、
コミュニケーションの学びであることを、
紹介してもらいました。
また、人間文化学科では、
プレゼンやスピーチを、
日本語コミュニケーションなどの授業や、
1年次ゼミ、2年次ゼミで、
重んじており、
「話しことば教育」が、
種々の場面で、
学科の学びと結びついていることをお知らせしました。
体験コーナーは、
鷲見朗子先生の「アラビア語入門」と、
中里郁子先生の「聖句入りカードづくり」です。
「アラビア語入門」は、
アラビア語の初歩を学んでいただき、
自分の名前を、カードに書いてもらいました。
できあがったカードは、
アラビア語独特の美しい字体でしあがり、
喜んでいただけたようです。
「聖句入りカードづくり」は、
聖書の中の言葉を選んでいただき、
イラストを付して、
カードとして仕上げるというものです。
普段から学内で、
聖書に親しむ活動として、
行っているものです。
こちらも、お土産として、
お持ち帰りいただきました。
来月もオープンキャンパスは、
開催されます。
また、別の授業や、体験コーナーを用意して、
お待ちしております。
よろしければ、おいでください。
報告:長沼光彦
2017年04月23日
オープンキャンパスを開催しました
本日、23日日曜日は、
オープンキャンパスを開催しました。
多くのご来場ありがとうございます。
今年最初のオープンキャンパスとなり、
学生スタッフも新しいメンバーを迎えました。
1年生のスタッフは、
まだ慣れないところもあったかもしれませんが、
それぞれ、本学の良いところを伝えたいと、
スタッフに加わった学生です。
また、いらしたときには、
ぜひ、大学の様子を、
学生の目線から聞いてみてください。
今後とも、よろしくお願いします。
昨年も行いましたが、
食堂には、お菓子を楽しみながら、
本学の学生と話していただく、
カフェコーナーを用意しています。
こちらもご利用ください。
今回は、茶道部が参加して、
お茶を用意いたしました。
人間文化学科の模擬授業は、
吉田朋子先生の、
「絵画の見方」です。
いくつか絵画作品を見てもらって、
その絵画について語る、
ギャラリートークにチャレンジしてもらいました。
絵を言葉にする、
というのは、なかなか難しいかな、
と思っていましたが、
参加した皆さんは、
積極的に、自分で気づいた点を、
コメントしてくれました。
絵を知るためには、
知識も必要なのですが、
絵のどこに着目するか、
目の付け所を発見することも大切です。
今回のように、
絵を見て、言葉にできれば、
これをきっかけとして、
絵を説明する力を、
身につけることができるでしょう。
体験コーナーでは、
鷲見朗子先生が、
アラビア語入門講座を、
行いました。
一度ご覧になったことがある方は、
筆記されたアラビア語が、
どこで切れるのかな、
と思ったりするかもしれません。
まずは、その種類を知っていただいたうえで、
名前を書いてみましょう、
というところから体験してもらいました。
よろしければ、
これをきっかけに、
アラビア語の勉強を、
始めてみてはいかがでしょう。
もうひとつの体験コーナーは、
私、長沼が、
地図の書き方、見方の話をしました。
近年は、グーグルマップなど、
インターネットで提供される、
地図情報が便利です。
ですが、この地図情報に慣れると、
目的地まで、点から点へと移動して、
あまり周囲を見ないのではないかと思います。
実は、地図は、読み物と似ていて、
いろいろな情報を読み取ることができます。
目的地ばかりみないで、
その周辺を、面的に眺めてみると、
いろいろ発見があります。
特に、先日紹介した、
古地図などは、
その時代の人の考え方が、
反映されていて、
じんわり眺めると、
面白いところが見えてきます。
本日は、調子にのって、
古地図も取り出し、
京都の歴史も、話してしまいました。
オープンキャンパスは、
月ごとに、模擬授業や体験コーナーが、
変わります。
よろしければ、またおいでください。
報告:長沼光彦
オープンキャンパスを開催しました。
多くのご来場ありがとうございます。
今年最初のオープンキャンパスとなり、
学生スタッフも新しいメンバーを迎えました。
1年生のスタッフは、
まだ慣れないところもあったかもしれませんが、
それぞれ、本学の良いところを伝えたいと、
スタッフに加わった学生です。
また、いらしたときには、
ぜひ、大学の様子を、
学生の目線から聞いてみてください。
今後とも、よろしくお願いします。
昨年も行いましたが、
食堂には、お菓子を楽しみながら、
本学の学生と話していただく、
カフェコーナーを用意しています。
こちらもご利用ください。
今回は、茶道部が参加して、
お茶を用意いたしました。
人間文化学科の模擬授業は、
吉田朋子先生の、
「絵画の見方」です。
いくつか絵画作品を見てもらって、
その絵画について語る、
ギャラリートークにチャレンジしてもらいました。
絵を言葉にする、
というのは、なかなか難しいかな、
と思っていましたが、
参加した皆さんは、
積極的に、自分で気づいた点を、
コメントしてくれました。
絵を知るためには、
知識も必要なのですが、
絵のどこに着目するか、
目の付け所を発見することも大切です。
今回のように、
絵を見て、言葉にできれば、
これをきっかけとして、
絵を説明する力を、
身につけることができるでしょう。
体験コーナーでは、
鷲見朗子先生が、
アラビア語入門講座を、
行いました。
一度ご覧になったことがある方は、
筆記されたアラビア語が、
どこで切れるのかな、
と思ったりするかもしれません。
まずは、その種類を知っていただいたうえで、
名前を書いてみましょう、
というところから体験してもらいました。
よろしければ、
これをきっかけに、
アラビア語の勉強を、
始めてみてはいかがでしょう。
もうひとつの体験コーナーは、
私、長沼が、
地図の書き方、見方の話をしました。
近年は、グーグルマップなど、
インターネットで提供される、
地図情報が便利です。
ですが、この地図情報に慣れると、
目的地まで、点から点へと移動して、
あまり周囲を見ないのではないかと思います。
実は、地図は、読み物と似ていて、
いろいろな情報を読み取ることができます。
目的地ばかりみないで、
その周辺を、面的に眺めてみると、
いろいろ発見があります。
特に、先日紹介した、
古地図などは、
その時代の人の考え方が、
反映されていて、
じんわり眺めると、
面白いところが見えてきます。
本日は、調子にのって、
古地図も取り出し、
京都の歴史も、話してしまいました。
オープンキャンパスは、
月ごとに、模擬授業や体験コーナーが、
変わります。
よろしければ、またおいでください。
報告:長沼光彦
Posted by 京都ノートルダム女子大学 国際日本文化学科(人間文化学科)
at 21:46
│Comments(0)
│学生の活動報告│国際文化領域(多文化理解)│国際文化領域(芸術と思想)│日本語日本文化領域
2017年02月02日
宮永泉先生 最終講義
2月1日、宮永泉先生の最終講義、
「死の哲学 序説」を行いました。
宮永先生は、永年本学に勤め、
キリスト教哲学の講義を行ってきました。
今年定年退職の年を迎え、
最後の講義を開催することにいたしました。
死の哲学は、
キリスト教の有神論を信仰することにより、
自分の生を意味あるものと捉える、
考え方です。
ともすると、人間は、
どうせ死ぬなら、この世は無意味だ、
と考えたりします。
しかし、神の存在を信じることにより、
死こそが、自分の新しい誕生だと考えることができます。
神の、本当の世界に行くのだと考えます。
そうすると、この世の人生は、
本当の世界へ行くための準備段階で、
本当の世界へ行くために、
この世を充実させようと、
考えることができます。
死の哲学といいますが、
よりよく生きるための哲学、
だということです。
このような哲学の背景となる歴史について、
事例をあげながら、
講義が進められました。
タイトルに序説とあるのは、
永年考えてきたテーマを、
まとめる構想があるからだとのことです。
講義の終わりには、
質疑応答が行われました。
講義のあとには、会場を移し、
ささやかながら、お祝いをいたしました。
報告:長沼光彦