2018年11月19日

下鴨神社で特別講義を実施しました 2 ―日本年中行事論

 
  そして、今回学生たちにとって最も貴重な体験となったのは、国指定重要文化財の「預屋(あずかりや)」に、特別なお許しを得て、上がらせていただいたことです。この建物は、もともと神事を行う神職たちの控室だった建物で、江戸時代初期に建造されたものです。






 現在は、結婚式場として利用されているとのことで、学生諸君も神妙な面持ちで入室しました(室内は撮影不可でしたので、以下画像はありません)。





 室内はもともと畳敷きだったそうですが、現在はバリアフリーへの配慮等から、土足で入れるようにしているとのことでした。赤い絨毯が敷きつめられたその一室に一同緊張しつつ着席、宮先生から、室内にしつらえられた調度品などについて、お話をうかがいました。

 まず、学生達の目の前に置かれている盃を指さし、宮先生が「みなさん、持ってみてください」と指示を出されました。さて、とまどった学生諸君、首を傾げつつ、思い思いの持ち方で持ってみますが、宮先生から、「それではうまく飲めないよ」と指摘される始末。御講話は、盃の正しい持ち方から始まりました。

 そして、結婚式の際、新郎新婦が交わす三三九度の盃は、下鴨神社ではどのように行われるか、神棚に置かれたお供え物は、米、餅、酒であり、古代の日本人がいかにコメを大切なものと考えていたかが分かること、神前に二対置かれている五色(緑、黄、赤、白、紫)の真榊〔まさかき〕やその飾り物にはどのような意味があるのか、神前結婚式はいつどのようにして行われるようになったか、など、興味の尽きないお話ばかりでした。

  そう遠くない時期に結婚式を経験するであろう学生諸君にとって、ひときわ関心の深いテーマだっただけに、みな真剣に聞き入っていました。

  ご多忙のスケジュールを縫って、2日間にわたり、貴重なお話をしてくださいました宮先生、神職のみなさんに、心より篤く御礼申し上げます。






 以下、2回の特別講義を受講した学生諸君の感想を抄出します。


 「下鴨神社・上賀茂神社のご祭神が、父、娘、孫の関係であるということを初めて知りました。また、今回結婚式場を見学させていただき、非常にうれしく思いました。神社の式場がどんなところであるのか、雰囲気を感じることができました。またあらためてゆっくりと神社を見学したいと思います」


 「別雷命の別、命の意味を初めて知った。昔の境内が、まさか京都大学、松ヶ崎、鞍馬口まであったとは知らなかった」


 「ふだん聞けないような貴重なお話がたくさん聞けて、とても勉強になりました。カツラの木に香りがあるということをはじめて知りました。大学から近いので、また参拝したいと思います」


 「下鴨神社全体がとても綺麗で、魅力的でした。将来、和装で結婚式を挙げたいなと思いました」



 「結婚式場に入らせていただき、光栄でした。私は神前結婚式に参加したことがないので、驚くことが多く、またいつか自分が結婚するかもしれないので、その時の参考にしたいです。盃の持ち方など、学ぶことができ、大変貴重な時間でした。とても厳かな雰囲気を味わうことができてよかったです。マスコミが使っている『寺社仏閣』という言葉が間違いだというお話もためになりました」



〔報告者:科目担当 堀勝博〕

  


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2018年11月18日

下鴨神社で特別講義を実施しました1 ―日本年中行事論

 
  人間文化学科展開科目「日本年中行事論」の授業で、2回にわたり、下鴨神社(正式名称:賀茂御祖神社)権宮司、宮 暘[みや よう]先生による特別講義を、神社境内において実施しました。




  「日本年中行事論」という科目は、日本で行われるさまざまな季節の行事について、その由来や意味について講義を行うもので、平成22年度から開講されていますが、その初年度より、同先生のご協力を得て、特別講義を実施させていただいており、今年で9年目を迎えます。




  今回、1回目の授業では、賀茂社の境内が、古くは今の40倍の広さであったこと、政府の「上知令」などによって社地が狭まっていったこと、明治遷都に際し、下鴨神社に仕える社家は天皇とともに東京へ移住したため現存していないことなど、歴史的な経緯を中心にお話をうかがいました。




  後半は、神職の原さんが、境内を案内してくださり、重要文化財の楼門は、2階があって威厳をもってそびえているように見えるが、実際にはその2階は、人が立って歩けないほど天井が低いものである、本殿ご神体の正面に鎮座する2体の獣像は、金色が獅子、銀色が狛犬である、など、興味深いお話をしてくださいました。




  2回目の授業では、宮先生御身づから学生諸君を引率、境内を案内してくださいました。葵祭の際に、楼門を入って中門の外側(舞楽殿など)で勅使や斎王代の祭事を行うが、それは明治以前は、中門の内側は禁域であったことを踏襲しているからである、葵祭の際、「葵桂(きっけい)」と言って、二つの植物を蔓に差すが、それは、葉の形の似た二つの植物に古代の人が着目し、二つを合わせることで陰陽和合の力が得られると考えたものである(葵が陰、桂が陽)など、実際の境内で桂の木の前でうかがうお話に、学生たちも感銘した様子でした。






〔報告者:科目担当 堀勝博〕
    


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2018年11月08日

卒業制作目的でフィールドワークに行きました(蘆山寺)

秋らしくなるかと思いきや、
ちょっと暑いくらいの11月7日水曜2時間目。

市バス4番を駆使して3回生ゼミで京都御所の横にある「蘆山寺」を訪れました。
こちらは、『源氏物語』の作者・紫式部の住まいがあったと推定されている場所です。
紫式部は曽祖父・藤原兼輔がこの地に建てた家で一生の大部分を過ごしたとのことです。
現在は、天台圓浄宗のお寺になっています(蘆山寺は938年に開かれた與願金剛院が起源で、1577年に現在の場所に移転)。

実は今回のフィールドワーク、ゼミメンバーの一人の卒業制作に向けた調査の一環です。

歩道を歩いて安全に移動する一同。


準備してきた解説を読むメンバーと聞き入るメンバーたち。


「源氏物語の庭」として整備された蘆山寺の庭園。
有名な桔梗は盛りではありませんでしたが、とても落ち着いた静けさを味わいました。


ついでに、近くの「梨木神社」にも寄り、
有名な染井の水(京都三名水のひとつ)を見て(今回は容器がないので味見はなし)、
萩の群生した境内を拝見しました。


3時間めのある人ばかりだったので、すぐに帰る弾丸ツアーではありましたが、
京都の雅を垣間見た時間となりました。
卒業制作を完成するまでには、きっといろいろな場所をめぐることになるでしょう。
がんばってほしいものです。

(報告 吉田朋子)

  

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2018年11月05日

下鴨神社フィールドワーク


3年次ゼミ、専門演習のメンバーで、
下鴨神社にフィールドワークに、
出かけました。



大学の近くにあり、
行ったこともあるのですが、
知らないこともあり、
見てない場所もあるようです。


そんなわけで、
あらかじめ、由来など調べたうえで、
出かけました。


フィールドワークは、
資料を見て予習をしてから、
出かけるのが、決まりです。


行ってみると、
このまえの台風で、
下鴨神社の森
(糾(ただす)の森)に、
被害が出ていました。


実は、京都の各地の寺社で、
倒木の被害が出ているのです。

下鴨神社の成り立ちを、
調べに行ったわけですが、
現状を知ることになりました。


報告:長沼光彦  


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2018年10月03日

芸術の秋+前期の授業から

暑さも時々戻ってはきますが、さすがに10月、だんだんと過ごしやすくなり、
時々寒くもなってきました。
「芸術の秋」ですね。

京都には大小さまざまな博物館があります。
「京都市内博物館施設連絡協議会」に加盟している施設は、なんと200館以上。

前期2回生対象の「発展演習」(担当・吉田朋子)では、京都の歴史を勉強しながら
京都にある博物館施設についての学びました。
その一環として、7月のある日、三条通の「京都文化博物館」を授業時間に弾丸ツアーを決行しました。
こちらは地下鉄烏丸線から歩ける距離なので、このような企画が可能でした。



当日開催されていたのは
「西尾維新大辞展〜京都篇〜」と
「平安博物館回顧展 - 古代学協会と角田文衞の仕事 -」という
実に対照的な二つの展覧会でした。

西尾維新展では、インタラクティブな映像に盛り上がりました。
また、執筆の机の再現展示もあり、撮影可能でした。
撮影可能なエリアをもうけている展示は最近とても多いですね。



「平安博物館回顧展」は非常に学術的な展示だったのですが、
ふだん京都の歴史について講読している我々なので、
興味を持って観覧し、時間が足りない!という状態でした。

展示の様々な工夫にも触れられた時間になったと思います。

暑い夏も終わり、落ち着いていろいろなところにいける季節になりました。
京都は寺社仏閣と博物館をセットにして充実したツアーを組めるところなので、
学生の皆さんには、ぜひ友達同士誘い合って色々なところを回ってほしいなと思います。

(報告・吉田朋子)
  

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2018年08月24日

前期授業から ―祇園祭に行ってきました1

 先月のことですが、前期授業の中で行ったことを報告します。




 人間文化学科1年次生前期必修科目「基礎演習Ⅰ」Tクラスで、7月12日に、祇園祭鉾建ての見学に行きました。




 17日の山鉾巡行に向けて、各町では12日頃から鉾や山を建て始めるのですが、午前中でしたので、まだ作業が始まっていないところも多くありました。



 それでも、少しずつ「縄がらみ」の技法で組み立てられる山や鉾の骨組みや大きな車輪の形状など、ふだんは見ることのできない文化財のディテールを、間近に観察することができました。



 たまたま来日したドイツの友人ダニエル・ブラウンさん(ルフトハンザ航空広報責任者)が、特別ゲストとして参加してくれ、英会話を交えながら街を回りました。




 祇園祭に出かけるのが初めてだという学生がほとんどでしたが、早くもお祭り気分が漂い始めた京都の街を散策し、楽しいひと時を過ごしました。




 最後は京都の喫茶店の名店、前田珈琲で昼食をともにしました。




 学生諸君には、京都の街歩きの楽しさを味わったことでしょう。

 (報告者:堀勝博)

  


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2018年07月01日

上賀茂神社の夏越しの祓


昨日は、夏越しの祓(なごしのはらえ)が、
各地の神社で行われました。



学生が、上賀茂神社の、
夏越しの祓に出かけて、
写真を送ってくれたので、
ご報告します。


上賀茂神社では、
夏越大祓と称し、
午前10時に夏越し神事、
夜の20時に人形流し、
が行われます。


夏越し神事では、
「夏越しの祓をする人は、
千歳の命延ぶというなり」
という歌を唱えながら、
8の字に、茅の輪をくぐります。


人形流しは、
参拝に来た人たちが、
穢れをうつした紙の人形(ひとがた)を、
神社の中を流れる、
ならの小川に流して、
穢れを祓う儀式です。



今回学生が行ったのは、
夜の人形流しです。

上賀茂神社は、
加茂川の近くにあり、
水にまつわる神事を重んじています。



そのため、
神社の中を流れる、ならの小川と、
その上に渡された橋殿で、
儀式が行われるのです。



昨日は、雨だったのですが、
ちょうど夜の神事の際には、
晴れたのだそうです。

神事に参加できて、
何よりでした。



写真:アリス
報告:長沼光彦
  


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2018年06月17日

石清水八幡宮の周辺を歩きました


16日、土曜日に、
石清水八幡宮の近辺を、
散策いたしました。


今回は、学生は一緒ではないのですが。


緑懇会という、
文化史蹟周辺の、
森や樹木に注目しながら、
人間と文化を考える、
グループに参加したのです。


石清水八幡宮は、
京都の南西、裏鬼門にあたる、
男山に位置します。


そんなわけで、
ちょっとした山登りをしながら、
樹木を見て回るわけです。



参加している方たちは、
学校の先生など、
植物や文化に詳しいので、
話を伺うと、勉強になります。


もったいないのは、
若い方の参加が少なく、
関西の文化や、樹木に興味のある方は、
一緒に歩いてみると、
良いのではないかと思いました。


石清水八幡宮は、
6月ということで、
夏越しの祓えの準備で、
茅の輪が飾られていました。



報告:長沼光彦  


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2018年05月11日

ゼミで大田神社に行ってきました 

  
  人間文化学科3年次生必修科目「専門演習」(日本語・古典ゼミ)で、大田神社に行ってきました。国の天然記念物として有名なカキツバタが見頃になるのが、5月初旬のこの時期です。ここ2年ほど鹿の食害で花が激減していましたが、今年も例年に比べ少し少ない印象でした。




  それでも、学生たちは初めて間近に見る紫色の花の美しさに、インスタ映え効果でしょうか、しきりにスマホをかざしていました。

  GW前に、事前課題をいくつか出しておきましたが、みなさん答えは見つかったでしょうか。

  大田神社の祭神の名は?

  答:天鈿女命。アメノウズメノミコトと読みます。日本古代神話に登場する有名な女神で、天照大神が天の岩屋戸に隠れた時、桶の上でひたすら踊ったことで知られ、「俳優」の始祖神とも言われています。





  藤原俊成が詠んだ歌は? その意味は?

  答:神山や大田の沢のかきつばたふかきたのみは色にみゆらむ(五社百首歌 1190年)

  訳:神山のふもと、この大田の沢に咲くカキツバタよ。人々がこの山の神を信じる深い心が花々の濃い紫色に現れているのだろう。

インターネットに流布する口語訳には、この歌を恋歌として読む解釈が行われていますが、神祇歌と解すべきものと思われます。

 〈報告者:堀勝博〉

  


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2018年05月09日

フレッシュマンセミナー 銀閣寺・哲学の道散策コース レポートその2

私達は真如堂、法然院、哲学の道、銀閣寺に行きました。
このコースは『春の哲学の道を歩こう』をテーマにし、
京都の文化や歴史を学ぶことができる場所を選びました。


最初に行ったのは真如堂。


真如堂は、京都市の天台宗の寺院の本堂として、
最大規模を誇っている寺です。

三重塔を見ながら、
重要文化財に指定されている本堂に入り、
静かな時間を過ごすことができました。


次に行ったのは法然院。

法然院の境内に入れるのは珍しく、
運良く当日も境内に入ることができました。

そして法然院には、
有名な学者や画家などのお墓があることで知られています。
今回は谷崎潤一郎、福田平八郎のお墓に行き、お参りをしました。


法然院を後にし、哲学の道を通りながら銀閣寺道へ。


哲学の道は四季折々に景色が変化することで有名な道です。
当日は満開の桜を見ることができなくてとても残念でしたが、
八重桜や川に流れている桜の花びらの写真を撮っている人を多く見ました。

八重桜を見ることがあまりないため、この機会に見れて良い思い出になりました。



銀閣寺道に到着しここでおやつタイム!

このコースのお楽しみでインスタ映えするスイーツ、
フルーツアイスバーを食べました。


種類が豊富でどれにしようか迷いましたが、
いちご、みかん、パイナップルを選んでいる人が多かったように思えます。
ちなみに私はみかんを選びました。

天候に恵まれていたので、この日にぴったりのスイーツでした!



そして最終目的地の銀閣寺へ。


正式名称は東山慈照寺。

国宝に指定されている観音堂や東求堂、
高さ180cmの向月台、銀沙灘など、
京都ならではの光景を見ることができました。


(向月台)


(銀沙灘)


私がフレッシュマンセミナーのリーダーを引き受けさせて頂いたのが、
3月上旬だったのですが、下見から当日まであっという間に日が過ぎていきました。

私達もまだまだ未熟で上手くいかなかった所もありましたが、
1年生の皆さんにとって良い思い出になれば幸いです。

このような貴重な経験をさせて頂き本当にありがとうございました。




2回生 齋藤眞旺  


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2017年11月17日

松ヶ崎大黒天に紅葉を観に行きました


最近、気温も下がってきたので、
そろそろ見頃かと、
松ヶ崎大黒天に、紅葉を観に行きました。


基礎演習のクラスの学生と、
一緒に出かけました。


松ヶ崎大黒天は、
大学の近くにある、
京都の名所のひとつです。

(実は、大学の近くには、
京都の名所が多くあります。)


写真で見るぶんには、
お、紅葉している、
という感じですが、
まだ盛りには、少し早かったようです。

写真と反対側は、
まだこれから、ということころでした。

歩いていると、ずいぶん、
寒かったのですが。


ただ、境内には、
結婚式の前撮りをしているらしき、
方もいらっしゃいました。

やっぱり名所だからだな、
と学生には、言っておきました。


報告:長沼光彦  


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2017年09月10日

祇園祭に行ってきました6 ―3年次生「専門演習」クラス〈終〉


(夏に出かけた祇園祭の記事の最終回です。六日の菖蒲どころではありませんが、おゆるしのほど)


日もすっかり暮れ、人出も増えて、お祭りムードが高まってきました。






われわれが最後に向かったのは、くじ取らずの鉾の一、放下鉾(ほうかぼこ)でした。

鉾の真木(しんぎ)の中ほどに放下僧の像を祀っていることにちなむ名です。放下僧とは、室町時代後期に現れた僧形の大道芸人のことで、仇討ち物の謡曲「放下僧(ほうかぞう)」にも登場します。親への孝養を重んじた古人たちが、親の敵を討つ兄弟の物語に感じて制作した鉾なのでしょう。

町会所の二階に上がらせていただき、お宝の数々を拝見しました。





まず目に飛び込んで来たのは、モスクとフクロウのデザインが異彩を放つ見送りでした。江戸時代に作られた綴織(つづれおり)に代わり、昭和57(1982)年に制作された「バクダッド」という名の臈纈染(ろうけつぞめ)だそうです。ギリシャ神話や聖書のデザインが古くから用いられてきた祇園祭ですから、イスラーム風のものが加わっても何ら不思議ではありませんね。





こちらは、鉾の先端を飾る鉾頭(ほこがしら)です。地上を照らす太陽、月、星をデザインしたもので、形が洲浜(すはま)の模様に似ているので、この鉾は「すはま鉾」の別名があります。






放下鉾では、昭和3(1928)年までは長刀鉾と同じように、生き稚児を乗せていました。その時に用いた古い冠が二つ並べて展示されていました。いったい何人の子どもたちがこの冠をかぶってきたのかと思うと、祇園祭の歴史と伝統を目の当たりにした思いでした。




こちらは、現在の稚児人形がかぶる冠です。昭和4年製造だそうです。





町会所二階の奥には長い廊下のような橋がかかっており、向こうの倉庫の方まで続いていました。この橋は、祭りの時に器材を運び出すためだけに引き出されるものだそうです。町衆たちが、いかに祭中心に物事を発想してきたかがうかがえます。










見物人も鉾に乗せていただけるとのことでしたが、こちらは女人禁制につき、学生たちは入口のところでストップ。天井の様子や屋根を支える鉾の柱に施された見事な彫刻など、学生に知らせるため、何枚か写真を撮らせていただきました。




鉾から下りてそろそろ帰ろうかと思ったちょうどその時、お囃子の演奏が始まりました。鉾入口のところで待っていた学生たちは、コンサートのボックス席のごとく、かぶり付きでお囃子を聞くことができました。悠揚迫らぬ優雅なその響きに、学生たちは時の経つのも忘れ、聴き入っていました。〈終〉




(報告者:「日本語と古典ゼミ」担当、堀勝博)

  


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2017年09月09日

宇治散策 学生のフィールドワーク


学生が京都を散策した写真を、
送ってくれたので、
ご紹介します。


宇治といえば、
平等院でしょうか。
まずは、こちらを見学したようです。


最近修繕をして、
いっそう美しい姿になっています。


宇治に行くなら、
宇治川近辺も散策した方が良いですね。


こちらは宇治橋ですね。


宇治橋のたもとには、
紫式部の石像があります。


紫式部による「源氏物語」、
宇治十帖が、
宇治を舞台とするからです。

写真を送ってくれた学生は、
「京都をプレゼンする」というテーマのゼミで、
紫式部と京都というテーマで、
展示パネルをつくっていました。

今回のフィールドワークは、
その一環ということです。

(展示パネルは、
今度の10日、日曜日のオープンキャンパスで、
ご覧いただけます。)


少し調べてから行くと、
みどころもわかって、
良いですね。


写真:アリス
報告:長沼光彦  


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2017年09月02日

祇園祭に行ってきました5 ―3年次生「専門演習」クラス



続いて遭遇したのは、船の形をした船鉾(ふねほこ)です。ご神体は、神功皇后です。かつてお札にもなったことのあるお方ですが(女性でお札に採用された第一号)、戦後は教科書からも完全に抹消され、今の女子大生は知るよしもありません。読み方も「ジングウコウゴウ」ですので、お間違えなく。




祇園祭ではとても重要な人物で、船鉾の他に、占出山、3年前に150年ぶりの復活を遂げた大船鉾(かつての呼称は「凱旋船鉾」)のご神体に取り上げられており、往時の人気がしのばれます。詳しいことが知りたい学生さんは、古事記・日本書紀をお読みください。




ここでも粽を売る少女たちが元気のよい歌声を披露してくれていました。楽しそうな一生懸命な姿に打たれ、記念に一つ購入することにしました。これでわが家も一年無事安泰です。




その後、木賊山を見学し、動くカマキリで知られる蟷螂山を見に行きました。カマキリがパタパタするのは、晴れの日の山鉾巡行の時だけですから、夜に拝見したご神体は「蟷螂之斧」を控えめにした神妙なお姿でした。




こちらは提灯にカマキリが貼り付いており、訪れた人々を和ませていました。

(報告者:堀勝博)

  


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2017年09月01日

祇園祭に行ってきました ―3年次生「専門演習」クラス3

祇園祭宵山の楽しみは、浴衣掛けで露店を思い思いにめぐり、食べ歩きをすることですが、ついそれだけで終わってしまって、祭り本来の意味や伝統にまったくふれぬまま、夏フェスの一種ぐらいに考えて、お祭り気分を味わうだけといった人が多いとすれば、まことにもったいないことです。

往時の人々が、どんな思いでこの祭りを作り上げ、受け継いできたのかを知った上でこの祭りに参加することは、同じ京都に学び、生活する者として、とても大切なことではないでしょうか。

ということで、わがゼミでは単に歩行者天国に立ち並ぶ山や鉾を見学するだけではなく、必ず町会所に立ち寄り、ご神体や展示品を拝観して、各山鉾の由来や歴史について学ぶようにしています。




今回ご紹介するのは、伯牙山(はくがやま)です。提灯や幔幕がおしゃれな琴柱(ことじ)の模様になっていました。このような粋な遊び心が至るところに見られるのが、この祭の楽しさですね。




この山のご神体が、物語の主人公、琴の名手、伯牙です。とても思い詰めた表情で、手に斧を持ち、琴を断ち割ろうとしています。なぜ琴の名人が琴を割ろうとするのか。それがこの伯牙断琴のお話です。『呂氏春秋』や『蒙求』などに載っています(ただし、明治以前は主人公の人物名は特定されていなかったらしく、単に「琴割山」と呼ばれていたそうです)。

この伯牙山の特徴は、懸装品がすべて中国色で統一されているところです。




見送りの「仙人図」は西陣で制作されたという刺繍。人物の押し絵が施された水引は、20年前に復元されたもの。いずれもいかにも中国風ですね。この山を代々受け継いできた町衆の心意気がうかがえます。




ゼミ発表を担当した中国の留学生も興味津々の表情で見入っていました。

(報告者:堀勝博)



  


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2017年08月22日

祇園祭に行ってきました ―3年次生「専門演習」クラス2


次に通りかかったのは、芦刈山です。「芦刈」とは、大和物語などに出てくる有名なお話で、夫婦愛、固く結ばれた夫婦の絆をモチーフにしています。




ご神体は、落ちぶれて葦を刈る物語の主人公、元・夫です。右手に鎌、左手に刈り取った葦を持っています。衣装の一つ(旧衣装の小袖)に、天正17年(1589年)に制作されたものがあり、祇園祭のご神体の衣装としては現存最古だそうで、重要文化財に指定されています。この祭りの歴史の古さがうかがえますね。




人形の御頭はさらに古く、天文6年(1537年)に作られたとのこと。現在はレプリカを用いているそうです。




写真は、巡行の際に山を飾る懸装品の一つ、見送り。年によって使用されるものが異なり、右側が山口華楊画伯の「鶴図」を原画として織られた綴織、左側が江戸時代後期の「唐子喜遊図」で、今年は右の「鶴図」の方を使用するそうです。




こちらは、豊臣秀吉の陣羽織模様をもとに平成に入って新調された胴懸の綴織です。おもしろい鳥獣の図柄ですね。

晴れの日を飾る一つひとつの用品に、古くから多くの人々が熱い思いを籠めてきたことがわかります。


(報告者:堀勝博)


  


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2017年08月20日

祇園祭に行ってきました ―3年次生「専門演習」クラス



大学は夏季休暇に入りましたが、7月にゼミで祇園祭見学に行ったときの記事を何回かに分けて報告します。

3年次生必修科目「専門演習」(ゼミ)の「日本語と古典」クラスでは、日本の古典文学や古い文化に興味を持つ学生が集まっています。

京都を代表する夏祭、祇園祭は、古典文学に深い関わりがありますので、毎年授業の一環として学生を見学に連れ出します。芦刈山、黒主山、木賊山、船鉾、鶏鉾、伯牙山、孟宗山など、古文漢文に取材した山や鉾が数多くあるのです。




今年のゼミ生は、とりわけ古典文学に強い興味をもつ学生が多いので、事前にそれらの山や鉾の由来となった古典文学原文をみっちり学習しました。

とは言っても、33基すべてを網羅することは難しいので、いくつかの山・鉾に焦点を絞りました。香港出身、中国出身の二人の留学生には、漢文学由来の山鉾を担当してもらいました。

見学したのは、お昼に行われる山鉾巡行ではなく、夕刻、駒形提燈に灯が点り、お祭ムードが溢れる宵山でした。まず目に入ったのは油天神山。




さっそく「ちまきどうどすかー」の掛け声でおみやげを売る少女たちのコーラスがわれわれを出迎えてくれました。

留学生たちも、初めて見るこのかわいい光景に目を細くしていました。 〈続〉

(報告者:堀勝博)


  


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2017年08月17日

愛宕山に登る 学生のフィールドワーク

8月1日2時の日付で、愛宕山に登った、
という知らせ(LINE)をもらいました。



何しに行ったの、と聞くと、
火の用心のお札をもらいに行った、
とのことでした。


なるほど、愛宕山の愛宕神社は、
火伏せ(ひぶせ)の神として知られます。

7月31日夕刻から、8月1日早朝の参拝は、
千日詣(せんにちまいり)と呼ばれ、
千日分の防火の御利益があるとされます。


飲食店でバイトをする知り合いと、
その店のご主人と一緒に登ったのだそうです。


きっと御利益があることと思います。

願いを叶えるためには、
苦労をする必要があるわけですね。
(今回は、山登りです。)



防火のように、身近な願いをかける行事は、
京都に住まう人とおつきあいがあることで、
知ったのでしょう。


有名な祭に行くのも良いのですが、
京都の人とお知り合いになり、
身近な行事を教えてもらうのも、
京都フィールドワークですね。

(勉強していくよりも、
生きたフィールドワークと、
言えるかもしれません。)



写真:アリス
報告:長沼光彦

  


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2017年08月15日

夏越の祓の思い出 続 学生のフィールドワーク

昨日の続き、上賀茂神社の、
夏越の祓(なごしのはらえ)の儀式を紹介します。


学生が写真を送ってくれたものです。



6月30日、上賀茂神社、
夏越の祓、夕刻の儀式は、
ならの小川にかかる橋殿(はしのどの)で、
行われます。



上賀茂神社の宮司さんが、
祓の詞(はらえのことば)を唱え、
氏子さんら託された人形(ひとがた)を、
ならの小川に流し、祓を行います。



人形は、氏子さんらが、
自分の体についた穢れ(けがれ)を、
うつしたものです。

人形が祓われることで、
当人の穢れが清くなることを、
祈るのです。

人形は、火で清められることもあるのですが、
水で清められるところに、
上賀茂神社の儀式の特徴があります。



写真:アリス
報告:長沼光彦

  


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2017年08月14日

夏越の祓の思い出 学生のフィールドワーク

以前の話ですが、
上賀茂神社の夏越の祓(なごしのはらえ)を、
ご紹介します。


学生が写真を送ってくれました。


夏越の祓は、6月30日、大学の近くでは、
上賀茂神社、上御霊神社、吉田神社などで、
行われます



上賀茂神社では、午前中と、
夕刻からと、2度行事が行われます。


この写真は、夕刻の儀式が行われる前に、
茅の輪くぐり(ちのわくぐり)をしている、
参拝者の皆さんの様子です。


上賀茂神社では、午前10時から、
宮司さんたちが、茅の輪くぐりの、
儀式を行います。

はじめに、神官さんたちが、
茅の輪をくぐり、お祓いをします。

その後、場所を、境内を流れる、
ならの小川にかけられた、
橋殿(はしどの)にうつします。

そこで、紙でつくられた御饌(みけ)を捧げ、
祓えの儀式を行います。

紙の御饌(みけ)は、儀式のあとに、
ならの小川に流されます。

その後、参拝者の皆さんが、
茅の輪をくぐることになります。


上賀茂神社独特の儀式ですので、
一度、参拝されてはいかがでしょうか。


写真:アリス
報告;長沼光彦  


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