2017年06月23日

ロジック(論理)ってなんだ 日本語コミュニケーション+国文学概論

論理(ロジック)的に話す、書く、ということは、
理性的な話し合いの場で、求められます。




では、論理、筋道が通っていることには、
どういう特徴があるでしょう。

それは、単純な形に、置き換えられる、
ということです。

A+B=Cみたいな形ですね。

単純な方が、わかりやすい、
ということです。


そうすると、逆に、微妙なニュアンスが、
抜け落ちてしまうような気がしますね。

そのニュアンス、たとえば、
DとかEとかFがあるなら、
それらが、A+B=Cと、
どういう関係にあるのか、
説明するのが、論理、
ということになります。




面倒くさいなあ、とか、
AとかBとか、分解したら、
何か違う気がする、
という意見もあるかと思います。

もちろん、論理的な表現が、
言葉の表現のすべてでは、
ありません。

エッセイとか、小説とか、詩は、
ここでいう論理的な文章とは、
組み立てが異なり、
違う味わいを表現します。

(小説とか、詩も、
論理や構造がある、
と考えて、
分析する方法もあります。)



言葉の表現も、
いろいろある、
ということを、
知ってもらうと、
面白くなってくると思います。


報告:長沼光彦
  


Posted by 京都ノートルダム女子大学      人間文化学科  at 18:50Comments(0)授業紹介日本語日本文化領域

2017年06月22日

メロスだって認められたい 国文学概論

太宰治「走れメロス」をよく読むと、
メロスは、友のためだけでなく、
「名誉」のために走っています。



「若い時から名誉を守れ」と、
作中でメロスは言っています



友のために走っていると思って、
読んでいたのが、
自分の名誉のために走るの?、
と違和感を持つ人もいるでしょう。


名誉というと、
共感できないかもしれませんが、
人に認められること、
と言い換えるといかがでしょう。

私たちは、人に認められたい、
という気持ちを持っているのでは、
ないでしょうか
(心理学では、承認欲求といいます。)



友のために走るのだとして、
その自分を人に認めてもらいたい、
そんな気持ちも、
人は持つものだと思います。

単純にいうと、
自分をほめて、という気持ちですね。


そういう意味では、
メロスは、立派な人というより、
私たちに近い面も、
持っているのではないでしょうか。




報告:長沼光彦
  


Posted by 京都ノートルダム女子大学      人間文化学科  at 17:00Comments(0)授業紹介日本語日本文化領域

2017年06月21日

図書館展示「ホラー」~準備編~

《図書館サービス概論》受講生による、図書館展示のお知らせです。

図書館展示の日が近づいてまいりました! まだ風が冷たく感じる日もありますが、6月7日に梅雨入りし、いよいよ夏も近づ いてきています! 選書した本を読み、一足先に夏を感じながら作業を進めています。

選書が終わり、書誌(展示する本のリスト)はほぼ完成しました。
広報用のポスターには怖いオバケがいる……かも?
展示に来てくださった方にご協力していただきたいアンケートは、気軽に評価してもらえるよう選択式にしました。 展示案内のちらしもアンケートと並行して頑張って製作中です! 展示紹介のためのポスターはまだまだ完成とは言えず、授業外に集まって作業を進めています。

また、展示する本を紹介するためのPOP作りをしています。 皆さんに興味を持ってもらえるよう、各自が工夫を凝らして作りました!
下の写真はその中の一部です。 その本の良さが少しでも伝われば、と思っています。






展示中は貸出できませんが、図書館内で閲覧することは可能です。
ぜひ図書館まで足を運んでください!

報告者:《図書館サービス概論》2017年度受講生 広報担当者  

Posted by 京都ノートルダム女子大学      人間文化学科  at 05:37Comments(0)学生の活動報告図書館司書資格授業紹介日本語日本文化領域

2017年06月16日

図書館展示「ホラー」~予告編~

《図書館サービス概論》受講生による、図書館展示のお知らせです。

《図書館サービス概論》では、毎年テーマを決めて本を紹介する展示をしています。 例えば、過去には「ジブリの森」や「図書館からグリムの世界へ」、昨年は「世界名作劇場への旅」というテーマで展示を行いました。

そして、今年の展示テーマは「ホラー」です!暑い夏を怖い話で過ごしませんか?
伝承コーナーと文学・映像作品コーナーに大きくわけ、外国と日本では不思議生物や恐怖のイメージにどんな違いがあるかを比較しようと考えています。 ゾッとするほど怖いものから、昔は畏怖の対象であった不思議生物まで、様々な視点から紹介します!

「ホラー」と聞いてイメージするのは幽霊や殺人鬼ではありませんか?
しかし、怖いものというのはそれだけではありません。日本に昔から伝わる「妖怪」も恐ろしいものの一つです。他にも日本では可愛いらしいものとして認識されることの多い「妖精」は、実は醜いものも多いことをご存知ですか? 伝承コーナーではそんな妖怪や妖精を中心に、昔から伝わるちょっと不気味で怖いものを紹介します!

文学・映像作品コーナーでは有名な作品だけでなく、短編集や心理学系の資料も多数紹介します。
皆さんは「世界三大ホラー映画」をご存知ですか?実は図書館にもあるんです!
世界三大と言っても説はいろいろあるのですが、写真は世界三大ホラー映画の中でも特に有名な海外のホラー映画の原作です。 「その映画見たことある!」という方は、ぜひ原作も読んでみてはいかがでしょうか?

図書館展示予告編2017



あいにく展示中は視聴・貸出はできませんが、簡単な作品紹介を展示しますので気になる方は是非見に来てください。


場所は本学図書館1階展示エリアです。
6月20日~7月18日の期間に展示しています。
ぜひ足を運んでみてください。今年の夏は「ホラー」で涼みましょう!

報告者:《図書館サービス概論》2017年度受講生 広報担当者

  


Posted by 京都ノートルダム女子大学      人間文化学科  at 19:46Comments(0)学生の活動報告図書館司書資格授業紹介日本語日本文化領域

2017年06月15日

公開講座「百人一首―かるたに恋して」を開催しました

6月10日の土曜日に公開講座を開催しました。
映画化もされた漫画『ちはやふる』の人気もあってか、会場は大盛況でした。
中学校かるた部の生徒さんたちも来てくださいました。


司会は、本学3回生が務めました。
授業での取り組みが垣間見られる、堂々たる司会ぶりでした(手前味噌ですが)。





第1部では、本学の堀勝博教授から
「『京都百人一首かるた』で巡る京都の名所」と題した講演がありました。




堀ゼミの学生たちが「京都百人一首」を制作するに至った経緯や、
「一人一首、一か所一首(京都の地名)」という限定による
選歌の苦労などが語られました。

涙を呑んで選外となった歌を紹介するなど、
京都にちなむ歌への深い愛が感じられる講演となりました。


ところで、当日のアンケートにこのような質問がありましたので、
堀教授からのご回答をここにお知らせいたします。どうぞご参考ください。


*****
アンケートに、「神山」はこうやまと読む、というのがありましたが、
和歌では、「こうやま」ではなく、「かみやま」と読まれてをります。

現在の上賀茂の地名は「こうやま」と読んでいますが、
それは正式名称「かみやま」が変化したものです。

たとえば、大阪市住之江区「遠里小野」は、
万葉集では、「とほさとをの」ですが、現在の呼び名は「おりおの」であり、
読み方が変化しているわけです。

地名のウヂ(宇治)を上代で「莵道(ウヂ)」と記した例がありますが、
その漢字表記を現在でそのまま音読みで「トドウ」と読んでいるのも同じ例です。
*****

つづく第2部では、元クイーンの荒川裕理氏をお招きし、
「百人一首とかるたについて」をテーマにご講演いただきました。






「競技かるた」がいまのような形で行われるようになった経緯について、
詳細な歴史を紐解きながらお話しいただきました。


現在の「かるたブーム」ともいわれる状況については、
『ちはやふる』の影響だけではなく、
小学校・中学校現場において百人一首が、
子どもたちが親しみやすくなるような工夫のもとで
取り上げられているためでもある、というお話もありあました。


また、荒川氏が「競技かるた」を始めたきっかけや、
クイーンを目指す道のりの険しさなども、大変興味深いお話でした。



休憩をはさんで、みなさんおまちかねの「競技かるた」の実演・体験会がありました。


まず、「競技かるた」の選手たちが猛烈なスピードで札を払う秘訣である
「決まり字」について、詳しく解説していただきました。






そして、クイーンと選手による実演。目にもとまらぬ速さで札が払われていきます。






最後に体験コーナー。中にはクイーンを驚かせる払い手を見せてくれた方もいました。






今回の公開講座に参加してくださったのは、なんと百人ぴったり。
「百人一首」が、幅広い年齢層の方々にとって
魅力的なテーマであることを再確認する、素敵な機会となりました。


報告:辻 敦子
  


Posted by 京都ノートルダム女子大学      人間文化学科  at 12:41Comments(0)話しことば教育日本語日本文化領域学科行事

2017年06月12日

ラジオ番組準備中!



人間文化学科の平野ゼミでは、
毎年、ラジオカフェにゼミメンバーで出演しています。

企画から内容の構成、トーク、放送局とのやり取り等、
全て自分たちで取り組んでいきます。

その準備の過程、
そして、生放送出演を通して、
実践的な力、話す力、度胸などを養っていこうというものです。

本年のラジオ番組のテーマは、
最近の女子大生の恋愛事情と流行。

やわらかいテーマではありますが、
聞きごたえのある内容にしていこうと、
関連の論文を調べたり、女子大生にアンケートをしたりと
様々に準備を進めているところです。

放送は、以下の通り。
――――――――――――――――――
放送局:ラジオカフェ FM 79.7
日 時:2017年7月5日(水)18時半~19時

*Listen Radio を使えば、京都はもちろん、
 世界中どこでも聞くことができます

 http://listenradio.jp/
――――――――――――――――――――


明るく元気で、個性豊かな5人の番組を
ぜひお聞きください。



報告 平野美保



  


Posted by 京都ノートルダム女子大学      人間文化学科  at 18:26Comments(0)話しことば教育授業紹介日本語日本文化領域アクティブラーニング

2017年06月02日

メロスは何のために走る 国文学概論


「走れメロス」というと、
友情の物語という、
印象が強いと思います。



ところが、よく読むと、
「身代りの友を救う為に走るのだ」
「王の奸佞邪智を打ち破る為に走るのだ」
と言いつつ、
「若い時から名誉を守れ」とも言っています。


友情、正義、の他に、
それらを大切にする、
自己の実現ということも、
メロスの動機になっているわけです。


友情を「献身」だと考えるならば、
自分の名誉を重んじる、
自己実現は、相容れない要素のようにも、
思われます。




ともかくも、メロスの中では、
友情と、正義と、名誉は、
一体化しているようです。

また、それゆえに、
道の途中で、挫折しそうになった、
メロスの悩みも、
複雑になっています。

友情も、正義も、名誉も、
どれも達成できないものとして、
逆にメロスの重荷となっていくのです。

「ああ、もう、どうでもいい」
その結果、やけくそになって、
すべてを投げだそうと、
したりもします。




「走れメロス」を、
友情以外の要素から読もうとする評論に、
寺山修司「歩けメロス」があります。

こちらも、読んでみてください。

報告:長沼光彦
  


Posted by 京都ノートルダム女子大学      人間文化学科  at 19:59Comments(0)授業紹介日本語日本文化領域

2017年06月01日

古地図を比較する 発展演習


発展演習「京都でプレゼンする」は、
京都の古地図を使いながら、
京都の特徴を学んでいます。



まず、江戸時代の古地図を見ると、
平安時代の京都の話を思い出せば、
あれっと思います。

古典の時間や、日本史の時間に、
聞いた話だと、
平安京は、碁盤の目の、
四角い町だったはずです。

ところが、江戸時代の古地図で、
京都は、南北に長細い、
船のような形になっています。


これは、京都の西側が湿地で、
住居として好まれなくなり、
しだいに東側に人が移っていったからです。

室町時代には、京都の町は、
船の形になったようですが、
その後、豊臣秀吉が、
京都町を囲むように、
大きな土の壁(御土居(おどい))をつくり、
船の形の町が、はっきりとなりました。



今度は、昭和の地図と比較してみて、
明治時代に開通した、市電の路線を見たりすると、
京都の町は、船の形を原型として、
発展してきたことがわかります。

船の形、御土居の外側は、
明治以降も、郊外だったわけです。


地図を見ると、そんな土地の歴史を、
実感することができます。

報告:長沼光彦




  
タグ :古地図京都


Posted by 京都ノートルダム女子大学      人間文化学科  at 21:53Comments(0)授業紹介京都日本語日本文化領域

2017年05月26日

原作と比較する 走れメロス 国文学概論

国文学概論では、
「走れメロス」を読みながら、
小説の構成について、
考えています。



太宰治が「走れメロス」を書くにあたり、
参考にしたと思われる、
詩があります。

シラーの「人質」という作品です。

(このことについて、
すでに種々の論文があります。
山内祥史編『太宰治『走れメロス』作品論集』
クレス出版、2001年
に掲載されている論文を、参照していただくと、
良いでしょう。
インターネット上で公開されている、
論文もあります。)


「人質」と比較してみると、
太宰治が書き足している部分が、
ずいぶん多いことがわかります。

村で妹の結婚式をあげる場面は、
すべて書き足しです。

メロスが村の牧人であることや、
邪悪に敏感というキャラクターの設定も、
書き足している要素です。



この書き足しの部分を、
改めて見てみると、
単純な話と思われた、
「走れメロス」も、
複雑な味わいがあることが、
わかります。

また、
太宰治の他の作品と比べてみると、
その付け足しの部分に、
太宰治の作家としての、
共通点を見いだせるようにも、
思います。


いずれにせよ、
この書き足しの部分に、
当時の(あるいは太宰の)「小説らしさ」が、
表現されているでしょう。

近代以前の物語とは、
異なる要素を、
小説らしさは、
必要とするのです。

言い換えると、
付け足しの部分にこそ、
当時の人たちが、
読んで面白い、
と思われる要素が、
含まれている、
ということですね。


報告:長沼光彦

  


Posted by 京都ノートルダム女子大学      人間文化学科  at 18:14Comments(0)授業紹介日本語日本文化領域

2017年05月25日

メッセージ 京都で映画を観る

映画「メッセージ」は、異星から来た生物と、
コミュニケーションをとろうとする話です。



地球の12カ所に、巨大な宇宙船が、
現れます。

宇宙船で訪れた生物の意図は、
何なのか。

これを探るために、言語学者が、
調査を進める軍隊に呼ばれます。



この異星の知的生命体と、
コミュニケーションをとろうと、
言語学者がいろいろと、
チャレンジするところが、
この映画の面白いところです。


そのチャレンジの過程で、
サピア=ウォーフ仮説、
という言語理論が紹介されます。

言語の勉強をしている人は、
知っている有名な考え方です。

映画では、いくぶん解釈を広げていると、
思いますが、
これが、物語の展開の鍵となります。



そんなわけで、言葉やコミュニケーションが、
モチーフとなっていて、
面白い映画に仕上がっていました。

ちょっと、ストーリーを追うのが、
難しいかなとも思いましたが。

報告:長沼光彦
  


Posted by 京都ノートルダム女子大学      人間文化学科  at 20:57Comments(0)国際文化領域(多文化理解)日本語日本文化領域

2017年05月17日

声を出すところから始める 国語科教育法Ⅰ

国語科教員を目指す授業、
国語科教育法Ⅰでは、
声を出すところから、はじめます。



国語に関する知識、
文章読解の方法、とかから、
はじめないのですか、
と疑問に思われるかもしれません。


もちろん、読解の方法など、
基礎的な知識は、大切ですが、
それらは、また別に勉強してもらいます。


国語科教育法Ⅰは、
国語という科目を教える方法を、
学ぶ科目です。



教育現場で授業をするためには、
口頭で説明しなければなりません。

口頭で説明するにも、
いろいろな技能が必要ですが、
まずは聞き取りやすく、
声を出す必要があります。

とはいえ、人前で話す機会は、
なかなかないでしょう。

というわけで、
まずは声をだすところか、
始めることにしています。



人間文化学科では、
話しことば教育という名称で、
プレゼンテーションやスピーチの方法を、
学んでいます。

そこで学んだことも、
国語科教育法でも、
活かしてほしい、
と思っています。


報告:長沼光彦  


Posted by 京都ノートルダム女子大学      人間文化学科  at 21:48Comments(0)国語科教諭免許授業紹介日本語日本文化領域

2017年05月16日

本物に触れる 京都の研究 発展演習

京都や日本の伝統文化を学ぶ際にも、
できるだけ本物に触れよう、
としています。

もちろん、
京都フィールドワークや、
基礎演習などでお招きするゲストは、
本物に触れる機会です。

今回は、図書館に所蔵している、
資料の話です。



私の担当する発展演習では、
京都をプレゼンする、の題で、
京都を様々な角度から、
見てみようとしています。

受講するグループのひとつが、
京都の市電を調べたい、
とプランを出しました。

グループに、
京都出身の学生がいて、
親御さんが、学生時代に、
まだ市電が走っていた、
という話を聞いたのだそうです。


どこを走ってたのですか、
と聞かれたので、
とりあえず、
インターネット上の情報を、
電子黒板で見せたのですが、
物足りない様子です。

よし、では、
図書館で、昭和初期の地図を見よう、
と提案しました。



地図を見たら、
すごい、おもしろい、
との感想です。

何が面白いかと言えば、
当時使っていた地図ですから、
市電の駅周辺の情報が書かれており、
なぜ、駅を設置したのか、
直観できるからです。


ついでに、ノートルダムは、
どこですか、と聞かれて見ると、
植物園くらいしか、
見当たりません。

北山界隈が発展してきた経緯を、
紹介しました。
ノートルダムに昔から勤めていた先生より、
聞いた話をまじえたりします。

実際の地図を見ると、
発見があるわけです。


こんなふうに興味を広げる機会となるので、
本物に触れる機会を設けています。


報告:長沼光彦

  


Posted by 京都ノートルダム女子大学      人間文化学科  at 21:38Comments(0)授業紹介京都日本語日本文化領域

2017年05月10日

メロスは王と対立する 国文学概論


国文学概論では、
太宰治「走れメロス」を、
作業しながら読解していると、
紹介しました




小説を読解する際には、
形でとらえる必要があります。
(「構造」ということも、あります。)


例えば、「走れメロス」の始まりは、
メロスと王の、
はっきりとした対立の形になっています。

メロスは、邪悪に敏感な男、
王は、邪智暴虐、ということになっています。

また、メロスは政治がわからない牧人、
王は、支配者です。

さらに、メロスは、妹の結婚式のために、
買い物に出かける男ですが、
王は、人を信じられないがゆえに、
妹をも殺しています。


「走れメロス」は、伝説を基にして、
あえて、単純な対立の構造にしているのでしょう。



読解は、さらに先に進みます。

小説の文章をよく読んでみますと、
そういう単純な対立構造から、
はずれた表現が見つかります。

邪悪なはずの王の顔が、
蒼白で、眉間に皺が刻まれています。

悩みがあるらしく、
王は、孤独だと主張します。


こういう単純な構造に当てはまらない部分を、
読み取ることで、読解は深まります。

形にはまらない表情や発言は、
登場人物の性格に、
奥行きを与えます。

いずれにせよ、
まずは、形を捉えないと、
意外な部分にも、
気づかないことになります。

形と意外な部分と、
両方読み取ることで、
発見があります。


報告:長沼光彦
  


Posted by 京都ノートルダム女子大学      人間文化学科  at 19:19Comments(0)授業紹介日本語日本文化領域

2017年05月09日

美女と野獣 京都で映画を観る


ゴールデンウィークに、
映画はご覧になりましたか。


今回は、ディズニー映画、
美女と野獣を、観ました。


美女と野獣は、
いろいろなバージョンがあるのですが、
今回の映画は、1991年のディズニーアニメの、
実写化です。


アニメと同じ人物設定なのですが、
ヒロインのベルは、読書が好きです。

本を読むことで、
別の世界に行った気持ちになれる、
というのが、ベルのキャラクターです。

そのため、村一番のいい男である、
ガストンとは、求婚されているのですが、
気持ちが合いません。

ガストンは、想像力を、あまり持ち合わせない、
マッチョで、ナルシストな人物です。



ここで、やはり、読書とか想像力とか、
大切だよね、と説教くさく、
締めくくっての良いのですが、
映画をもう少し丁寧に観てみましょう。


確かに、ベルは、その想像力によって、
野獣と共感することもできます。

しかし、その想像力ゆえに、
ベルは、村では変わり者と思われています。

過度の想像力は、
現実から、浮いてしまう原因となるわけです。


また、ベルは、想像力で、
どうしても、埋められない過去の出来事があり、
それが心にひっかかっています。



あまり書くと、
映画を観る楽しみがなくなるので、
やめておきますが、
今回の美女と野獣は、
単純に、読書好き、空想好きの女性が、
幸せを勝ち取った、という話ではないようです。

現実との接点を、見つけながら、
愛を発見する、という話になっている、
のではないでしょうか。

野獣との愛も、王子様だから、
幸せになる、というのではなく、
互いの弱さと、強さを理解しながら、
関係を深めていくように思われます。


そのあたりが、アニメとの違いにも、
なっているでしょう。

ベルを演じたエマ・ワトソンは、
もちろん綺麗で可愛らしいのですが、
同じくらい、野獣も、キュートに見えるのではないか、
と思います。

よろしければ、アニメと比較してみてください。

報告:長沼光彦

  


Posted by 京都ノートルダム女子大学      人間文化学科  at 21:53Comments(0)国際文化領域(多文化理解)日本語日本文化領域

2017年05月06日

楽しむのは誰 GWとUSJ


GWは、どこかへお出かけになったでしょうか。



テレビでは、USJのCMが流れていますが、
何種類かありますね。
USJは、一昨年、学生に案内されて、
行きました。)



印象に残ったのは、
「ドラゴンクエスト・ザ・リアル」のCMです。

巨大なモンスターに、
母と娘が襲われています。

「助けて」というと、
それまで、しょんぼりしていた、
お父さんが、剣を持って立ち上がります。

「勇者の僕が目を覚ます!」


アトラクションの主人公が、
お父さん、なんですね。

お父さんは、子どもを楽しませるだけでなく、
自分で楽しんでもいいんです、
というメッセージのようです。



実は、このごろ流れているUSJのCMには、
いろいろな種類があります。

「ウィザーディング・ワールド・オブ・ハリー・ポッター」のCMは、
中学生か高校生くらいの女子が、
楽しんでいる内容です。

「ようかい体操・ザ・リアル」は、
小学校くらいの男の子と女の子が、
ようかい体操を、踊っています。


異なる世代が主人公になっていて、
それぞれのニーズをふまえながら、
広くお客さんに訴えようという、
意図のようです。



ドラクエは、あるいは、
今の子どもには、馴染みが薄いかもしれません。

(子どもは、最近はやった、
妖怪ウォッチの方が、
人気でしょう。)

とはいえ、一日過ごすわけですから、
お父さんが楽しめるアトラクションも、
あって良いということなのだと思います。

CMも、誰かに何かを伝える、
メッセージですから、
その意図を考えてみるのも、
面白いかと思います。



報告:長沼光彦

  


Posted by 京都ノートルダム女子大学      人間文化学科  at 21:53Comments(0)日本語日本文化領域

2017年04月28日

京都百人一首 かるた会が開かれました

人間文化学科の堀勝博教授のゼミで制作された「京都百人一首」については、
このブログでも紹介されてきましたが

http://notredameningen.kyo2.jp/e444544.html

2017年4月27日、
この「京都百人一首」かるた会が人間文化学科の有志によって開かれました。

今回は、2チームに分かれてのかるた会です。



途中、堀教授もお越しくださり、ちょっとしたご指導あり。


京都の地名などが詠みこまれた名歌にふれる、
和やかで楽しいひと時となりました。






なお、6月には、この「京都百人一首」も紹介される公開講座が開かれます。

【公開講座】----------

「百人一首 かるたに恋して」

第1部 「京都百人一首歌かるた」で巡る京都の名所
   (堀 勝博 人間文化学科教授)

第2部 元・クイーンが語る競技かるたの魅力
   (荒川裕理 第47・48期クイーン 京都小倉かるた会所属)

会 場 京都ノートルダム女子大学
日 時 6月10日(土)14:00~16:00
予 約 不要
入場料 無料

---------------

「競技かるたのクイーンもいらっしゃる!」
「歌を通して、京都をもっと知ることができるかな」などと
今回のメンバーも、皆、とても楽しみにしているようです。


報告:平野美保
  


Posted by 京都ノートルダム女子大学      人間文化学科  at 17:00Comments(0)学生の活動報告学生の作品日本語日本文化領域

2017年04月26日

自分流にマイ古地図をつくる 専門演習

今年の3年次専門演習は、
京都で物語を見つける、
というテーマで、はじめました。


はじめは、共通テーマを作っておいて、
その後、それぞれゼミ生のみなさんが、
自分のモチーフにつなげて、
発展させる予定です。


というわけで、最初は、
マイ古地図から、始まります。

古地図の写真データを、
プリントアウトして貼りあわせて、
自分用の京都地図を用意します。

3年ゼミに入ってきた学生は、
2年次にすでに、
マイ古地図をつくっている人も、
います。

まだ作っていない学生の分を、
貼りあわせる作業を、
手伝ってもらいました。



できあがりましたら、
学生と京都の話をしながら、
地図に書き込んでもらいます。

江戸時代の御所の場所と、
今の御所の場所は、
同じですね。

では、平安時代の内裏(だいり)の、
位置はどこでしょうか。

そういう位置関係を、
通り名をたよりに、
探してみます。


そして、場所がわかったら、
色鉛筆で、四角にかこんでみます。


そういう作業を続けて、
自分で興味を持ったことを、
書き込んでいくと、
本当に、自分の地図といえるもの、
マイ古地図ができあがっていきます。



報告:長沼光彦  
タグ :古地図京都


Posted by 京都ノートルダム女子大学      人間文化学科  at 21:48Comments(0)授業紹介京都日本語日本文化領域

2017年04月25日

作業して話し合いをして読む 国文学概論


今年の国文学概論は、
太宰治「走れメロス」を読むところから、
はじめました。



小説を「読む」とは、どういうことか、
考えてみよう、というテーマです。


まずは、それぞれ、
メロスという人物を、
よく表している表現を、
抜き出してもらいました。


次に、これを付箋に書き出し、
4~5人のグループで、
模造紙に貼って、
お互いに見比べてもらいました。



それぞれ同じところを、
挙げている場合もあれば、
違うところを、
挙げている場合もあります。


まずは、この違いを考えてみてほしいのです。

小説の読み方が人によって異なるのは、
注目するポイントが人それぞれだからです。

人は、それぞれ、経験や知識が異なります。

その異なる経験や知識をもとに、
小説を読むわけですから、
読み方が異なるのは、当然です。


こういう読み方の違いが出てくるのは、
悪いことではありません。

違いが出てくる理由に、
注目することで、
むしろ、「読む」際に、
読む人、読者の役割が、
大きいことに気づいてほしいのです。



小説は、作者が作った作品です。
しかし、読むときは、
読者が主体なのです。

報告:長沼光彦  


Posted by 京都ノートルダム女子大学      人間文化学科  at 21:00Comments(0)授業紹介日本語日本文化領域

2017年04月23日

オープンキャンパスを開催しました

本日、23日日曜日は、
オープンキャンパスを開催しました。


多くのご来場ありがとうございます。


今年最初のオープンキャンパスとなり、
学生スタッフも新しいメンバーを迎えました。



1年生のスタッフは、
まだ慣れないところもあったかもしれませんが、
それぞれ、本学の良いところを伝えたいと、
スタッフに加わった学生です。

また、いらしたときには、
ぜひ、大学の様子を、
学生の目線から聞いてみてください。
今後とも、よろしくお願いします。


昨年も行いましたが、
食堂には、お菓子を楽しみながら、
本学の学生と話していただく、
カフェコーナーを用意しています。
こちらもご利用ください。


今回は、茶道部が参加して、
お茶を用意いたしました。




人間文化学科の模擬授業は、
吉田朋子先生の、
「絵画の見方」です。


いくつか絵画作品を見てもらって、
その絵画について語る、
ギャラリートークにチャレンジしてもらいました。

絵を言葉にする、
というのは、なかなか難しいかな、
と思っていましたが、
参加した皆さんは、
積極的に、自分で気づいた点を、
コメントしてくれました。

絵を知るためには、
知識も必要なのですが、
絵のどこに着目するか、
目の付け所を発見することも大切です。

今回のように、
絵を見て、言葉にできれば、
これをきっかけとして、
絵を説明する力を、
身につけることができるでしょう。


体験コーナーでは、
鷲見朗子先生が、
アラビア語入門講座を、
行いました。

一度ご覧になったことがある方は、
筆記されたアラビア語が、
どこで切れるのかな、
と思ったりするかもしれません。

まずは、その種類を知っていただいたうえで、
名前を書いてみましょう、
というところから体験してもらいました。

よろしければ、
これをきっかけに、
アラビア語の勉強を、
始めてみてはいかがでしょう。


もうひとつの体験コーナーは、
私、長沼が、
地図の書き方、見方の話をしました。

近年は、グーグルマップなど、
インターネットで提供される、
地図情報が便利です。

ですが、この地図情報に慣れると、
目的地まで、点から点へと移動して、
あまり周囲を見ないのではないかと思います。

実は、地図は、読み物と似ていて、
いろいろな情報を読み取ることができます。
目的地ばかりみないで、
その周辺を、面的に眺めてみると、
いろいろ発見があります。

特に、先日紹介した、
古地図などは、
その時代の人の考え方が、
反映されていて、
じんわり眺めると、
面白いところが見えてきます。

本日は、調子にのって、
古地図も取り出し、
京都の歴史も、話してしまいました。



オープンキャンパスは、
月ごとに、模擬授業や体験コーナーが、
変わります。

よろしければ、またおいでください。

報告:長沼光彦

  


Posted by 京都ノートルダム女子大学      人間文化学科  at 21:46Comments(0)学生の活動報告国際文化領域(多文化理解)国際文化領域(芸術と思想)日本語日本文化領域

2017年04月19日

マイ古地図を作っています


今年の長沼担当2年次発展演習は、
「京都でプレゼンしよう」というテーマで、
授業をしています。


京都を、自分の興味あるテーマで調べて、
プレゼンパネルを作成するなど、
発表形式も工夫してみよう、
というものです。


まずは、
京都の成り立ちを知るために、
古地図を使って、
歴史と地理を俯瞰してみようと思います。


大学図書館には、江戸時代の京都古地図、
「改正京町繪圖細見大成  洛中洛外町々小名」
(天保2年(1831年)7月開板、
書肆 文叢堂 竹原好兵衛、
考正 池田東籠亭)
があります。

これを写真撮影したものを、
分割してプリントアウトして、
それぞれ貼り合わせてもらうところから、
はじめました。



図工の時間のようで、
楽しいかと思ったのですが、
なかなか不評です。

まあ、面倒ですよね。

とはいえ、自分で作ってもらった方が、
勉強になります。

ひとりひとり古地図を作成してもらい、
そこに、いろいろと記入していくと、
地図の見方もわかり、
京都の歴史について、
発見することになります。



地図を読み始めたら、
面白くなりますから、
と説得して、
次回に続くことになりました。


報告:長沼光彦
  
タグ :古地図


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