2015年10月06日

夏の思い出 宇治川の鵜飼

留学生のジョイさんが、
京都散策に出かけた写真を送ってくれたので、
ご紹介します。
(この前は、祇園祭御旅所の記事です。)

京都の宇治川では、
6月から9月にかけて、
鵜飼を行い、観光客向けに、
船を用意しています。
(宇治市ホームページ「宇治川の鵜飼」をご参照ください。)
夏の思い出 宇治川の鵜飼

舟に乗り込んでいる人達が、
平安装束に身を包んでいるのは、
宇治川の鵜飼が、平安時代から行われていることに、
ちなんでいるのでしょう。
夏の思い出 宇治川の鵜飼

宇治市ホームページにも紹介していますが、
『蜻蛉日記』天禄2年(971年)7月の、初瀬詣での記事に、
日記の作者、藤原道綱の母が、
宇治の院に立ち寄った出来事が書かれています。

風は払ふやうに吹きて、
頭さへ痛きまであれば、
風隠れ作りて、見出したるに、
暗くなりぬれば、鵜舟ども、
かがり火さしともしつつ、
ひとかはさしいきたり。
をかしく見ゆることが限りなし。

風が吹いて、頭痛がしたのだが、
鵜飼の舟が明かりをともして、
川一面に動いていく様子が、
何とも面白かったので、
頭痛がまぎれた、と言っています。
夏の思い出 宇治川の鵜飼

当時はたいまつ以外は、
明かりのない時代ですから、
現代のイルミネーションを見るような、
鮮やかさを感じたでしょう。
夏の思い出 宇治川の鵜飼

もちろん、かつては、
鵜のとった魚を食用としたわけです。

しかし、そんな実用的な風景を、
美しい、面白いと感じる感性も、
すでに平安時代からあったということですね。
夏の思い出 宇治川の鵜飼


人間は実用的なことばかりで、
生きているわけではないことが、
わかります。

日々の出来事に、
楽しさを見つけるのが、
人間の文化なのでしょう。

報告:長沼光彦






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Posted by 京都ノートルダム女子大学      国際日本文化学科(人間文化学科)  at 20:34 │Comments(0)京都フィールドワーク学生の活動報告京都

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