2021年01月23日
深泥池・上賀茂フィールドワーク1 (令和2年12月)
2年次生選択必修科目「発展演習Ⅱ」(堀担当クラス)の授業では、毎時間古代和歌を読解しています。全員一通り口頭発表が終わったところで、一度外に出て、京の風景を実際に観賞しながら、いにしえに思いを馳せようという趣旨で、フィールドワークを実施しました。
当日まで行先を告げないミステリー・ツアーで、前日には「浮島 やすらい祭 天鈿女命 瀬織津姫命 天秤 競馬 楢の小川」というキーワードだけを示し、事前に調べておくよう伝えました。これだけでどこへ出かけるか分かった人は、かなりの京都通です。
90分の授業時間で、すべて徒歩で散策するので、スニーカーを履いてくるように、とも伝えました。
12月初頭、もう紅葉シーズンも終わっており、寒空ではありましたがよく晴れて、散策にはちょうどよい天気でした。
ノートルダム・キャンパスから歩いて10分少々で、最初の目的地、深泥池(みぞろがいけ)に到着しました。この池は、和泉式部が歌に詠んだことでも知られ、説話や伝承にもしばしば登場します。
地質学的にも大変貴重な場所であり、氷河期の植生を残しているとされます。池の中央部にある浮島は、メタンガスの影響で冬は沈んでいますが、夏には浮かぶ性質があります。池には、多くの花が咲きますが、今は冬なので、目だった花はありませんでした。春にはぜひ再訪してください。
そこから歩いて、「やすらい祭」の出発点であるやすらい堂を通り、5月のカキツバタで有名な太田神社へ行きました。この地も、藤原俊成(藤原定家の父)が詠んだ和歌が知られています。
初冬だというのに、ここではまだ紅葉が半ば色づきかけた状態でした。思わぬプレゼントをもらったようで、一同さっそく思い思いに「バエる」写真を撮っていました。
そこから明神川のほとりに抜けて、上賀茂の冬の風物詩、スグキ漬の天秤押しの様子を見ながら、社家町を歩き、最終目的地上賀茂神社へ。
ここでも、まだ少し紅葉が残っており、結婚式を挙げたご夫婦が記念撮影をされていました。それを寿ぐかように、楢の小川には、マガモのツガイがいました。
雄雌仲良く寄り添って河辺にたたずむ姿は、とても「かわいい」ということで、また撮影タイムとなり、この日のフィールドワークは終了。
次の回では、学生たちのレポートと写真をご紹介します。
(授業担当:堀勝博)
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