2021年04月16日

特別講義「2年次生から考える自分の未来」が開催されました

4月15日(木)、国際日本文化学科2年次生必修の「発展演習Ⅰ」の合同授業において、キャリア形成に関する特別講義が催されました。

特別講義のテーマは「2年次生から考える自分の未来」、講師は本学キャリアセンター事務室の望月章平室長です。以下、望月室長のお話の内容を私(石川)が一部抜粋・要約してご紹介いたします。

講義の様子

1.残された時間は思っているより少ない
就職の話というと、「2年次生になったばかりなのに早すぎない?」「3年次生になってから考えれば間に合うでしょ?」と思う方も多いのではないでしょうか。しかし仮に3年次生のおわり頃に本格的な就活がスタートするとしても、その時点で企業が求める知識やスキル、経験をすでに身につけておく必要があります。また、自分が行きたい業界・職種でプラスになる資格をとるとしても、それを履歴書に書くためには就活が始まる3年次生の2月頃までには取り終えておかなければなりません。適性検査や筆記試験、面接の対策も必要ですし、残された時間は意外に少ないのです。

2.今から将来を考え始めよう
したがって、大学生活を通じて今からしっかり自分の将来を考えていき、必要な知識やスキル、経験を計画的に積み重ねていくことが大切です。資格取得1つをとっても、AIの進化など技術革新がものすごいスピードで進む現代においては、これから無くなっていく仕事もあれば、新しく生まれる仕事もあります。今後10年、15年の社会変化を予想しつつ、自分の目標に応じた資格を取得していく必要があるのです。

3.ポジティブな社会人から「働く」ことの意味を学ぼう
自分の将来について考えていく上で大事なことは、「働く」ということをポジティブに捉えることです。そのためには、楽しそうに働く人に出会い、その姿を目の当たりにすることが一番です。インターンシップに参加することで、ポジティブに働いている社会人から多くのことを学ぶことができます。

4.経験を通じて「やりたいこと」「向いていること」を探そう
「やりたいことが分からない」、「自分が何に向いているか分からない」。そう悩んでいる学生は少なくないでしょう。しかし、こうした悩みについてはすぐに答えが出るものではないし、悩むことはわるいことではありません。自分のやりたいこと、自分の向いていることは、大学生活を通して考えていくものです。だからこそ、インターンシップなどの経験を通じてやりたいこと、向いていることを実感することが大切です。

5.学生時代に頑張ることを決める際は「自分に必要か必要でないか」を判断基準に
学生時代に頑張ったことは就活の上でもプラスに働きます。では何を頑張るのか。みなさんきっとこれまでは「好きか嫌いか」で頑張ることを決めてきたと思いますが、これからは社会人がそうしているように、「自分にとって必要か必要でないか」という視点で決めてほしいと思います。そして失敗を極度に恐れる必要はありません。人は経験から学んで行くものですから、「失敗」は「失敗」から何かを学べた時点で、もう「失敗」とは言いません。

6.世の中のものさしは想像以上に多様
学生のみなさんには世の中のものさしが決して一つではない、意外に多様であるということも知っていてほしいです。企業も千差万別です。慎重で失敗しない人を評価する企業があれば、失敗を恐れずチャレンジする人を評価する企業もあります。自分の価値観や目標はどの企業に合うのか。それを判断するためには自己分析や色々な業界・職種について知っておくことが大切です。

7.志望業界・職種は「聞いてから選べ」
学生は自分の勝手なイメージで行きたい業界や職種を選んでいることが少なくありません。もったいないことに、業界・職種のことをよく知らず自分のほうから可能性を閉ざしているケースが多いのです。まずはいろいろな話を聞いて、業界・職種のことをちゃんと理解してから、自分の目指すところを選ぶことが重要です。そのために、説明会やインターンシップに積極的に参加してほしいと思います。目標を定め、その目標に向かって一日も早く勉強を始めましょう。

以上です。今回の特別講義を通じた学びや気づきが、学生のみなさんのこれからのキャリア形成につながっていくことを願っています。これからも、学科はもちろん、大学全体をあげて学生のみなさんの頑張りをサポートしていきたいと思います。

(石川裕之)
  

Posted by 京都ノートルダム女子大学      国際日本文化学科(人間文化学科)  at 15:49Comments(0)授業紹介キャリア教育・就活・インターンシップ

2021年02月23日

教職実践演習の授業から  ―漢文を読み解くおもしろさ


本学科では、教職課程を履修すれば、中学・高校の国語科教諭免許が取得できます。

国語が好きな人、図書館が好きな人、子どもに接するのが好きな人、履修者それぞれの動機から、毎年4~6名の学生が課程を履修しています。

学科に教職課程ができてちょうど15年経ちました(初の卒業生が出てから12年目)が、十数名の先輩が教育現場で専任教員として活躍しています。




さて、その教職課程の最後の関所のような科目が、8年前に導入された「教職実践演習」という科目です。

その人物が、本当に教員に適しているかどうか、最終見極めが行われる科目です。




この日は、教科の指導力に関する授業が行われました。

苦手な学生たちが多い漢文の教材を用いて、指導内容のポイントを作成するという授業でした。

今回は、インターネットにも参考書にも絶対に載っていない、漢文の白文を自力で読解し、朗読し、書き下し文を作成し、指導のポイントを明確にできるかという課題でした。




相談したり教え合ったりできないように、一人ずつ別々の文章でした。それを独りで読み解いて、他の人に伝わるように解説するところまでが課題です。

履修者たちは、初めて見る漢字の行列を見ながら、難渋していました。

もう一つの条件、それは紙媒体の漢和字典を使うことでした。

最近は、どの学生も電子辞書かスマホで何でも調べようとして、紙の漢和辞典の引き方を知らない者が多くなりました。

教職課程履修者も紙の辞書に慣れていないようで、必要以上の時間がかかって、とても苦労していました。

それでも3時間ほどかけて文章の意味が分かってくると、だんだん顔が明るくなってきました。




文章を読み解く面白さが分かったようです。

この体験を、教壇に立ってから、ぜひ活かしてもらいたいと思います。


(課程担当:堀勝博)

  


Posted by 京都ノートルダム女子大学      国際日本文化学科(人間文化学科)  at 22:22Comments(1)国語科教諭免許授業紹介日本語日本文化領域

2021年01月24日

深泥池・上賀茂フィールドワーク2  (令和2年12月)

前回ご紹介した上賀茂フィールドワークで、学生たちが撮った写真や、感想コメントを転載します。



・いつも大学と北山駅の行き来か、下鴨神社の方の道しか歩いていなかったので、北の方にこんな素晴らしいところがあるとは知らなかったし、勉強になった。こうやってみんなで出かけるのは高校以来だったし、先生の解説を聞きながら回れたのでとても楽しかった。(河野有紗さん)


(河野さん撮影)


・私は京都府民ですが、今日散策した深泥池や太田神社、上賀茂神社、その他歴史ある場所に今まで行ったことがなかったので、短時間でしたが自らの足で赴くことができて本当に良かったと思いました。先生の解説も大変勉強になりましたし、何しろこんなに沢山の場所へ一度に巡ることができるなんて思ってもいなかったので、とても貴重な経験をさせて頂けたと感じています。今日は美しい紅葉を見て秋を感じることができたので、別の季節に再び訪れてまた違った魅力を発見してみたくなりました。とても楽しいフィールドワークを計画してくださり、本当にありがとうございました! (置田桜子さん)


(Sさん撮影)

・学校の近くの池が、昔からある貴重なものだとは知りませんでした。どこからも水が流れ込まず、流れ出ず、それでも夏も干上がらないという不思議さが面白かったです。太田神社では綺麗な紅葉を見ることができました。今年、ゆっくり立ち止まって紅葉を見る機会がなかったので嬉しかったです。本日はありがとうございました!(河田真尋さん 埼玉県立熊谷女子高校出身)


(浅田さん撮影)

・今日のフィールドワークは普段と違い、歌の背景である深泥池で歌を読み、作者と同じ景色を見ながら、歌を詠んだと想像し、 すごく不思議な体験だと思いました。私は歌も詩も書いたことがありませんが、昔の人が綺麗な景色を見ながら何かを表したくなったという気持ちが なんとなくわかりました。そして、 こんなに綺麗な自然に囲まれた京都を留学先に選んだことがよかったと改めて感じました。今度時間があれば、同じ路をもう一度回って、ゆっくり楽しみたいと思います。今日はありがとうございました。(アイリスさん 香港中文大学専業進修学院出身)


(アイリスさん撮影)

・今回のフィールドワークでは深泥池が最も印象に残りました。 深泥池は、和泉式部の歌に「すむ水鳥のあるぞ怪しき」とあるように平安時代から恐ろしい場所であり、また、タクシーの怪談話などで京都の心霊スポット有名です。他にも、大蛇伝説や貴船の奥の谷に棲んでいる鬼が地下の道を通って深泥池の畔の穴から地上に出てくる、などいくつかの話も以前読んだことがあり知っていました。 恐ろしいイメージしかないため行ったことがなく、深泥と言うくらいなのでもっと水が濁ってドロドロしているイメージがありました。しかし、実際行ってみると普通の池とさほど大差なく、伝説も少し信じがたいと思いました。また、珍しい動植物により国の天然記念物に指定されている。春には綺麗な花が咲くなど心霊スポットらしくないと感じました。 今回フィールドワークも先生の解説付きで、ただその場所を巡るだけでは分からない詳しい内容を知ることができたと改めて感じました。秋も感じることができ、良かったです。今日はありがとうございました。(浅田紗羅さん 福山暁の星女子高校出身)


(川嶋さん撮影)


・今まで歴史的な石碑や場所を訪れる際にそれがどう言ったものであるのか、詳しく知るという機会が少なかったのですが、今日は先生の説明をお聞きして、とても勉強になりました。深泥池は不思議な場所で、姿の違う夏にも訪れてみたいと思いました。今、「異界・妖怪学」の授業で妖怪について学んでいるので、深泥池の妖怪伝説についてもまた調べてみたいと思いました。太田神社ではまだ色づいていないのもありましたが、とても綺麗な紅葉を見れて感動しました。上賀茂神社も行ったことがなかったので少し入ることができて嬉しかったです。12月ですが、たくさん秋を感じることができました。ありがとうございました。(川嶋菜央さん 光泉カトリック高校出身)






 (授業担当:堀勝博)




  


Posted by 京都ノートルダム女子大学      国際日本文化学科(人間文化学科)  at 17:00Comments(1)京都フィールドワーク授業紹介京都日本語日本文化領域

2021年01月23日

深泥池・上賀茂フィールドワーク1  (令和2年12月)


  2年次生選択必修科目「発展演習Ⅱ」(堀担当クラス)の授業では、毎時間古代和歌を読解しています。全員一通り口頭発表が終わったところで、一度外に出て、京の風景を実際に観賞しながら、いにしえに思いを馳せようという趣旨で、フィールドワークを実施しました。

  当日まで行先を告げないミステリー・ツアーで、前日には「浮島  やすらい祭  天鈿女命  瀬織津姫命  天秤  競馬  楢の小川」というキーワードだけを示し、事前に調べておくよう伝えました。これだけでどこへ出かけるか分かった人は、かなりの京都通です。

  90分の授業時間で、すべて徒歩で散策するので、スニーカーを履いてくるように、とも伝えました。

  12月初頭、もう紅葉シーズンも終わっており、寒空ではありましたがよく晴れて、散策にはちょうどよい天気でした。




  ノートルダム・キャンパスから歩いて10分少々で、最初の目的地、深泥池(みぞろがいけ)に到着しました。この池は、和泉式部が歌に詠んだことでも知られ、説話や伝承にもしばしば登場します。

  地質学的にも大変貴重な場所であり、氷河期の植生を残しているとされます。池の中央部にある浮島は、メタンガスの影響で冬は沈んでいますが、夏には浮かぶ性質があります。池には、多くの花が咲きますが、今は冬なので、目だった花はありませんでした。春にはぜひ再訪してください。

  そこから歩いて、「やすらい祭」の出発点であるやすらい堂を通り、5月のカキツバタで有名な太田神社へ行きました。この地も、藤原俊成(藤原定家の父)が詠んだ和歌が知られています。




  初冬だというのに、ここではまだ紅葉が半ば色づきかけた状態でした。思わぬプレゼントをもらったようで、一同さっそく思い思いに「バエる」写真を撮っていました。





 そこから明神川のほとりに抜けて、上賀茂の冬の風物詩、スグキ漬の天秤押しの様子を見ながら、社家町を歩き、最終目的地上賀茂神社へ。




  ここでも、まだ少し紅葉が残っており、結婚式を挙げたご夫婦が記念撮影をされていました。それを寿ぐかように、楢の小川には、マガモのツガイがいました。

  雄雌仲良く寄り添って河辺にたたずむ姿は、とても「かわいい」ということで、また撮影タイムとなり、この日のフィールドワークは終了。

  次の回では、学生たちのレポートと写真をご紹介します。


   (授業担当:堀勝博)



   


Posted by 京都ノートルダム女子大学      国際日本文化学科(人間文化学科)  at 18:10Comments(0)京都フィールドワーク授業紹介京都日本語日本文化領域

2021年01月16日

お出汁の うね乃  ワークショップ体験(令和2年11月)

 
 インターネットを 「京都 おだし」で検索したら、最初に上がってくる、「うね乃」という会社があります。

 明治創業の老舗で、無添加の素材だけを厳選して商品化している、お出汁の専門店です。





 そこに就職した本学科卒業生、梶茉耶子さん(平成23年度卒業)から熱心なお誘いを受けていたので、2年次生「発展演習」クラスの学生たちを引率して、お出汁のワークショップを体験してきました。




 JR西大路駅からほど近い「うね乃」本社は、東寺の五重塔を東に望むロケーションで、4年前に新築された、とてもきれいな建物でした。




 同社4代目、釆野元英社長・佳子夫人、梶さんたちが、あたたかく学生たちを出迎えてくださり、さっそくお出汁のレクチャーが始まりました。


 

 昆布の種類、かつおぶしの種類、その他の魚から作ったふしなどを実物を見せながら順次説明してくださり、「無添加」の出汁とはどういうものなのか、市販の調味加工だしとどう違うのか、実際に味わいながら、講義を受けました。




 そして、目の前で作られた出汁をもとに、カブラの味噌汁を作ってくださり、みんなで味わいました。留学生も含め、学生たちは、深い味わいのお味噌汁に感激するとともに、意外と簡単に作れることを知って、驚いた様子でした。




 その後、店舗内にあるお出汁の工場を見学させていただきました。お出汁のいい香りが立ち込める工場内では、完全密閉されたガラスの向こうで、鰹節や濃縮出汁が作られていました。いいお味を出すために、あえて大量生産のできない、昔ながらの機械や道具を使っておられるとのことでした。




 最後に、社員で、OGでもある梶さんが、パワーポイントを用意して、特別講義をしてくれました。テーマは、自分の就職体験談でした。いくつかの就職経験を経て、自分がなぜ「うね乃」に就職するに至ったか、その選択理由をわかりやすく説明してくれました。説得力のある、彼女の就職体験談は、これから就職活動を控える学生たちにとって、とても有用な内容だったようです。




 貴重な機会を与えてくださった、釆野社長ご夫妻、梶さんにあらためて謝意を表する次第です。



 以下、参加した学生たちの感想の一部です。
   

・お出汁のワークショップには初めて参加しましたが、それぞれの昆布や鰹節ごとの味の違いを体験することができて楽しかったです!梶さんの就職に関するお話は、直接自分の関心のある職種でなくても、アプローチの方法次第で携わることもできるということを学ぶことができて、今後の参考になりました。今日はありがとうございました。(Sさん)




・お出汁の美味しい取り方や、日々多く口にする食品選びの大切さなどを学べました。今日から美味しい味噌汁に挑戦しようと思います。貴重な体験をありがとうございました。(小泉舞華さん)

・お出汁の取り方だけではなく、そのもとである昆布や鰹節の種類を紹介させていただき、日本の食文化を学び、とても楽しかったです。また、今日の見学を経て、食品選択の大切さを知り、食生活を見直しようと思いました。梶さんが進路についてのお話し聞き、すごく勉強になりました。今日は貴重な体験をさせていただき、ありがとうございます。(余さん、香港出身 編入留学生)




・昆布の種類によって全く味が違ったり、だしパックでも原材料によっては風味や香り、味が全然違っていて素材本来の味をとても感じることが出来ました。出汁をとるのは何かと難しいイメージを持っていたのですが簡単に出来るという事を知り、家でも挑戦して見ようと思いました。削りたてのまぐろ節をその場で食べれる機会などなかなか無いので本当にいい経験をさせて頂けたなと思いました。うね乃の皆さん本当に優しく、最後まで楽しく体験させて頂くことができました。ありがとうございました。(大谷愛香さん)

・以前友人の家へ遊びに行った際に、お味噌汁を作ってもらったのですが、その友人は煮干しからお出汁をとっていました。その時、お出汁をとるには時間もかかるし、大変なことだと、お出汁に対してマイナスなイメージを持ってしまいました。しかし、それはお出汁に対する知識が足りていなかったからだと、今回のワークショップに参加してわかりました。実際は、もっと気軽に、そして簡単にお出汁をとることができると学ぶことができたので、友人にも伝えたいと思います。私自身は元々、料理をしない人間なので、まだお出汁を使用した料理を作ることには抵抗があるのですが、簡単にお出汁をとり、お味噌汁を作る方法を知ることができたことは、とても有意義なものであったと感じています。今後、時間と心の余裕がある時に、お出汁を使った料理に挑戦してみようと思いました。貴重な体験ができてよかったです。ありがとうございました。お出汁に関する感想ではないのですが、梶さんの仕事観について聞けたことは、今後の将来を考える上でとても参考になりました。(大野綾伽さん)


 (授業担当:堀勝博)


  


Posted by 京都ノートルダム女子大学      国際日本文化学科(人間文化学科)  at 23:28Comments(1)卒業生授業紹介京都日本語日本文化領域

2021年01月03日

植物園を散策しました(令和2年11月)

明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。


令和2年度の授業も残すところ1ヶ月足らずになりました。

後期の授業から、シリーズで、いくつか内容を紹介したいと思います。

本日は、11月下旬、3年次編入生と交換留学生を連れて京都府立植物園に出かけた記事を投稿します。




すでに暦の上では冬に入っており、花を見るにはあまりいい季節ではありませんでしたが、入場そうそうコスモスが咲き乱れていました。色とりどりの花が風に揺れる様子は、それらがすべてプランターに植えられたものとはまったく気づかぬほど、美しい風景でした。





紅葉狩りをするにもすでに遅いタイミングでしたが、まだ何か所かで美しい紅葉を見ることができました。




また、冬の花の代表、サザンカが時を得顔に咲いていました。学生の中には名前を初めて聞いたという者もいましたが、れっきとした日本原産の植物です。花は椿に似ていますが、落花時に花弁が飛散するところが特徴です。




他に印象深かったのは、冬なのに桜が咲いていたことです。後期から来日した香港の留学生は、予想外の桜にとても感激したようでした。




以下、学生たちが撮影した写真とコメントを付記します。

交換留学生 棃さん
今日植物園での散策は楽しかったです。こんなに大きな植物園には初めてです。香港で見たことのない植物が見られて、面白かったです。一番驚いたのは、冬なのに桜が咲いていたことでした。桜は春しか咲かないと思いました。それから、紅葉と楓は違うことも知りませんでした、今日は本当に勉強になりました。





編入留学生 余さん
植物園は小学校以来であり、久しぶりの花見は楽しかったです。また、最近はレポートに追われて、紅葉を見に行く時間がなく、今日は秋を満喫した気分でした。私はアウトドアが大好きで、香港にいる時はよくキャンプしていて、自然に囲まれる機会が沢山ありましたが。植物園には見たことない植物が見ることができ、とても新鮮でした。






編入学生 大野綾伽さん
「十月桜」は名前の通りサクラ属の花で、「コスモス」はサクラ属ではないものの、漢字で「秋桜」と書くことから、春に代表されるはずの桜が、秋にも鑑賞できるのだと感じ、面白いと思いました。





(報告者:堀勝博)


  


Posted by 京都ノートルダム女子大学      国際日本文化学科(人間文化学科)  at 19:47Comments(0)授業紹介京都

2020年06月30日

対面授業を部分的に再開しました



コロナ肺炎による緊急事態制限が解除され、県外移動制限もなくなったことを受けて、本学では一部授業が対面で始まりました。まだ全面的にオンライン授業を続ける大学も多いですが、本学は小人数クラスが多く、実習を中心とする授業は対面で実施するほうが高い教育効果が得られるので、6月中旬より、限定的にキャンパスでの授業が始まりました。

と言っても、通常の授業期間と比べても、キャンパスにほとんど人影はなく、寂しい雰囲気の中で始まった授業です。三密を避けるため、広めの教室で、もちろんマスク着用。グループワークなども当面見送ります。






私が担当しているのは、国語科教育法という授業で、来年の教育実習にそなえて、授業実施のトレーニングを行う科目です。

今日は、Mさんが、芥川龍之介「羅生門」を教材として、模擬授業を行いました。

初めて50分授業にチャレンジしたわりには、堂々としてなかなかいい教師ぶりでした。






さて、別の授業で学生に作文課題を出したところ、K・Cさんがコロナに関するエッセイを書いてくれましたので、以下掲載します。前代未聞の学生生活を経験した現役大学生の思いを綴ってもらいました。


 先日、両親に「今まで生きてきた中で、新型コロナウイルスみたいに世界中がこんな状況になったことある?」と聞いてみた。両親は「ない」と即答。恐らく、現在生きている人の9割はこんな前代未聞の状況は、経験がないと思う。

 小学生・サラリーマン・医療従事者など様々な職業の人が、大変な思いをされていると思うが、大学生は、まだ比較的楽だと思う。オンライン形式の授業になって、「Stay Home」と言われなくても家にいて授業を受ける状況が続いているからだ。これは、感染リスクを防ぐのにも貢献しているにちがいない。でも、ニュースを見ていたら、年代別の感染で一番多いのは、20代~30代だそうだ。この理由について、「10代などの若者は、もともとYouTubeなどを見るのに忙しく、自粛生活の影響をほとんど受けていないからだ」と専門家は述べていた。こんなところに世代差が出るのかと思った。20代は外に出て遊びたい思いが抑えきれないのだろうか。

 しかし、私はと言えば、オンライン授業を、実はずっと学校で受けているのだ。家にパソコンがないため、毎日、電車に乗り、1時間かけて学校に通っている。起きる時間や学校にいる時間は、コロナ前と変わらないので、余計に人がいない孤独を感じている。学校から、パソコンを無料貸し出ししてくれるというメールが来たが、自宅にWi-Fiがないので、インターネットに接続することができない。そうするしかないのだ。
 
 定期代もばかにならない。こんな思いをしている大学生はきっと少なくないはずだ。オンライン授業をもっと効率的に受けられる世の中になればいいのにと思う。でも、オンライン授業は、毎回課題が出されることが多く、レポート提出をこまめに行えば、最終評価もレポートで行う科目が多いので、いつもより確実に単位が取りやすくなるだろう。そんな期待を持ちながら、今日も画面に向かって、課題レポートをこなしている。








(科目担当:堀勝博)


  


Posted by 京都ノートルダム女子大学      国際日本文化学科(人間文化学科)  at 23:54Comments(0)国語科教諭免許授業紹介学生の作品

2020年06月18日

KBS京都 海平和アナウンサーとのトーク

本年度も、KBS京都の海平和アナウンサーをお迎えしてトークをする時間を持ちました。

授業は、「スピーチの基礎」という2回生~4回生が受講できる科目です。
海平アナに講師として一人でお話しいただくというものではなく、
例年通り、受講生全員が参加し、
(実際には放送しませんが)、テレビ番組をイメージして、
司会をたて、海平アナに質問をし、1時間強を作り上げていくというものです。



仕事、学生時代、趣味等について、チームで分担し、
何を話すのか、どのように話すのか、
皆で協力して準備・練習をしたうえで、海平アナとの本番に臨みました。

プロの前で「話す・聴く」をするわけですから、それでなくても大変な緊張感があります。

しかも、本年度は、コロナ禍の影響で、
すべてオンラインで準備・本番をしましたので、いつものようにできるか心配しました。
ですが、皆さん、オンライン上でも、大変堂々と話をしていました。




「勉強になることばかりだった」
「想像とは違い、本音で話してくださり、身近な先輩のように感じた」
「素敵な笑顔、いつも前向きな考え方であった。こうありたい。」

このように、内容、話し方、考え方等、学生たちにとって、大変有意義な時間となったようです。
(海平アナウンサー、
 本年度も、学生たちの質問に、一つひとつ丁寧にお答え下さり、本当にありがとうござました!)



授業の後半は、スピーチの準備・練習です。
ですが、「話す(聴く)」ためには、何が大事なのか、どうあるべきなのか、
海平アナとの時間を中心に、
これまでの授業を通して理解し、ある程度できるようになったのではないでしょうか。

それぞれに、とても良い気付きをたくさん得たと思います。
「こうありたい」と思ったことを、実行していきましょう!
もっともっと「できる」ようにしていきましょう!!



報告 平野美保
  


Posted by 京都ノートルダム女子大学      国際日本文化学科(人間文化学科)  at 18:58Comments(0)話しことば教育授業紹介日本語日本文化領域アクティブラーニング

2020年05月29日

5月下旬のキャンパス点描

こんにちは。久しぶりの投稿となりました。

コロナ肺炎が蔓延する中、令和2年度前期授業が始まりました。前代未聞の事態への対応に追われ、この学科ブログもページ更新が滞ってしまいました。




 本学では、4月15日から、manabaシステムを利用したオンライン遠隔授業が始まりました。新入生諸君にとっては、入学式も歓迎会も中止され、お互いの顔も知らないまま、どんな先生かもわからない遠隔授業を自宅で受講するという、世にも不思議な毎日が始まり、ほんとうに気の毒な大学生活スタートで、自粛ストレスも限界に達しているのではないかと心配しています。






緊急事態宣言は解除されましたが、本学では学生の健康と安全確保を第一に考え、しばらくは現状を維持して、一部の実習科目や卒業研究科目以外は遠隔授業を続ける方針です。状況がさらに改善していけば、大学の対応も時々刻々変化しますので、学生のみなさんは、毎日大学のHPを見るようにしてください。





さて、先日会議のため、久しぶりに大学に出勤しました。誰もいないキャンパスには美しい花が咲いていました。大学に来られないみなさまに、せめて写真だけでもと思い、ブログを書くことにしました。




キャンパスには聖母マリアにゆかりのある薔薇の花が多く植えられていますが、今その盛りを迎え、すばらしい芳香を放ちながら、咲き乱れています。香りをお伝えできないのが残念ですが、せめてその花の姿だけでも観賞なさってください。




芳香と言えば、今回キャンパスを探訪して筆者としては新発見だったのですが、正門の横にライラックの花フランス語では「リラ」の花)があるのを見つけました。入構を急ぐ人が多く、また隠れるように植わっているので、誰にも気づかれずに咲いているのではないでしょうか。ライラックというと和名は「ムラサキハシドイ」で、紫色の花がよく知られていますが、本学では、白花種が植えられています。今ちょうど五分咲きで、近づくと芳しい香りを放っています。花言葉は「思い出」「友情」などいろいろあるようですが、その中でも「純潔」というのがあり、やはりマリア様にちなむ樹として植えられたのでしょうか。こんな隠れた場所にこの花ががひっそり植えられたいきさつなどを知っている人がいないか、今度シスターに聞いてみようと思います。





本学キャンパス西端には紫陽花()がたくさん植えられています。雨に濡れたその花々が七色の輝きを見せる頃には、状況がいっそう改善されていることを祈るばかりです。





新入生のみなさん、もうしばらくの耐乏生活、何とか乗り切ってください。そして、コロナが明けたら、思い切り京都ノートルダムでの学生生活を楽しんでください。






以下に、みなさんの失われた2か月がどのようなものだったかを知っていただくために、去年までの4月・5月のブログ記事から、主なものを貼り付けました。

もしよかったら、想像力を働かせて、イメージで、楽しんでいただければと思います。では、お会いする日まで。

  (報告者:広報担当・堀勝博)
                                            
                                            

平成31年4月の入学式
https://notredameningen.kyo2.jp/e540756.html

平成30年4月の入学式
https://notredameningen.kyo2.jp/e527313.html

新入生オリエンテーションの様子
https://notredameningen.kyo2.jp/e485406.html

科目登録の様子
https://notredameningen.kyo2.jp/e527195.html

平成31年4月 フレッシュマンセミナー 午前の歓迎交流セッション
https://notredameningen.kyo2.jp/e541195.html

平成31年4月 フレッシュマンセミナー 午後のエクスカーション
https://notredameningen.kyo2.jp/e541294.html
https://notredameningen.kyo2.jp/e542032.html
https://notredameningen.kyo2.jp/e541477.html
https://notredameningen.kyo2.jp/e541478.html

5月といえば葵祭
https://notredameningen.kyo2.jp/e506102.html

御霊祭も
https://notredameningen.kyo2.jp/e468026.html

大田神社のカキツバタ
https://notredameningen.kyo2.jp/e528677.html

オマケ  中止が決まった祇園祭
https://notredameningen.kyo2.jp/e510649.html
https://notredameningen.kyo2.jp/e533022.html
https://notredameningen.kyo2.jp/e533884.html


  


Posted by 京都ノートルダム女子大学      国際日本文化学科(人間文化学科)  at 17:56Comments(1)新館・校舎紹介授業紹介

2020年03月21日

日本年中行事論 特別講義実施報告

 
 コロナ肺炎蔓延の折から、お見舞い申し上げます。

 本学でも、卒業式は大幅に縮小して実施され、記念撮影や祝賀パーティも取りやめ、卒業生諸君にはとても気の毒なことでしたが、諸般の情勢に鑑みれば、やむをえない措置であったかと思います。

 入学式や新入生オリエンテーションは中止されることになり、4月の授業開始がどうなることやら、現在様子見の状況です。

 方針が決まり次第、大学公式HPなどで発表しますので、ご確認ください。




 今日は、今年度後期に実施した授業の中から、日本年中行事論の特別講義について、実施報告をいたします。

 日本年中行事論は、国際日本文化学科3・4年次生の専門科目ですが、今年は、英語英文学科の学生も6名受講、京都コンソーシアム科目として履修した、社会人の聴講生1名、龍谷大学歴史学科の学生1名も受講しました。

 今年の受講生諸君は、質問や意見発表を授業中に活発に行ってくれたので、話がはずんだ?せいで、例年の授業内容と比べて2回分くらいの予定を割愛せざるをえませんでしたが、その分、濃い内容になったかもしれません。

 さて、15回の授業計画のうち、2回分は、学外で行うことにしていますが、例年、下鴨神社(正式名称:賀茂御祖神社 かもみおやじんじゃ)権宮司(ごんぐうじ)、宮暘(みや よう)先生の格別なご好意を得て、同神社での特別講義を実施していただいています。今年も10月と12月、受講生全員が現地に集合し、貴重なお話を聞かせていただきました。

 1回目は、下鴨神社境内を歩きながら、社殿や歴史等にまつわる興味深いお話をお聞かせいただき、2回目は、一般には立ち入ることのできない葵生殿(あおいでん)という建物の中に受講生全員が入り、神社の調度品や祭礼に関するご講話をうかがいました。国の重要文化財に指定されている社殿の神聖な空間でのお話を聞く体験は、身が引き締まる特別なもので、受講生諸君、生涯忘れがたいものとなったことでしょう。




以下、受講生の感想です。

【I・Hさん】下鴨神社について知ろうと思っても、インターネットの情報では限界があるので、今回直接質問をさせていただいたり、お話をうかがったりできたことは、とても貴重な時間でした。三献(さんこん)の儀である三々九度は、一度見たことがあるのですが、回数の意味など何も知らなかったので、とても勉強になりました。葵生殿の中に入った瞬間、とても神聖な雰囲気を感じました。ありがとうございました。

【K・Aさん】2回にわたって、世界遺産の下鴨神社について、さまざまなお話を聞くことができ、とても光栄でした。京都市民として、うかがったお話を知識として持っておきたいと思いました。重要文化財の建物に入れて、わくわくしました。

【M・Hさん】 この特別講義は、大学の中では学べないような内容ばかりで、とても勉強になりました。三方(さんぼう)や折敷(おしき)、雲脚台(うんきゃくだい)など、特別な神具の意味、五色の糸飾りの意味など、初めて知ることができました。2回の講義を聞いて、あらためて日本の文化を守っていきたいと思いました。宮先生、ありがとうございました。


(報告者:堀勝博)

 

   


Posted by 京都ノートルダム女子大学      国際日本文化学科(人間文化学科)  at 17:30Comments(0)京都フィールドワーク授業紹介日本語日本文化領域

2020年02月21日

発展演習(2年次生必修科目)で短歌・俳句を作りました


今年度の授業も終わりましたが、後期授業で行った活動をご紹介します。

私が担当している発展演習のクラスでは、万葉集や古今集などの和歌を講読しましたが、授業の最後の回で短歌・俳句を作ってみました。

やはり和歌をよく理解するためには、自分で歌を作るのがいちばんだと言われているからです。

さて、受講者諸君、頭をひねり、575、77を考えていました。

中には、天才的な人もいて、次々にユニークな作品を繰り出していました。

日頃の思いを吐き出すにはよいツールだったのかもしれません。

また ヲタクを自称するMさんも、自分の応援しているタレント?歌手?のことを詠じていました。

我が推しは和服が似合うYR のぞく鎖骨がいとみやびかな

こんな感じです。YRが誰のことかはご想像にお任せします。作者のMさんは「いとみやびかな」という結句が大変気に入っていたようです。

しのぶれど恋しきときは青い鳥 検索履歴「Jrで妄想」

これもMさんの作品。青い鳥とは、ツイッターのことをさすそうです。






本格的な作品もあって、Rさんの作品。

もみぢ葉の赤き絨毯踏みしだき 話もはづむ秋の暮れかな

これは別のMさんの作品。

縁側で日向ぼこしてお茶を飲む 私が描く将来の夢

もう老後を考えているのでしょうか。

俳句も作りました。

Yさんの作品。嘱目でしょうか。

白梅や香をたてながら散りにけり

これはLさんの作品。初五中七の表現が眼目ですね。

あたたかき光恋しき冬日かな






中には、こんな心の叫びのような作品もありました。Kさんの作品です。

テストむりレポートもむりぜんぶむり 資格なんかもうどうでもいいわ

ちょうど学期末で、試験やレポート作成が迫っていましたので、心の鬱憤をそのまま表現したものです。

私が添削する余地がありませんでした。 

内容的には過激ですが、表現としては五七五五五の形式にしたがい、一瞬で完璧に詠まれました。

歌とは、このように、思うまま感ずるままに、遣りがたい心をすなおに形にするもので、Kさんの作品は、その意味でよくできています。


これらの作品を色紙にして、本学図書館でただいま展示しています。

もしよければ、ご覧ください。


(担当者:堀勝博)






  


Posted by 京都ノートルダム女子大学      国際日本文化学科(人間文化学科)  at 11:57Comments(0)授業紹介学生の作品日本語日本文化領域

2020年01月22日

番組コーナー制作 


国際日本文化学科では、毎年、「日本語コミュニケーションⅡ」で
「知っ得 〇〇コーナー」と題して、番組コーナーの制作を行っています。

小さな番組ながらも、この取り組みを通して、皆それぞれに、多くの力を得ていきます。

この取り組みでは、
チームメンバーと話し合い
テーマを決め、
誰に対して何をどのように伝えていくのか、自分たちで考えます。

見てくださる方々にとって、
見て得するような内容にしていく必要があるため
また、自分たちが理解していなければ、伝えることはできないため、
簡単そうに見えて、多くの準備・練習が必要です。

今年も、皆それぞれに工夫を凝らして取り組むことができ、
本当に放送しても良いのではないかと思えるようなチームも見られるほどでした。



文化等の理解、
話し方、見せ方のスキル、
視聴者にとってどうなのかという視点など



大変頑張っていました。
これだけのことを乗り越えたのですから、「自信」を持って良いと思います。
他のプレゼンテーション等でも、ぜひ活かしていただきたいです。



皆さんの頑張りをとても嬉しく思います。


報告 平野美保
  


Posted by 京都ノートルダム女子大学      国際日本文化学科(人間文化学科)  at 17:40Comments(1)話しことば教育授業紹介日本語日本文化領域

2020年01月09日

人工知能と人間の関係などを考える授業を、ゲストスピーカーを招いて行いました!



 先日、国際日本文化学科の専門科目である「インターネット社会論」の授業に、ゲストスピーカーとして、データサイエンティストの藤田昭人氏を招きました。

 実は、藤田氏には過去にも何度か、私(吉田智子)の授業に来ていただいていました。今回はこれまでとは異なり、事前に学生から質問を集めてお渡しし、それに答えていただく形の授業をお願いしました。学生からの主な質問は、次の通りでした。

「どこの業界でも重視されている(必要とされている)インターネット技術は何ですか?」

「将来、人間の仕事をAIに奪われると言われていますが、実際どうなると考えておられますか?」

「これから人が行っている仕事をAIが発達するにつれ成り代わって担当していくと思うのですが、AIがどんなに発達したとしても成り代わることができない仕事ってありますか?」

「人工知能についてなのですが、将来私たちがAIをコントロール出来なくなってしまうのではという不安があります。その点についてお話が聞きたいです。」

「私は情報のパーソナライズ(デバイスに表示されるおすすめ情報など)に興味があり、授業で登場したビッグデータが、個人個人の情報のパーソナライズに影響しているかどうかが聞きたいです。 もし関与があるならば、その仕組みなどを詳しくお聞きしたいです。」

「芸能人のSNSでの自己PRやプロモーション ・インフルエンサーの誕生について(YouTuber,インスタグラマー,ツイッタラー,TikTokerなど) ・SNSでの副業 ・SNS詐欺 など、その他現在のSNSの活用について」


 AIと人間の関係についての質問に関しては、藤田氏が「人間と人工知能の幸せな関係」について、技術的な側面も踏まえて、具体的に答えておられたのが印象的でした。

 また、「人間の感性が関与する仕事は、人工知能には適応不可」という言葉や、「人間は人間自身の仕組みをまだ完全に理解していない」、「人工知能の開発目標が人間である限り、その立ち居振る舞いや言動は一貫性がなく曖昧すぎるので、設計することはほぼ不可能」などのフレーズも、実際に設計をしている方の言葉として印象に残りました。


「人間と人工知能の幸せな関係」について、料理人を例に説明する藤田氏


 授業後、授業を受けた学生からは、自分たちの質問への藤田氏の意見がとても興味深く、ためになったというコメントが集まりました。

 代表的なものは、次のものでした。(ちなみに、GAFAとは、Google・Apple・Facebook・Amazonという米国巨大IT企業4社を指します。)

「今回の講義で1番興味深い内容はGAFAです。GAFAは権力を持ちすぎて解体の意見などがあります。確かにGoogleは無料で高品質なサービスを提供しています。一方で、個人情報について問題があります。でも、とても便利で多くのユーザーが利用しています。(中略)これからのGAFAや、YahooとLINEの提携など様々な動きについてこれから気になるところです。」

「シンギュラリティに関するお話が印象的でした。人間の感性が必要な仕事に、料理人と織物職人が挙げられていましたが、他の仕事も気になりました。」

「AIは便利だけれど後々怖いものだと思っていたので、今回の話でその危険性は低いことが分かり、安心できました。また、GAFAの問題等、知らなかったことが沢山知れたのでよかったです。」

「YouTuberやインスタグラマーが話題で、なりたい職業にYouTuberと小学生が書いたりしてる中、これからも発展していくんだろうなと勝手に思っていたので、寿命があることは考えてませんでした。また、人間よりAIの方が優秀で処理も早いと思って、これからどんどん仕事をAIがやることが多くなるんだろうなと思っていたので、人間にしかできないこともあることを知りとても勉強になりました。」


 藤田氏は、AIスピーカーの実演もしてくださり、非常に興味深い授業となりました。

 授業に来られた時の話は以上です。1月30日(木)に実施される「FD勉強会:データサイエンス活用カフェ(第2回)」については、「続きを読む(追記)」参照。

(報告:吉田智子)

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Posted by 京都ノートルダム女子大学      国際日本文化学科(人間文化学科)  at 01:00Comments(0)情報関連の資格や活動授業紹介

2019年11月26日

国際日本文化論の授業でフィールドワークを実施しました


昨年度から学科の名前が「国際日本文化学科」となり、それと同時に新しく開設された科目が「国際日本文化論」です。

授業では、日本文化を国際的視点でとらえなおしたり、日本文化と外国文化との影響関係を考えたりしながら、自分たちが当たり前だと思っていた文化について再考しています。

昨日は、授業が半分終わったところで、少し気分転換もかねて、京都市内のフィールドワークに出かけました。

バスで葵橋まで行き、そこから歩いて御所を突き抜けるコースです。

葵祭の行列が通るコースを逆行し、出町橋を渡ると、橋詰に「従是洛中」とか「鯖街道口」といった石碑が立っています。

その解説から始まり、妙音弁財天に参拝します。 京洛七福神に数えらえたところで、弁財天とは、インド・ヒンズー教に由来する神で、蛇を使者とするので、ご神体のところには、二匹の蛇が鎌首をもたげていました。

七福神は、まさに「国際日本文化」の典型と言えるもので、弁天、毘沙門天、大黒天がインド、福禄寿、寿老人、布袋が中国、恵比寿が日本由来の神の集団です。

江戸時代から、この神々の取り合わせが庶民の強い味方として信奉されてきた歴史があります。






その後、出町桝形商店街に入り、オシャレな出町座を見学し、京都の鬼門除けの神社として知られる幸神社(さいのかみのやしろ)に参拝しました。

鬼門という発想も、中国由来ですが、日本では、陰陽五行思想の浸透により、広く行われました。






この神社の本殿の東北の隅に、猿の彫刻が御幣を担いで睨みを利かせているのですが、これを見て「飼ってるんですか」と言った学生がいました。さすが左甚五郎作と言われる彫刻ですね、本物に見えたのですね。 猿は京都を守護する日吉神社の使いです。

その後、京都御所東北隅の猿が辻にも行って、もう一匹の猿を見て、一条通へ出て解散しました。

御所内の公孫樹が見事に黄葉し、モミジも赤く色づき始めており、インスタ映え写真の撮影にも最適でした。

留学生諸君も多く受講しており、「ゴショ」という場所が、150年前の皇居であることを告げると、一樣に感心したようでした。






来春には、ぜひ御所一般公開の期間に中の見学をしてほしいですね。

(報告者:堀勝博)

  


Posted by 京都ノートルダム女子大学      国際日本文化学科(人間文化学科)  at 22:54Comments(0)京都フィールドワーク授業紹介日本語日本文化領域

2019年11月22日

「編集者のしごと」とは  ―基礎演習一斉授業を実施しました


10月31日の基礎演習では、東京にある出版社、大修館書店のベテラン編集者である富永七瀬氏をゲスト講師としてお招きし、「編集者のしごと」について1年次生にお話をしていただきました。






まず、創業100年以上の日本の出版社を紹介され、最古のいくつかの出版社は京都にあること、大修館書店は1918年の創業で、教科書、辞書、雑誌などが主に専門とする分野であることを説明されました。

ご自分が編集された書籍や編集作業の工程や手法がわかる赤字校正を入れた原稿などを実際に回覧していただき、学生は興味津々でそれらを見ていました。





富永氏は、実は私(報告者:鷲見)が編著で、2019年9月に大修館書店より刊行した『例文で学ぶアラビア語単語集』の編集をしてくださり、それがご縁で授業に来ていただきました。

本ができるまでの9項目にわたる工程(企画、レイアウト、執筆依頼…)をわかりやすい図示とともに解説されました。





京都について紹介文を書くという宿題を事前に学生に出していただいていました。その作業を通して、何かを書くときには「いつまでに、誰に向けて、どんなテーマで、どのくらいの分量で書くのか」を明確にしないといけないことがわかりました。

富永氏にとって、編集のしごととは「読みたい人」と「書きたい人」をつなぐことであるとまとめられました。





希望者は京都紹介文を富永氏に読んでもらった後、コメントを書いていただき、後日返却していただきました。ほんとうに丁寧なご指導をありがとうございました。

学生の反応も以下のようにとてもよくて、富永氏にお越しいただいた甲斐がありました。ありがとうございました。

【以下、出席した学生の感想より】

●実際に出版社に勤めている方にお会いできてとてもうれしかった
●今まで本にまったく興味がなかったけれど、興味を持った
●友達に文章を見せる機会もこれまでなかったので、よかった
●1冊の辞書を作るのに100人もの人が関わっているなんて驚きました


(報告者:国際日本文化学科主任 鷲見朗子)


  


Posted by 京都ノートルダム女子大学      国際日本文化学科(人間文化学科)  at 10:39Comments(0)授業紹介初年次教育

2019年07月11日

能楽に関する特別講義を実施しました ――「基礎演習」合同授業

 国際日本文化学科1年次生の必修科目「基礎演習」の合同授業で、金剛流能楽師 金剛龍謹先生を特別講師としてお招きし、日本の伝統芸能である能楽についてお話と実演をしていただきました。




 
 能という芸能が、中国から伝わった大衆芸能である「散楽」を起源とするものであり、それが次第に洗練されて650年以上前の室町時代前期、観阿弥・世阿弥親子によって完成されたこと、とくに父観阿弥が音楽面で、子世阿弥が文学・詞章の面で磨きをかけ、能の芸術性を一気に高めたことなどを教えていただきました。

 能楽という呼び方は、明治以降のもので、江戸までは「猿楽の能」と言っていたこと、豊臣秀吉が大の能好きで、丹波、摂津、近江など各地にあった猿楽座を大和猿楽四座に統一したこと、明治以降の歌舞音曲抑制策で一時的に能は衰退したが、岩倉具視が海外に日本の伝統芸能を紹介する政策に転じ、「能楽」と呼ぶようになったことなど、興味深いお話の連続でした。






また、能面についても、実物を見せながらご説明下さいました。能面はわざと左右非対称に造られており、それが無限の表情を生み出すと。確かに下向きに傾けると何となく悲しげに、上向きにすると明るく見えるから不思議でした。





 特別講義のあとは、舞台の上と下に分かれて、謡と仕舞いのお稽古を付けていただきました。京都を舞台にした名曲「熊野(ゆや)」の一節で、音符の付いた謡本を見ながら「寺は桂の橋柱~」と謡います。






舞台上では、その仕舞いを習い、10分後、謡いと舞いを合わせました。初めての体験としてはまずまずだったでしょうか。






 最後は、お二人の補助の先生方の謡いに合わせ、金剛先生が「船弁慶」を舞ってくださいました。「その時弁慶少しも騒がず」の詞章で有名な曲ですね。平知盛の亡霊が薙刀を振り回して義経を襲わんとする、息を呑む場面に、学生たちもホンモノの迫力と魅力にただただ圧倒されていました。





 講義終了後、書かれた感想にも「本物の能面や衣装が見られて嬉しかった」「一度ぜひ能を見に行きたい」といったコメントが多く記載されていました。






 本当に盛りだくさんな、中身の濃いご講義をして下さった金剛先生に、感謝いたします。


(報告者:堀勝博)




  




    


Posted by 京都ノートルダム女子大学      国際日本文化学科(人間文化学科)  at 19:29Comments(1)授業紹介日本語日本文化領域

2019年07月09日

ラジオ放送番組に生出演してきました! 

令和元年7月5日 18:15~18:45

話しことばゼミのメンバー全員で、
30分のラジオ番組に生出演してきました。

「30分」を作り上げるために、
4月から準備を始め、
約3か月間、皆で力を合わせて、全力で準備をしてきました。

放送するということはどういうことなのか勉強しながら、
内容を企画し、準備し、練習し、
皆で、意見を出し合い、

そして、生放送出演!


***放送直前***


生放送を終えた直後のゼミメンバーの感想です。

まおんぬ
「本番まで何回も原稿を書き直して、ここまで来ることができました。
とても緊張しましたが、楽しく終えることができました。
ありがとうございました。」


わあちゃん
「生放送ラジオは、人生で初めてで緊張したけれど、すごく良い体験ができました。
たった30分の放送のために、たくさんの人に助けてもらいました。
ありがとうございました。」


なっちゃん
「本番になると練習のようにはいかず、本当に緊張しました。
編入生ということもあり、なじめるか不安だったけれど、
このゼミに入って、ラジオに出演できて
幸せな時間を過ごすことができました。ありがとうございました。」


めぐちゃん
「練習では、自然体で話すことができましたが、
本番となると、マイクに向かって話す自分自身の声に緊張しました。
でも、楽しく、一番良いトークをお送りすることができたんじゃないかなと思います。
全力出し切りました! 
この貴重な経験をこれからの大学生活、就職活動に生かしていきたいです。
ありがとうございました!」


こさか
「台本を、何度も修正しなければならず、
ここまでしんどいのは初めてでした。
何回修正を重ねても、反省点が生まれ、また書きなおす。
ツラかったけれど、皆でやってきたたため乗り越えることができました。
全ての人に感謝! 
ありがとうございました☺」



毎回、毎回のゼミで、
確実に何かをつかんでいく皆さんの様子を見ていて
とても嬉しく、かつ頼もしく思っていました。
本番も、立派に成し遂げましたね。


将来どんな仕事をすることになっても、
ここで経験してきたことは、きっと皆さんの大きな糧となることでしょう。


前期はのこり約1カ月ですが、もうひとつ大きなイベントが待っています。
今度は、人前でのトーク。
(放送はしませんが、ラジオ番組公開トークのような時間にします)

お越しくださった皆さんに
有意義な時間をお過ごしいただけるようベストを尽くしましょう!

報告 平野美保
  


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2019年07月03日

いよいよ放送日です!

先日、このブログでもお伝えしました通り

7月5日(金)18:15~18:45 は

ラジオカフェ(FM79.7)の放送日です。

テーマは、「女子大の魅力と女子大生の恋愛観」




話す練習はもちろんですが、





充実した内容になるよう、毎回、話し合いをしてきました。

自分たちの考えだけでなく、アンケートを取ることで、
少しでも多くの女子大生の考えに迫ることができればと、真剣に準備を進めてきました。



いよいよ放送日です。

7月5日(金)、18:15~18:45
個性豊かなメンバーでお届けします。
ぜひお聞きください。

報告 平野美保

  


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2019年06月27日

KBS京都 海平和アナウンサーをお迎えしての授業

本日は、国際日本文化学科の授業「スピーチの基礎」での
海平アナプロジェクトについてのご報告です。

この授業中盤では、例年、ゲストをお迎えしてお話を伺っています。
ですが、単に話を聞くのではなく、お迎えするために様々な準備をして臨んでいます。

ゲストは、毎年、学生たちに大好評のKBS京都の海平和アナウンサーです。

授業では、公開番組を作り上げるように進めていきました。
受講生全員が司会ないしは質問をし、受講者全員でこの時間を作り上げていくのです。

・どのような質問をするのか
・どういう順番で質問をするのか
・話し方に問題はないか
・質問に答えてくださったら、どう受け答えするのか



本当に放送するわけではありませんが、このように自分たちだけでなく、
むしろ、ゲストの海平アナウンサーにとって、
また、視聴者の方々にとっても充実した時間になるよう考え練習しました。



さらに、司会担当の人たちは、全体の調整や、その他、様々な準備もしていきます。
(とても忙しかったと思います。よく頑張っていました。ありがとうございます!)

嬉しいことに、気が付くと、
本年も、受講生の皆さんは短いことばながら、
かなり堂々と話ができるようになっていました。

海平アナウンサーの話の内容、話し方、
そしてお人柄に、皆、感激していたと思います。
こういう風にすればいいんだと、肌で感じることができたことと思います。


授業後に、今年も海平アナウンサーと集合写真を撮りました


さあ、次のプロジェクトでは、また、「スピーチ」に戻ります。
また、皆で作戦(!?)を練りながら、最高の時間にしていきましょう!

報告:平野美保
写真:3年次生 夏井瑞穂
  


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2019年06月20日

ラジオ番組生放送 7月5日(金)18:15~18:45


国際日本文化学科の3年次生のゼミ(話しことばゼミ)では、
毎年、メンバー全員で、ラジオ番組に出演しています。

本年は、次の予定で準備をしています。
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日   時: 7月5日(金)18:15~18:45
ラジオ局:ラジオカフェ FM79.7

テーマ: 女子大の魅力と女子大生の恋愛観
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企画からトークまで、全てメンバーで行います。
ぜひご予定ください。

報告:平野美保

  


Posted by 京都ノートルダム女子大学      国際日本文化学科(人間文化学科)  at 19:07Comments(1)話しことば教育授業紹介日本語日本文化領域