2018年09月16日

元客員教授 浜尾朱美先生を悼む



 TBSテレビニュース23で故・筑紫哲也氏とともにキャスターを務められ、2012年から2年間、本学の客員教授としてお力添えをいただいた浜尾朱美先生が亡くなられました。


 浜尾先生は、本学人間文化学科が新しくスタートさせたプログラム「話し言葉の教育」に共感され、招聘に応じてくださいました。「日本語の朗読」などの特別講義を担当されました。


 本学は少人数が中心の授業なので、1つのクラスに学生は多くて3、40名しかいないのですが、先生はその学生たちのために、遠きをいとわずご自宅のある東京から京都まで、ご出講下さいました。


 その時すでに大きな病と闘っていらっしゃったということを今回の報道で知り、大変驚くとともに、遠路のご移動がお身体にさわったのではないかと申し訳ない思いでいっぱいになりました。


 先生は、「心を伝える言葉」とりわけ「声を出すこと」の大切さを力説されました。


 声に乗せて、心をとどけるのですよ、だからできるだけしっかり、自分の真心をとどける本当の声を出しなさい



 心から響く声が耳を通して心にとどき、相手の腑に落ちていくんです



 それは単なるコミュニケーション技術という以上に人間関係の基本にすえるべきものでもあります


 声や言葉というものは、その人の人生を反映するものなんです


 声の出し方一つ、言葉の使い方一つでその人の人間力が伝わるんです


 しっかり声を出すためにもいろいろな本を読み、いろいろな体験を積んで下さい


 そういうことを常におっしゃっていました。キャスターとしてテレビで拝見していた時、ニュース映像の合間に時に発せられる浜尾先生のお言葉がわれわれ視聴者の心を捉えたのも、ここに理由があったのだと納得した次第です。


 教壇に立たれた時の先生は、一方的に自説を語るだけの講義ではなく、学生一人ひとりの顔を見、その個性と心に向き合った対話のような授業をなさっていました。「声にのせて心をとどける」ことを授業で実践されたわけです。


 息子さんのお話やご自身の体験談を交え、できるだけ具体的にわかりやすくお話し下さっていたのも印象に残っています。


 「声にのせる」という意味では、朗読の大切さについても教えていただきました。「学んだ言葉を自分の音にのせ、誰かのもとに届けることが朗読ですよ」とお話しになっていました。長文の「外郎売り」を一言一句間違えずに披露されたのは、プロとしては当然だったのでしょうが、感動的でした。


 先生と最後にお話ししたのは、朗読のBGMのことでした。私が、宮沢賢治「永訣の朝」の朗読にラフマニノフ「ヴォカリーズ」をBGMにしたら盛り上がった気がすると申し上げたのに対して、先生は、自分ならJ・ダウラントのリュートをかけるかなとおっしゃっいました。曲名はおっしゃいませんでしたが、間違いなく「ラクリメ(七つの涙)」でしょう。


ヴォカリーズは、曲の印象が強すぎて朗読の魅力を半減してしまう。J・ダウラントの静かなリュートなら、おとなしく文字通り背景の音楽となってくれる。浜尾先生のお答えの意味はそういうことだったと気づきました。そのさりげない答えにも、朗読者としてのプロ意識が垣間見えました。


 わずか2年間でしたが、われわれに多くのことをご教示下さった浜尾先生にあらためて感謝申し上げます。ご冥福をお祈り申し上げます。



  菊の花には少し季節が早いので、秋明菊を手向けさせていただきます。






(堀勝博)



  


Posted by 京都ノートルダム女子大学      国際日本文化学科(人間文化学科)  at 18:10Comments(0)話しことば教育教員紹介

2017年02月02日

宮永泉先生 最終講義


2月1日、宮永泉先生の最終講義、
「死の哲学 序説」を行いました。


宮永先生は、永年本学に勤め、
キリスト教哲学の講義を行ってきました。
今年定年退職の年を迎え、
最後の講義を開催することにいたしました。



死の哲学は、
キリスト教の有神論を信仰することにより、
自分の生を意味あるものと捉える、
考え方です。

ともすると、人間は、
どうせ死ぬなら、この世は無意味だ、
と考えたりします。




しかし、神の存在を信じることにより、
死こそが、自分の新しい誕生だと考えることができます。
神の、本当の世界に行くのだと考えます。

そうすると、この世の人生は、
本当の世界へ行くための準備段階で、
本当の世界へ行くために、
この世を充実させようと、
考えることができます。

死の哲学といいますが、
よりよく生きるための哲学、
だということです。





このような哲学の背景となる歴史について、
事例をあげながら、
講義が進められました。

タイトルに序説とあるのは、
永年考えてきたテーマを、
まとめる構想があるからだとのことです。


講義の終わりには、
質疑応答が行われました。





講義のあとには、会場を移し、
ささやかながら、お祝いをいたしました。



報告:長沼光彦  


Posted by 京都ノートルダム女子大学      国際日本文化学科(人間文化学科)  at 17:00Comments(0)教員紹介授業紹介国際文化領域(芸術と思想)

2016年10月10日

人間文化の四つの領域と教員

いつもブログをご覧くださりありがとうございます。
後期の授業がスタートして早くも2週間。
夜の図書館では、学生たちが頑張っています。




本日は、あらためて、人間文化学科についてご紹介し、
学科の内容をご覧いただけるホームページやブログの記事へのリンクをまとめてみたいと思います。

人間文化学科は、日本と世界の文化を
実感的・実践的に学ぶことを目指しており、

その学びは、
「日本語と日本文化」領域
「多文化理解」領域
「芸術と思想」領域
「読書と情報の文化」領域
の四つの領域に分かれています。

各領域に所属している教員は、
「日本語と日本文化」領域
 堀勝博
 長沼光彦
 平野美保
「多文化理解」領域
 鷲見朗子
 朱鳳
「芸術と思想」領域
 宮永泉
 久野将健
 吉田朋子
 シスター中里郁子
「読書と情報の文化」領域
 岩崎れい
 鎌田均
教員の自己紹介のまとめ(過去のブログ記事)は
こちらでご覧になれます!

また、学科で学んだ学生のみなさんが
「卒業論文」に選んだテーマの数々は、
こちらでご覧いただけます。
各自の興味・関心をもとに、
多様な学びを深めていることがご確認いただけるのではないでしょうか?

入学してすぐの「フレッシュマンセミナー
にはじまり、
1回生の「基礎演習」、
2回生の「発展演習」、
3回生の「専門演習」、
そして4回生の卒業論文執筆と、
少人数クラスの演習科目とともに、
講義形式の科目を履修していきます。

過去の様々な情報は、
学科オリジナルサイト」にまとめられていますので、
ぜひ、こちらもご覧ください。

(吉田朋子 記)


  
タグ :教員領域


Posted by 京都ノートルダム女子大学      国際日本文化学科(人間文化学科)  at 19:49Comments(0)教員紹介

2013年09月09日

教員紹介 岩崎れい

みなさん、こんにちは。人間文化学科の岩崎れいです。

  私の専門は図書館情報学で、特に子どもへの図書館サービスや読書・学習の支援を中心に研究しています。読み聞かせやストーリーテリング、ブックトークなど、子どもたちが読書を楽しむためのきっかけとなるような図書館のプログラム、行政施策としての読書支援、「学ぶことを学ぶ」方法を子どもたちが身につける支援としての学校図書館サービスなどについて研究しています。

 ゼミでは、子どもや図書館に関わることに興味のある学生さんが集まっていて、子ども文庫や小学校、児童館などにも見学に行くこともあります。今年度は、おもちゃやさんと古書店を見学しました。後期には、シュタイナー学校を見学したり、同志社女子大学の子ども学関連のゼミと交流会を持ったりする予定です。

 

おもちゃやさん見学古書店見学
おもちゃやさん見学 古書店見学

 

また、有志の学生が子どもたちへのお話会をする時、絵本選びやプログラムづくりのサポートをすることもあります。
  図書館司書資格を取るための司書課程、学校図書館司書教諭資格を取るための司書教諭課程も担当しています。司書課程では、テーマ展示、お話会、情報探索などさまざまな実践的な学びである演習を実施しており、さらに毎年外部の先生を招いて、製本技術講習会もしており、受講生にさまざまな力をつけてもらえるよう取り組んでいます。

   図書館の世界は思いのほか奥が深いです。興味があれば、ぜひのぞいてみてください。

 


報告 岩崎れい  

Posted by 京都ノートルダム女子大学      国際日本文化学科(人間文化学科)  at 11:34Comments(0)教員紹介図書館司書資格

2013年09月02日

教員紹介 小川 光

みなさん、こんにちは!人間文化学科教員の小川光です。




専門は音楽学で、西洋音楽史と音楽美学の研究を併せた研究をしています。中心の研究テーマは、ロマン主義音楽思想です。難しく響くかも知れませんが、例えば、ショパン、シューマン、リストの音楽は、3人とも同じロマン派の作曲家なのになぜそれぞれに違うのか、というような研究です。

音楽学の授業科目以外に、芸術学に関連する「芸術への誘い」という授業も担当していて、原始美術から近代のロマン主義、印象派に至る人間の表現行為としての芸術と社会との関連を学生とともに考えています。
写真は、2年ごとに学生(希望者のみ)を引率していく研修で、ウィーンの有名な美術館の同じく有名なフェルメールの絵とともに撮ったものです。(写真撮影可)



もともとはイギリスで言語学を学び、その後スイスのドイツ語圏の大学で音楽学を研究しました。11年以上のヨーロッパ滞在を通じて2言語が自由に使えたので、ドイツ語の授業も担当しています。現在は英語を毎日使う環境でも生活しています。


「真面目を決して笑わない」をモットーに、学生のみなさんと一緒に「難しいことを易しく 易しいことを深く 深いことを愉快に」という考えの実践を、ずっとしていきたいと思います。

どうぞよろしくお願いいたします。
  

Posted by 京都ノートルダム女子大学      国際日本文化学科(人間文化学科)  at 15:30Comments(0)教員紹介国際文化領域(芸術と思想)

2013年08月26日

教員紹介 中里 郁子

私は2011年4月から京都ノートルダム女子大学の教壇に立ち、カトリック教育に関する科目と人間文化学科の卒業研究を担当しております中里郁子です。

京都生まれの京都育ちですが、「聖ドミニコ女子修道会」というカトリックの修道会に入会して修道生活を始めてからは、東京、仙台へと転勤になりました。

本学に参ります前は、2002年から9年間イタリアに在住して、ローマ教皇庁立の大学で新約聖書の研究をしておりました。

ローマの大学では授業はイタリア語と英語で行われていましたが、世界各地からの大勢の留学生が学んでおり、同国人と話す場合はそれぞれ自国の言語で会話しているので、
世界のありとあらゆる言語をキャンパスで耳にするという環境でした。


私が住んでいたローマの修道院のメンバーの国籍も様々で、イタリア人、フランス人、スイス人、ルーマニア人、韓国人、ベトナム人との共同生活を体験しました。

イタリアでの生活は世界の多様な言語や文化に触れる貴重な体験でしたが、私自身は外国語でとても苦労しましたので、日本で学ぶ留学生の皆さんが日本語で学ばれる苦労が少しはわかるように思います。

本学では授業の他に「み言葉入りカード作り」というキリスト教サークルを毎週火曜日の昼休みにキャンパスミニストリー室で行っていて、水彩画を描いて聖書のみ言葉を添えた美しいカードを作っています。興味のある方は是非いらしてください。





  

Posted by 京都ノートルダム女子大学      国際日本文化学科(人間文化学科)  at 20:37Comments(0)教員紹介カトリック教育

2013年08月19日

教員紹介 鷲見 朗子

  私がいま関心を寄せているのはファンタジー文学、児童文学、説話文学です。ゼミでもファンタジーや魔法を扱う作品について学習しています。平成25年度前期のゼミでは、ゼミ生が「赤い靴」「ピノキオ」「かぐや姫」などの作品を選び、その主題、背景について発表を行いました。研究対象として数年前から調査をしているのは、ファンタジー文学の源流ともいわれる『アラビアンナイト』(別名『千一夜物語』)です。

  去る平成25年6月8日にも本学で国立チュニジア大学のタルシューナ名誉教授(アラビア語通訳あり)、筑波大学の青柳悦子教授をお迎えして「アラビアンナイトと北アフリカの物語」と題した公開講演会を開催し、200名近い来場者をお迎えして盛会のうちに幕を閉じました。








  その講演会では私も発表しました。その発表テーマは、『アラビアンナイト』(別名『千一夜物語』)の校訂本のひとつである『百一夜物語』についてです。『百一夜物語』はマグリブ地域と呼ばれる北アフリカのチュニジア、アルジェリア、モロッコ周辺で伝承されてきた、アラビア語で表現された物語集です。講演では、『千一夜物語』同様、語り手シャハラザードと王が登場する『百一夜物語』の枠物語についてお話しました。「枠物語」とは、物語のなかにもう1つの(あるいは複数の)物語が埋め込まれている物語を指します。『百一夜物語』の枠物語では、自らが絶世の美男だと思っている王と世界一美しい若者が登場します。王と若者がともに妻に不貞を働かれることで、女嫌いと女性不信に陥ります。発表では、これらの「男の美」、「性悪女」、「貞女」のモティーフに焦点をあて、男女の愛憎や、男による美と知の探求が国家の繁栄と衰亡にどのようにかかわるのかみていきました。

  この『百一夜物語』は、私の担当科目「アラブ文学特講」(人間文化学科専門科目)でも教えています。その科目を履修している学生も公開講演会に出席してくれて、授業では扱わなかった別の側面も学べてよかった、生のアラビア語が聴けてうれしかった等の感想をくれました。今後も自分の研究の成果を授業やゼミに生かしていければと思います。

  以下は、3年生のゼミの授業中の写真です。


報告 鷲見朗子
  

Posted by 京都ノートルダム女子大学      国際日本文化学科(人間文化学科)  at 09:40Comments(0)教員紹介国際文化領域(多文化理解)

2013年08月12日

教員紹介 朱 鳳

こんにちは。人間文化学科の朱鳳と申します。中国上海の出身です。
京都に留学、京都で生活、京都で仕事というご縁で、京都は私の第二の
故郷になりました。





私の専門は日中近代語彙交流史です。特に近代西洋文明を受容
する際の人物研究(主に宣教士)と東西言語文化交流に焦点を当てています。
右は2010年に出版した私の研究書です。


専門書の他に中国語の教科書も執筆しています。

普段大学では「言語文化概論」「日中近代語彙比較論」「漢文学入門」「漢字と多文化交流ゼミ」「中国語」などを担当しています。
私のゼミ生には日本人、中国人と韓国人の学生がいます。毎週皆さんは和気藹々で色んなテーマについて議論しています。
「日本と中国の高齢者はどのような老後生活を送っているのでしょう?」「なぜ日本人は割り勘にするのでしょう?」「韓国のキムチに
使われている唐辛子は、どうやって韓国に伝来したのでしょう」などなど。



上の写真は研究室で撮ったものです。窓の外に見えるのは比叡山です。環境のいい大学でしょう。

自慢できるのは私の研究に関することが日中に留まらず、世界中の中国語と日本語を研究している学者や学生と交流できることです。
これはノルウェー大学を訪れた時の写真です。

温泉巡りと食べ歩きが趣味です。時間があれば、色んな所に出かけます。楽しいのですが、日に日に体重が増えてしまうことが目下の悩みです。  

Posted by 京都ノートルダム女子大学      国際日本文化学科(人間文化学科)  at 23:04Comments(0)教員紹介国際文化領域(多文化理解)

2013年08月05日

教員紹介 久野 将健

みなさん、こんにちは!
2012年4月から京都ノートルダム女子大学で教壇に立っています久野将健(くのまさたけ)です。


私の専門は音楽、とりわけパイプオルガン演奏です。
ノートルダムに来る前は、岐阜聖徳学園大学教育学部で
小中学校の先生を目指す学生さんたちにピアノ実技、西洋音楽史、ソルフェージュ(音楽の読み書きのようなもの)といった科目を教えていました。

現在では1年生必修の宗教音楽や選択のキリスト教音楽といった宗教系共通科目の担当が多く、私の担当分野も随分と広がってきた感があります。また人間文化学科の科目の中では音楽文化概論や歌曲論といった一般的な音楽の授業も受け持っているので、興味のある方はぜひ受講してください。

大学のお仕事とは別に外では結構、演奏活動をしています。
今までは首都圏での演奏が多かったのですが、最近は関西での演奏機会も増えてきました。
みなさんもお時間があれば聴きにきてくださいね!

というわけで、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

=今後の演奏予定=
2013/8/30(金)12:20~ 東京・築地本願寺
2013/9/29(日)11:00~ 神戸・カトリック六甲教会
2013/10/5(土)14:00~ 神戸松陰女子学院大学
2013/10/13(日)14:00~岐阜県美術館
2014/2/22(土)14:00~ 京都コンサートホール

  

Posted by 京都ノートルダム女子大学      国際日本文化学科(人間文化学科)  at 13:21Comments(1)教員紹介カトリック教育

2013年07月24日

教員紹介 野田 四郎

こんにちは。

 人間文化学科の創設メンバーの一人として、2000年から現在まで教員生活を楽しんでいる野田
四郎です。
専門は、国際関係論の中でも、地域研究です。とりわけ、フランス語圏を中心とした国際関係・社会
・文化とフランスから見たEUについて研究しています。

 ノートルダムに赴任する1999年4月までは、25年間を海外で学生・研究者・教員としてすごして
いました。
パリが13年間、モントリオールが12年間で、博士論文(Ph.D.)もフランス語で書きましたから、
私にとってフランス語は、第2の母国語と言えます。

 1999年赴任当時のノートルダムは1学部2学科制でした。
それが2000年には人間文化学部が設置され、4学科制(英文・人文・生福・心理)となり、
今日では3学部4学科制と大きな変貌をとげてきました。 改組・再編の過程では、
人文科学から社会科学まで多くの科目を担当してきました。
 
 現在担当している科目は、大きく分けると専門系と語学系です。主な科目としては、
国際関係論・比較文化概論・ヨーロッパ文化論、そしてフランス語(中・上級)です。

 最後に、卒論(野田)ゼミの特徴としては、これまで約10年間にわたり一貫して実践してきた原則があります。
それは、教員の側からテーマを提案するのではなく、自分が納得のいくテーマ・題目を探りあてる
まで、ゼミ生一人一人が徹底的に「自分探し」をするという事です。






 大学生活ほど自由で、自分の時間を思いのままに使える時はありません。
楽しいことも辛いことも、「あなた」の成長につながるよう、教師として一緒に学びたいですね。


25年前、モントリオールにて。膝上まで積もっているのは雪です。

報告 野田四郎

 

  

Posted by 京都ノートルダム女子大学      国際日本文化学科(人間文化学科)  at 17:09Comments(0)教員紹介国際文化領域(多文化理解)

2013年07月22日

教員紹介 吉田 朋子

こんにちは!
人間文化学科の教員のひとり、吉田朋子です。

専門は「西洋美術史」で、
特に18世紀のフランスを中心としたヨーロッパ美術を研究しています。


↑18世紀のフランス、というと上図
(高く結い上げた髪型を批判した1780年頃のカリカチュアです)
のように、爛熟した時代というイメージかもしれませんが、
思想的にも美術的にも本当に興味深い時代です。

ノートルダムに着任して早くも2年4ヶ月近くになりますが、
その前は・・・

「兵庫県立美術館」の学芸員でした。
http://www.artm.pref.hyogo.jp/index.html
強烈に個性的な上司・同僚と働くことができたことは、私の誇りです!

そして現在。
まったく異なる大学という環境の中で、
別の刺激を日々いただいています。

キリスト教美術概論、西洋美術史、博物館概論、博物館教育論などの講義課目、
1回生から院生までの演習やゼミを担当しています。

学生の皆さんとの会話が、自分の研究のインスピレーションになることもしばしばです。

たとえば、昨年、シャルダンという画家の作品について、
論文を書かせていただいたのですが、
 (「コーヒー・お茶・チョコレートーシャルダン《お茶を飲む婦人》」
 上村清雄監修『味覚のイコノグラフィア―蜂蜜・授乳・チョコレート』ありな書房 pp.183-213)
これは、今にして思えば、ある4回生の卒論のテーマ探しの中で、
「チョコレートの包装」が候補になったことが
きっかけになっているのです。

学生の皆さんからもらう以上に、何かを伝えられる教員になるべく、
努力中です。



これからもどうぞよろしくお願いいたします。

                       吉田朋子  

Posted by 京都ノートルダム女子大学      国際日本文化学科(人間文化学科)  at 08:40Comments(0)教員紹介国際文化領域(芸術と思想)

2013年07月16日

教員紹介 堀 勝 博

みなさん、こんにちは。国語科教育担当として、7年前に着任した堀と申します。



中学校・高校の国語科教諭になりたい学生さんは、イヤでも私の授業を受けねばなりませんので、御覚悟のほどお願いします。

少人数教育ですので、何度も何度も指導案作成~授業実習の経験ができます。教育実習に行く頃には、立派な「先生」になっていらっしゃるでしょう。がんばって下さい。


教諭免許のほかに、外国人に日本語を教える日本語教員養成課程も担当しています。



前任校での経験を活かし、5年前に同課程を開設しました。学外の教育機関(海外の大学を含む)で外国人に日本語を教える実習プログラムをいくつか用意していることもあって、こちらの資格も人気があります。


「星がぴかぴか光っています」―いや「きらきら光っています」が正解―どうして「ぴかぴか」はダメ? 貴女は説明できますか? 

母語を外国語として教えることの難しさや楽しさを実際に体験することで、卒業後教員になった人が多く出ています(そのほとんどが海外校赴任ですが)。






これらのほかに、国語学概論、日本語文法といった語学系の科目、和歌や物語を読む古典文学系の科目、日本年中行事論という民俗学系科目など、幅広く担当しています(広く浅くの典型で恐縮)。

このうち、日本年中行事論は、3年前から開講している科目です。日本に多数残る季節ごとの行事やお祭りのおもしろさについて、多くの画像や動画を見ながら、講義しています。せっかく京都の地に学んでいますので、年中行事にゆかりの深い場所に足を運び、直接その関係者からお話をうかがうことができればと思い立ち、下鴨神社権宮司 宮暘先生のご協力を仰ぎ、同神社境内での特別講義も実施しています。




世界遺産の中で授業を受けたということが、受講者の忘れがたい思い出になっているようです。



私が担当するゼミは、国語科教育、日本語学、古典文学、民俗学を扱っています。

昨年度の3回生ゼミでは、課外プロジェクトとして、「京都百人一首」の選定を行いました。京都の地名を詠み込んだ名歌を百人の歌人から選び出し、新しい百人一首を作ろうという企画です。

放課後や夏休みを利用して、コツコツ歌を選びました。それが、このたび「京都府文化力チャレンジ事業」に採択されて、補助金をいただくことが決まり、百人一首絵カルタを作ろうということになりました。

10月末の完成を目ざし、卒業研究と就職活動の合間を縫って、目下営営と絵の制作に励んでいます。作画指導を、有名な絵本作家・イラストレーター 永田萠先生にお願いし、魅力的な作品が次々完成しつつあります。







また完成したら、このブログで報告します。

ちなみに、私が個人的に運営しているブログもよろしければ御覧下さい。「谷の鶯のブログ― 非徒然草」というタイトルです。
  


Posted by 京都ノートルダム女子大学      国際日本文化学科(人間文化学科)  at 02:07Comments(0)教員紹介日本語日本文化領域

2013年07月08日

教員紹介 平野 美保

主に「話しことば教育」を担当しています平野美保です。

話しことば教育では、
特に、職業社会での「話しことば」を意識した授業に取り組んでいます。

例えば、基礎的なことでは、
・滑舌練習をすることによって、
 聞きとりやすい話し方を目指したり、

・ことば遣いを学習することを通して、
 アルバイト先ですぐに活かしてもらったり。

応用的なことでは、同じプレゼンテーションをするにしても、
・女子大生の視点で
 企業に対する新商品や店舗の改善案などをテーマにしたり、

・ご年輩の方に対して、
 その方たちがわかりにくいことについて、
 わかりやすく説明したりするなどに取り組んでいます。

具体的なことを想定して学習していくことを通して
公的な場面での話し方について、
意識無意識にかかわらず磨かれていくことを想定しています。

私の多くの授業では、
受講者がただ「聞く」だけの講義形式のものはほとんどありません。

可能な限り、実践的に、
そして、楽しく学習・練習できるように努めています。
プレゼンテーション
なにしろ、多くの人は、
どのように「話す」のが望ましいのか「知識」として知っています。

しかし、実際にその望ましいように話せるかというと、
なかなか思うようにいかない!というのが現状です。

また、「話す」ことは、普段からしていることですので、
話す内容に意識がいって、「話し方」には意識が向きにくい傾向がみられます。

大事な場面(例えば就職活動での面接など)で、「話し方」に意識がいっていたら
話す内容に集中できません。

就職活動などの大事な場面で、話す内容に集中するためにも、
この就職活動の前に、よりよい話し方を自然にできるように身につけたいですね。

そのため、各授業では、段階を踏んで、
かつ、それぞれの授業テーマに合わせて、力がつくように応援しています。


「話しことば」ゼミ

先日、3回生ゼミで、京都の旅館で、「おもてなし」を学習・体感してきました。
名づけて、
3年生ゼミおもてなし体験
「私たち、おもてなし見つけ隊」

目に見えるおもてなし。
目には見えないおもてなし。

それを私たち自身で確認し、
さらに旅館の方からお話を伺ってきました。

そして、ご覧のようなランチ。
美味しく、楽しく、勉強になるフィールドワークとなりました。


2回生ゼミも負けてはいません。

「ことば」をより意識するために、
あの「宝塚歌劇団」の
「ロミオとジュリエット」を皆で観に行ってきました。

事前に、歌劇団や作品について学習し、そして、観劇。

「なぜ、多くの人が、タカラヅカに魅了されるのか?」
それを、「話しことば」の観点から
次回の授業で、ディスカッションの予定です。

女性が男性ことばを話すことにより、
「ことば」をより意識できることでしょう。

また、授業を通して、実践的な話し方について学習してきましたので、
その総仕上げという意味でも、
いい時間にしてもらえたのではないかと思っています。


このように、私自身、楽しいこと、面白いことが大好き。

そして、学生の皆さんにも、その「楽しさ」を味わいながら
その「大変さ」「厳しさ」「難しさ」などを実感し、
向上していってもらいたいと願っています。

*楽しいからこそ、主体的に行動し、また考えます。
 行動することで、難しさなどを実感できます。


思いばかりが先に来て、あまり自己紹介らしくなくなってしまいました。

ですが、このような思い一杯の私です。
どうぞよろしくお願い致します。


平野美保

  

Posted by 京都ノートルダム女子大学      国際日本文化学科(人間文化学科)  at 12:05Comments(0)話しことば教育教員紹介日本語日本文化領域

2013年07月01日

教員紹介 宮永 泉

  私の専門は宗教哲学です。そのきっかけになったのは、
二十歳頃読んだパスカル著『パンセ』(ブランシュヴィック版)でした。
フランス語の勉強をするつもりで、辞書を引きながら少しずつ
読み進んでいったのですが、いつの間にかすっかりパスカルの思想の中に
入り込んでいました。特に「人間はみな死刑囚である」という人間洞察は
心に響き、生きているのがまるで夢のような気がして、長い間苦しみました。
その後色々なことがあって、三十六歳の時に受洗して
カトリック教徒(「復活」=「死の克服」を受け容れる者)となり、
今日に至っています。


  担当している科目は「死の哲学」「キリスト教的死生観」などで、
西洋思想と日本思想の研究にもとづいた講義を行っています。
いずれの講義でも≪生涯続く自分探しの旅≫の手助けが
できればと思っています。

報告 宮永 泉
  

Posted by 京都ノートルダム女子大学      国際日本文化学科(人間文化学科)  at 12:14Comments(1)教員紹介カトリック教育

2013年06月24日

教員紹介 鎌田 均

4月より本学人間文化学科に着任した鎌田です。私の専門分野は図書館情報学という、図書館と情報に関する様々な領域を取り扱う、総合分野です。アメリカでの図書館司書としての経験から、図書館の実務に関する分野に焦点をおいてきましたが、近年は、図書館を介する、介しないにかかわらず、情報と、情報を発信、利用する人とのつながり方、情報からなにを読み取って知識へと繋げていくか、という過程と、それをどのように教育に役立てるかに深く関心を持っています。大学の教員という、学生と直接関われる立場、また、京都ノートルダム女子大の少人数制の環境を活かして、社会のさまざまな場面で、情報を深く理解し、利用することをめぐる諸問題を一緒に考えていきたいと思います。

今学期担当している科目のひとつ、「図書館情報資源特論」では、授業での課題として、受講生に、京都に関するテーマを自由に設定し、それについての調べ方のガイドである、「パスファインダー」というものを作ってもらいました。京野菜についての情報の調べ方、西陣織などさまざまなテーマについてのパスファインダーができあがりました。このような、実際になにかを調べ、つくりあげる、といった内容の授業を今後も行っていくつもりです。



報告 鎌田 均  

Posted by 京都ノートルダム女子大学      国際日本文化学科(人間文化学科)  at 08:31Comments(0)教員紹介図書館司書資格

2013年06月17日

教員紹介 吉田 智子


皆さん、こんにちは。

人間文化学科の教員の自己紹介シリーズの2人目は、
私、吉田 智子(よしだともこ)です。私は今年度、
人間文化学部の学部長 (人間文化学科の学科長)を
担当しています。

専門領域は、広くは「情報社会について」ですが、
特に、無料でネットから入手できるソフトウェアとして、
インターネット社会にはなくてはならない存在である
「オープンソース・ソフトウェア」について、
研究したり、普及の意味を考察したりしています。

右の写真は、Firefox OS というオープンソース・ソフトウェアが
搭載されたスマホで、これから日本語が入力できる環境が
整備されるものです。(このOSの日本語入力環境を開発されている、
オムロンソフトウェアの展示会ブースで、写真を撮らせていただきました。)


ちなみに、Google Chrome というWebブラウザも、
スマホのOSとして有名なAndroid も、
オープンソース・ソフトウェアです。


そして、もう一つの研究テーマが、

 「中高生や文系学生へのプログラミング教育」

で、今年度からは科学研究助成金をもらっています。

そのプログラミング教育に使えないかと検討しているのが、
5月29日のブログでも紹介した、Raspberry Pi です。

   超小型で安価なパソコンの可能性にワクワク
   http://notredameningen.kyo2.jp/d2013-05-29.html

私が実行委員長をして、8月2日、3日に京都で開催される
OSC(オープンソース・カンファレンス)にも、このパソコンは
展示される予定ですので、興味のある方は、OSCへ!

   OSC 2013 Kansai@Kyoto
   http://www.ospn.jp/osc2013-kyoto/





この35ドルの手のひらサイズのパソコンは、HDMIケーブルや
RCAケーブル(黄色い線)でテレビ画面に接続できるのですが、
私の研究室内には、この口を持つテレビがない・・

ということで、ゼミ生といっしょに、私の研究室の壁に、
プロジェクターで投影して、壁をテレビ代わりにして
みました。

無事、起動メッセージが壁に流れ始めたときは、
拍手がおこりました。ちなみにこのパソコン、OSとしては、
オープンソース・ソフトウェアのLinuxが動いています。






3回生ゼミ生(6人中2人)との写真では、一番左が私です。

最後の写真は、私のかわいいゼミ生たち(3年生と4年生)です。



こんな風に、人間文化学部 人間文化学科では、
教員と学生の距離が近く、和気あいあいと楽しく研究活動をしています。


報告 吉田智子  

Posted by 京都ノートルダム女子大学      国際日本文化学科(人間文化学科)  at 15:47Comments(0)情報関連の資格や活動教員紹介

2013年06月09日

教員紹介 長沼光彦

皆さん、こんにちは。                   
今日は、人間文化学科の教員である私、
長沼光彦、の自己紹介をいたします。
(写真の一番右が私です。)

大学の教員は、
持続的に調べたり考えたりする、
専門分野を持っています。
私の専門分野は、
日本の近現代文学です。
芥川龍之介、谷崎潤一郎ら、
大正・昭和期に活躍した小説家や、
中原中也ら、詩人の研究をしています。
特に、その時代の思想や風俗など、
文化的背景と作品を結びつけて、
考察しています。

研究したり考えたりした内容は、         
『中原中也の時代』(笠間書院、2011)
などの本や、
「「細雪」の京都 ―遊山する都市」
(『比較古都論』2013)
などの論文にまとめたり、
学会で発表したりします。

〔*人間文化学科では、
  教員それぞれの研究を紹介した
  ブックレットを 発行しています。
  興味があれば、ご連絡ください。〕

私が担当している授業は、
「国文学概論」や「日本文学」など、
研究している
日本文学の講義はもちろんのこと、   
「ホスピタリティ京都」や
「日本語コミュニケーション」など、
京都をはじめとした日本文化や、
日本語の表現に、
関わる講義もしています。

文学は、表現の工夫や、
人物の思想などに注目すると、
深読みもでき、
繰り返し楽しむことができます。
大学に入って、
本格的に読解法を学んでみるのも、
良いでしょう。

また、日本語の表現力は、社会人になれば、
どこでも求められる能力ですから、
大学生になったら、
ぜひ身につけてほしいですね。      
さらに、「編集倶楽部」という、
将来の仕事をイメージしたゼミ
(キャリア実践ゼミ)や、
授業外の京都フィールドワーク活動
(北山探検隊)、
映像表現の鑑賞会
(放課後シネマ倶楽部)
などの活動もお手伝いしています。

学生の皆さんのやる気があれば、
実践する機会をどんどん作ってほしい
と思っています。
その活動のいくつかは、
このブログでも紹介いたしました。                              

他の記事もご覧いただき、
人間文化学科の活動を知っていただければ、
嬉しいですね。

〔最後の写真は、
 フィールドワークに出かけたとき、
 夕暮れの琵琶湖畔で、
 学生が私を撮影したものです。〕

報告 長沼光彦  


Posted by 京都ノートルダム女子大学      国際日本文化学科(人間文化学科)  at 09:09Comments(0)教員紹介日本語日本文化領域