2016年07月31日

ゼミで祇園祭に出かけました



日本語と古典文化ゼミ3年次生を連れて、祇園祭(前祭)に出かけてきました。




本学が地下鉄北山駅の近くにあるので、京都市内を地下にもぐったまま通り抜けてくる学生が多く、祇園祭に行ったことがないという人がけっこういるのです。

また、行ったとしても、屋台の食べ物に舌鼓を打つだけで、「花より団子」ならぬ「鉾より団子」になってしまう人が多いようです。

この祭が、1000年以上の長い伝統をもち、それぞれの山鉾に、古典文学の背景や鉾町独自の歴史や矜持が存することを知らず、単なる夏フェス?として、祭りの雰囲気を楽しんでいるだけ、ということになっているのは、もったいないことです。

ということで、わがゼミでは毎年この祭りに出かけ、古典文学がいかに学ばれ、親しまれて、日本人の生活を支え、彩ってきたかを体感することにしています。

今年は、宵山が土曜日、山鉾巡行が日曜日ということで、人出の多いことが予想されましたので、金曜日の宵々山に出かけましたが、予想を超える人出で、各所に通行規制が張られ、なかなか自由に動きまわることはできませんでした。ここにもインバウンド景気の影響があったのか、外国人客の姿も目立ちました。




何度か迷子を出しながらも、Lineで連絡を取り、一行は解散するまで仲良く行動をともにしました。孟宗山から見始めましたが、会所飾りを初めて見る人も少なからずいたようです。

ご神体の孟宗に、なぜ白い綿がついているのか、説明すると、みんな感心した様子でした。




日もようやく暮れて、あちこちで奏でられる祇園囃子に、お祭りムードが高まっていきます。ぶらぶら歩きまわって、月鉾、蟷螂山などを見た後、放下鉾の会所に上がらせていただきました。謡曲「放下僧」に取材した鉾で、今も女人禁制を守っています。学生たちが残念がる中、私一人で鉾に上がりました。




会所二階の奥には、外に向けて長い橋が架かっており、ちょっと離れたところにある土蔵まで直結していました。この橋で、鉾一式を運ぶのだそうです。その大掛かりな構築物に、先人たちの祭りにかけた熱い思いを感じずにはおれませんでした。




祭り見物も終わりに近づいたところで、同行してきていた4年次生のAさんが、「油天神山を見学したいです!」と叫びました。彼女が1年生の時、私が担当した授業で、彼女にそれを調べてくるよう命じ、彼女はずっとそのことを覚えていて、しかもこれまでまだ見学を果たすことができなかったのだそうです。




油天神山とは、油小路通にある、天神像を祀った山、の意味です。4年目に宿願を果たしたAさんは、丁寧に会所飾りを拝観し、記念品まで購入していました。就職も無事内定し、ご神体に感謝の祈祷をしたように見えました。

多くの鉾山のご利益にあずかり、ゼミ生たちの一年がつつがなくありますように。


〔報告者:古典ゼミ担当 堀勝博〕



  


Posted by 京都ノートルダム女子大学      国際日本文化学科(人間文化学科)  at 17:00Comments(0)日本語日本文化領域