2016年07月23日

ホスピタリティ京都 瓢亭 高橋英一先生


7月5日火曜日、ホスピタリティ京都は、
瓢亭(ひょうてい)十四代当主、
高橋英一先生に、お話ししていただきました。



瓢亭(ひょうてい)は、京都で、
江戸時代より続く、老舗の料亭です。

『花洛名勝図会』(元治元年 1864 年)で、
「南禅寺総門外松林茶店」
(なんぜんじそうもんがいしょうりんのさてん)
の項で、紹介されています。

同書には、
「瓢亭の煮抜玉子は近世の奇製なりとて、ここの酒客
あまねくこれを食悦す」と記されています。

煮抜玉子が近年の名物で、
お酒を飲む客は、皆これを食して、
喜んでいる、とのことです。

(この記事は、国際日本文化研究センターホームページ、
「平安京都名所図会データベース」で、
見ることができます。当時書かれた絵も載っています。)




お話は、京の食文化の背景にある、
伝統や歴史から始まります。

一口に京料理といっても、
宮中の有職(ゆうそく)料理、寺院の精進料理、
茶道の懐石料理、町衆のおばんざい、
という、4つの基礎があります。

また、松前船の交易によりもたらされた、
北海の塩干物、
福井、若狭よりもたらされた、
一汐物、
琵琶湖、鴨川など、近隣の河川でとれる、
川魚、
など、京都という、土地ならでは、の、
食材の特徴があります。



高橋英一先生は、とくに、
だし、が料理では大切だと、
おっしゃいます。


近年は、インスタントの調味料もありますが、
本当のおいしさは、味わえず、
体にもよくないという話です。

きちんと、昆布や削り節を煮て、
仕上げた、だしが、料理のおいしさの基本となる、
ということです。

こどもの頃から、食育をすることで、
味覚が正しく発達するそうです。

味わい人が、本当のおいしさを知らなければ、
どんな料理も楽しむことができないのですね。


どの料理店に行っても、
まずおつゆをいただき、
おだしを味わうことで、
そのお店のおいしさを知ることができる、
そうです。


瓢亭は、老舗のお店ですが、
その基本は、私たちの日常の食事に通じるものでした。

聴講した学生も、
自分の身近な食生活を見直すきっかけになった、
と感想を述べていました。

報告:長沼光彦

  


Posted by 京都ノートルダム女子大学      国際日本文化学科(人間文化学科)  at 20:16Comments(0)授業紹介京都