2015年06月23日

ストーリーをつくる 日本語コミュニケーションⅠ

社会人には、論理的な説明能力とともに、
ストーリーづくりの力も求められます。
ストーリーをつくる 日本語コミュニケーションⅠ
(梅雨のおかげで、曇りか雨が続き、
なかなか明るい空が見えませんね。)

ここで言うストーリーは、
ある人間の成長のプロセスや、
事件の経過を、
時間の推移にしたがって、
説明するものです。

自己紹介や、新聞記事も、
ここで言うストーリーになります。
ストーリーをつくる 日本語コミュニケーションⅠ

学生の皆さんにとっては、
特に、就職活動のときに、
自分をアピールする際、
ストーリーづくりが求められます。



ポイントは、2つ。
具体的なエピソードを入れること。
成長や進展など、時間の推移による変化を述べること。

私は部活動で副部長をしていました、
とアピールするだけでは、
面接官の興味をひくことはできません。

具体的にどんな活動をしたのか、
(エピソード)
その経験によって、どのように成長したか、
(変化)
これらを述べた方が良いでしょう。



今回の日本語コミュニケーションⅠは、
これをふまえ、ストーリーづくりに、
チャレンジしてみました。

まずは、世の中、あるいは、
自分の現状を表す漢字一文字を書いてみます。
清水寺で年末に行っている催しもの、
「今年の漢字」のような形で取り組みます。
(この方法は、春先に、大学で体験したワークショップを、
参考にさせてもらいました。)

「楽」「進」などの漢字が見られる一方で、
「疲」「怠」などの漢字もちらほら。
ちょうど大学の前期も三分の二を過ぎたところで、
お疲れの皆さんもいらっしゃるようです。

せっかくだから、もう一文字書いてもらいます。
未来の世の中、自分を表す漢字。
しかも、明るい前向きな漢字に、
してもらいます。
どうせなら、楽しい話を、
想像した方がいいですよね。

漢字を二つ並べたところで、例えば、
「疲」→「転」をつなぐ、
ストーリーを考えてもらいます。
「最近ちょっと疲れていたけれども、
友人に誘ってもらって、
USJに遊びに行った。
いい気分転換になって、
また取り組もうという気持ちになった。」
というような形です。



これをグループの中で発表。
つづいて、グループのメンバーの漢字を、
一文字ずつ集めて、
紙に書いてもらいます。

グループの皆さんには、
新たに、会社、NPO、集団、サークルを、
立ち上げる設定で話し合ってもらいます。
そして、集めた漢字で、
そのグループの方針、理念、モットーを、
語ってもらいます。

こんどは、グループで、
ストーリーづくりをしてもらうわけです。

脈絡のない漢字が集まったので、
つなげるのは難しそうです。
いささか、無茶ぶりでしたが、
それぞれ面白いグループを、
立ち上げてくれました。
ストーリーをつくる 日本語コミュニケーションⅠ

「充実したライフスタイルを提唱する、
キャリアウーマンの会」
「快適な旅と安全を提供する航空会社」
「究極のスタイルをつくる美容会社」
など、発想もいろいろ。
「なぜか儲かってしまうブラック企業」
といった、風刺、皮肉が入った、
グループもありました。
ストーリーをつくる 日本語コミュニケーションⅠ

なかなかつなげるのに、
苦労したところもあったようですが、
それなりにストーリーができれば、
成功です。

少し大げさに言ってみますと、
今回チャレンジした皆さんは、
自分とは異なる価値観(人の選んだ漢字)に出会い、
ひとつのストーリー(グループの理念)にまとめる、
という作業をしたことになります。



集団作業では、協力なリーダーシップをもった人が、
ぐいぐいひっぱるというパターンもあります。
この場合、リーダーが元気なうちはいいのですが、
リーダーが方向を見失うと、全員迷うことになります。

その一方で、複数のリーダー、発想をもった人が、
互いに補い、協力しながら、
新しい価値観を生み出していくというモデルも、
提唱されています。
(複数リーダー、分担型リーダーシップ、
などのキーワードで論じられています。)

今日の経験が、そんなグループワークにつながってほしい、
と思っております。
(申し訳ありませんが、
今回はちょっと文章が多くなってしまいました。)
ストーリーをつくる 日本語コミュニケーションⅠ

報告:長沼光彦



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Posted by 京都ノートルダム女子大学      国際日本文化学科(人間文化学科)  at 23:18 │Comments(0)授業紹介

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