2013年08月19日

教員紹介 鷲見 朗子

  私がいま関心を寄せているのはファンタジー文学、児童文学、説話文学です。ゼミでもファンタジーや魔法を扱う作品について学習しています。平成25年度前期のゼミでは、ゼミ生が「赤い靴」「ピノキオ」「かぐや姫」などの作品を選び、その主題、背景について発表を行いました。研究対象として数年前から調査をしているのは、ファンタジー文学の源流ともいわれる『アラビアンナイト』(別名『千一夜物語』)です。

  去る平成25年6月8日にも本学で国立チュニジア大学のタルシューナ名誉教授(アラビア語通訳あり)、筑波大学の青柳悦子教授をお迎えして「アラビアンナイトと北アフリカの物語」と題した公開講演会を開催し、200名近い来場者をお迎えして盛会のうちに幕を閉じました。

教員紹介 鷲見 朗子



教員紹介 鷲見 朗子




  その講演会では私も発表しました。その発表テーマは、『アラビアンナイト』(別名『千一夜物語』)の校訂本のひとつである『百一夜物語』についてです。『百一夜物語』はマグリブ地域と呼ばれる北アフリカのチュニジア、アルジェリア、モロッコ周辺で伝承されてきた、アラビア語で表現された物語集です。講演では、『千一夜物語』同様、語り手シャハラザードと王が登場する『百一夜物語』の枠物語についてお話しました。「枠物語」とは、物語のなかにもう1つの(あるいは複数の)物語が埋め込まれている物語を指します。『百一夜物語』の枠物語では、自らが絶世の美男だと思っている王と世界一美しい若者が登場します。王と若者がともに妻に不貞を働かれることで、女嫌いと女性不信に陥ります。発表では、これらの「男の美」、「性悪女」、「貞女」のモティーフに焦点をあて、男女の愛憎や、男による美と知の探求が国家の繁栄と衰亡にどのようにかかわるのかみていきました。

  この『百一夜物語』は、私の担当科目「アラブ文学特講」(人間文化学科専門科目)でも教えています。その科目を履修している学生も公開講演会に出席してくれて、授業では扱わなかった別の側面も学べてよかった、生のアラビア語が聴けてうれしかった等の感想をくれました。今後も自分の研究の成果を授業やゼミに生かしていければと思います。

  以下は、3年生のゼミの授業中の写真です。

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報告 鷲見朗子


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Posted by 京都ノートルダム女子大学      国際日本文化学科(人間文化学科)  at 09:40 │Comments(0)国際文化領域(多文化理解)教員紹介

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