2018年03月15日

映画を観にいこう


昨日は、アカデミー賞受賞作品、
「シェイプオブウォーター」の話をしました




映画は、評判を参考にしても良いのですが、
実際に観てみたいところです。


人それぞれ感じ方も違うので、
実際に観てみると、
評判と違うなあ、
と思うことも、
よくあることです。


物語がある小説や、映画は、
テーマを読み取ることが、
一番に大切だと、
思っていらっしゃるかもしれません。


しかし、小説や映画は、
物語やテーマだけで、
できているわけではありません。


「シェイプオブウォーター」
を取り上げて話したように、
映画では映像の効果、
小説では言葉の表現の工夫、
も、面白さを感じる要素です。


特に、それらは、
実際に観てみないと、
確かめられないものです。


評判をそのまま受け入れず、
自分の目で確かめることが、
観賞の一歩目です。


報告:長沼光彦
  
タグ :映画テーマ


Posted by 京都ノートルダム女子大学      人間文化学科  at 21:09Comments(0)日本語日本文化領域

2018年03月14日

シェイプオブウォーター 京都で映画を観る


「シェイプオブウォーター」
今回のアカデミー賞で、
作品賞、監督賞を受賞しました。


ギレルモ・デルトロ監督の、
ファンタジー、
現代を舞台にしたお伽噺、
と言ってもよいでしょう。

(舞台は、60年代のアメリカですから、
正しくは、現代ではありませんが。)



アカデミー賞を受賞したので、
皆さんご覧になるだろうと思います。

ストーリーにはふれないでおきましょう。


この映画は、「見せる」映画になっています。

ギレルモ・デルトロ監督の映画を、
ご覧になったことがある方は、
美術面にこだわる監督であることを、
知っているでしょう。

(観たことのない方には、
「パンズラビリンス」を、
おすすめします。)

ひとつの世界観を作り上げるために、
風景から小物まで、
作り込まれています。


(少しだけ内容に触れますが)
映画を見始めた人は、
この人がヒロインですか?
と思うかもしれません。

実際演じている女優さんは、
他の映画では、
母親役をしたりしています。

ここでは、わざとさえない、
中年女性に扮しています。

(この女優、サリー・ホーキンスは、
ベルリン国際映画祭銀熊賞を受賞している、
有名な人です。)


そのさえない女性が、
ストーリーが進んでいくと、
感情移入をせずにはいられない、
魅力的な人物に見えてきます。


そういう演出も、
この映画の「見せる」魅力だと思います。


ただ、映画は、
いわゆる美しい映画ではありません。

グロテスク、残酷、道化、の要素も、
多くふくまれています。

趣味が合わない方もいるかもしれませんが、
そこが、ギレルモ・デルトロ監督の、
魅力です。


報告:長沼光彦


  


Posted by 京都ノートルダム女子大学      人間文化学科  at 18:39Comments(0)国際文化領域(芸術と思想)日本語日本文化領域

2018年03月06日

人の言うことは聞かない方がよい?


アメリカで行われる映画の表書式、
アカデミー賞で、辻一弘が、
メイクアップ&ヘアスタイリング賞を、
受賞しました。


日本人初だそうです。


その後のインタビューを聞いたのですが、
「夢があるなら、人の言うことを聞いては、
いけない」と語ってました。

皆さんは、この意見に賛成されますか。


他人にするアドバイスは、
無難なものになりがちです。

あえて、危険を冒すようなことを、
しろとは言いにくいでしょう。

特に、親御さんや教師は、
当人を思いやるからこそ、
失敗する可能性のあるところへ、
導くことはできません。


とはいえ、そういう危険を冒さなくては、
成功は得られません。


実は、アドバイスを得たいという気持ちは、
自分でも、危ないことはしたくない、
と思っている場合があります。

おそらく、ここで辻一弘が、
言いたいことは、
他の人に頼ったり、
危険を怖れたりせずに、
自分で、道を切り拓こう、
ということだと思います。


ここでは、人の話を傾聴することと
また別の態度が、
人生では必要になることを、
語っているのでしょう。

長沼光彦
  


Posted by 京都ノートルダム女子大学      人間文化学科  at 20:52Comments(0)日本語日本文化領域

2018年03月03日

ひな祭りです


本日3月3日は、
桃の節句、ひな祭です。


皆さんは、お祝いをされたでしょうか。


旧暦3月3日は、上巳(じょうし)と呼ばれ、
五節句のひとつでした。

五節句は、1月7日(人日じんじつ)、
3月3日(上巳じょうし)、5月5日(端午たんご)、
7月7日(七夕しちせき)、9月9日(重陽ちょうよう)、
と、季節の節目を祝う行事です。

おおもとは、節会(せちえ)という、
平安時代の宮廷行事から始まりました。


おひな様を飾ったり、ひなあられを食べたりするのは、
後の習慣ということになります。
(いつから始まったかは、諸説あります。)



京都では、男雛を向かって右、
女雛を左に飾ります。

これは、東京など、他の地域とは、
逆の飾り方になっています。


京都に住んでみるとわかるのですが、
京都駅から北を見て、右を左京、
左を右京と言います。

これは、平安京で、
天皇が南側を向いてすわったときに、
左京が左側、右京が右側になるからです。

天皇の座す場所を基準として、
左と右が決まるわけです。


さらに、左と右とでは、
左の方が、上位とされます。

話が長かったのですが、
京都の男雛が、
向かって左側に、飾られるのは、
そういうわけがあるからです。


京都で生まれ育った方には、
男雛が左という、
飾り方が普通なのだそうです。

私は、大学に勤めてから、
越して来たので、
そんな話をうかがったときには、
なるほど、と思いました。


報告:長沼光彦




  


Posted by 京都ノートルダム女子大学      人間文化学科  at 16:22Comments(1)京都日本語日本文化領域

2018年03月01日

ゴッホ展 巡りゆく日本の夢 開催しています

ただいま、京都国立近代美術館で、
「ゴッホ展 巡りゆく日本の夢」を、
開催しています。



皆さん、ご存じ
19世紀末に活動した、
オランダの画家、ゴッホは、
日本の浮き世絵の、
スタイルを好んでいました。


今回展示されている、
「花魁(溪齋英泉による)」は、
浮世絵を模写した油絵です。


その背景には、
19世紀のヨーロッパで、
日本文化が盛んに紹介されたことがあります。
ジャポニスムといいます。


浮世絵独特の構図を、
ゴッホが参考にしていることが、
展示物を観ると、
よくわかります。


印刷物でも見ることはできるのですが、
やはり本物を見た方が、
色合いや、タッチを、
生き生きと感じることができます。

実は、今度の日曜日で、
開催期間が終わるのですが、
よろしければ、お出かけ下さい。


長沼光彦  


Posted by 京都ノートルダム女子大学      人間文化学科  at 23:23Comments(0)京都国際文化領域(芸術と思想)日本語日本文化領域

2018年02月28日

言葉を探す 物語を作る


就活で、物語を作ることを、
求められる、という話
をしています。



物語を作るためには、
小説を読んではいかがですか、
という話をしました。


気に入ったフレーズを、
雑誌や新聞から、
探す、ということも、
良いかと思います。


例えば、朝日新聞で、
鷲田清一が、
「折々のことば」を、
連載しています。


先日は、
「病、市に出せ」
という言葉を紹介していました。
(2018年2月14日朝刊)

徳島県、旧海部町の言い習わし、
だそうです。
(岡檀『生き心地の良い町』)

悩みやもめ事は、
公開の場にもちこめばいい。
まわりが対処法を、
教えてくれる、
というのです。

地域と人の関係を見直させてくれる、
良い言葉だと思います。


自分で、良い言葉を探すのは、
なかなか難しいので、
ことばの達人、読書の達人に、
教えてもらう、
というのも、ひとつの手です。



鷲田清一は、
『「聴く」ことの力―臨床哲学試論 』
『「待つ」ということ』
などの著作で、
積極的に働きかける態度とは、
また別の、受け入れる人間関係、
「聴く」「待つ」ということを、
考えている哲学者です。

よろしければ、
こちらの本も、
読んでみてください。




報告:長沼光彦

  


Posted by 京都ノートルダム女子大学      人間文化学科  at 23:02Comments(0)キャリア教育・就活・インターンシップ日本語日本文化領域アクティブラーニング

2018年02月27日

物語を探す


就活では、自分を物語化して、
紹介することが求められる

という話をしました。



物語化する、
といわれても、
なかなか難しいかもしれません。


まずは、物語に親しむことが、
大切でしょう。

小説や童話を読むことがから、
始めてみてはいかがでしょう。

長いものを読むのは、
たいへんかもしれないので、
短篇小説から読むのも、
良いでしょう。


また、テレビのトーク番組で、
話のうまい人に、
注目してみると良いと思います。

どんなエピソードを、
取り上げているか。

どんな順序で、
話を組み立てているか、
少し意識して、
聞いてみてください。


そんなふうにして、
いろいろな物語に触れるところから、
慣れていくと思います。


報告:長沼光彦  


Posted by 京都ノートルダム女子大学      人間文化学科  at 22:00Comments(0)キャリア教育・就活・インターンシップ日本語日本文化領域アクティブラーニング

2018年02月25日

スポーツは論理的である


高木菜那選手、
女子団体パシュートに続き、
マススタートで金メダル。
すばらしいですね。


世界で1位という結果は、
もちろんすばらしいのですが、
試合の過程に、
ぐっと惹きつけるものがありました。


マススタートは、
16人で同時に滑る、
駆け引きの難しそうな、
スケート競技です。


高木菜那は、序盤、
集団の中に隠れるようにして、
滑走します。

人の陰にいた方が、
風の影響を受けず、
疲れずにすむのだそうです。

そして、後半、ピッチをあげ、
先頭に立つオランダの選手が、
アウトにふくらんだところを、
インから一気にぬいた、
という展開です。


どのように試合を組み立てるか、
というプランニングと、
その場その場の判断との、
両方の力が必要なわけです。


勝った結果もすばらしいのですが、
駆け引き、準備などにも、
目を向けると、
スポーツ観戦は、
より面白くなると思います。


報告:長沼光彦

  


Posted by 京都ノートルダム女子大学      人間文化学科  at 20:51Comments(0)日本語日本文化領域

2018年02月20日

小平奈緒金メダル いろいろな物語


2月18日、小平奈緒選手が、
スピードスケート女子500メートルで、
金メダルを獲得しました。



競技終了後、
タイムを競ったものの、銀メダルとなり、
うつむく韓国の李相花選手を、
抱きしめていました。


中継当時、
事情はよくわからなかったのですが、
ライバルをリスペクトする行為と、
思いました。


その後の、種々の報道によると、
小平奈緒は、李相花と交流があり、
ライバルではあるものの、
友人として認め合っているようです。


さらに、報道を見てみますと、
この出来事を、
日本と韓国の国際関係と結びつけるものがあり、
小平奈緒の人柄の良さを評するものなど、
解釈の仕方はいろいろありました。


最近、話題にしている物語の視点で、
見てみますと、
同じ出来事でも、
複数の物語ができあがるのだなあ、
とあらためて思いました。

そのとき、当人が何を思って行動したかは、
わからないことです。

また、国際関係の話は、
当人には、思いもよらないことかもしれません。

それでも、報道は、
それぞれの興味や考えにしたがって、
様々な物語を伝えます。

どれが正しいか、ということではありません。

どのような物語を語るかで、
その人の興味がわかる、
ということです。



小平奈緒と李相花は、競技後に、
インタビューを受けていました。

小平奈緒は、韓国に遠征に言った際に、
李相花に親切にされたエピソードを、
紹介していました。

李相花も、日本に行くときには、
小平奈緒に、案内してもらうことがある、
と付け加えました。


これが二人の関係のすべてではないのでしょう。
(実際、競技で負ければ、
悔しいと思います。)
それでも、報道とは違う、
二人の日常が見えたようで、
こちらの物語に、
私は興味を持ちました。


報告:長沼光彦

  


Posted by 京都ノートルダム女子大学      人間文化学科  at 17:21Comments(0)日本語日本文化領域

2018年02月19日

入学前教育講座で4年次生が卒業研究について発表しました

 平成30年度入学前講座で、この3月に卒業予定の4年次生7名が、卒業研究について発表しました。




 入学前講座とは、ノートルダム女学院高校出身者をはじめとする生徒で、この4月に本学に入学する予定の高校3年生を対象に、「入学前教育」を大学として行うもので、「大学の学びとは何か」「ノート・レポートの書き方」など、いくつかのテーマを立てて、講義や授業が行われます。

 その講座の2日目に行われたのが、卒業研究発表会で、この3月に卒業する4年次生で、優秀な卒業研究を行った学生が各学科から1人ずつ登壇して、約10分の発表を行いました。




 本学科からは、阪口茉柚子さんが「大和言葉 女性のための厳選50語 ~きれいはことばから~」の制作について発表しました。

 阪口さんは、洗練された女性の言葉遣いは、大和言葉をいかに使いこなせるかにかかっているという点に着目し、大和言葉に関する女子大生の認識度調査を行い、それにもとづいて、大切にすべき大和言葉を50語選び、その使い方などについて、用例研究を行い、辞書風のガイドブックを作成しました。

 この研究から制作にいたる経過について、就職活動や教育実習の合間を縫って行わねばならなかった苦労話などを含めて熱く語る阪口さんに、4月から大学生となる高校生たちも、憧れの眼差しで熱心に聞き入っていました。

 なお、今年からの試みとして、発表後、お昼休みに先輩たちと高校生たちが学生食堂で食事をともにしつつ楽しく語り合うコーナーも設けました。

 これが高校生たちには、大変好評だったようで、大学入学への不安がなくなり、とても楽しみになった、といった積極的な感想が多数みられました。

 立派な先輩たちに直接刺激を受けて、大学学習へのモチベーションが一気に上がったようです。これぞ入学前教育の真骨頂というべきでしょうか。


 


 以下、参加した高校生たちの感想の一部を紹介します。


・先輩方の卒業研究の発表を聞いて、わかりやすく聞きやすくて、私も4年になったら先輩方のような卒業研究を作れるように、1年生からたくさんのことをしっかり学んでいきたいなと思いました。

・卒業研究発表会で身近な部分の出来事を多く取り上げられていて、面白かったです。特に阪口先輩の卒業論文はためになりました。言葉の意味がどれかと選んだ時、間違いが多く少し恥ずかしかったです。世間でも間違った認識が多くなっていることが不思議になりました。

・卒業研究を発表されていた先輩方とご飯を一緒に食べている時に、大学生活での事を色々教えていただいたので、早く大学生になって
自分もこの先輩方のようになりたいなと思いました。

・1番良かったことは、先輩とお話をし、経験や意見を直接聞くことができたことです。自分からでは中々先輩とお話することはできないけど、
お昼、先輩からアドバイスをもらったりして、すごく勉強になり、参加してよかったなと思いました。


 (報告者:堀勝博)
  


Posted by 京都ノートルダム女子大学      人間文化学科  at 20:42Comments(0)日本語日本文化領域学科行事

2018年02月18日

物語を持つ人は誰でも主役


昨日は、羽生結弦が金メダルを、
取った話をしました



その過程が、物語としてまとめられ、
報道されています。



同じ男子フィギュアで、
宇野晶磨も、銀メダルを獲得しました。

ショートプログラム3位から、
逆転した、その展開は、
心動かされるところもあったと思うのですが、
当初のテレビ報道では、
羽生結弦中心に、
その物語が伝えられていました。


66年ぶりの、
五輪男子フィギュア連覇ということで、
話題性が違う、ということはあります。

多くの人が興味を持ちそうな物語が、
世間に広まりやすい、
ということですね。


ただ、そういうメジャーな物語だけが、
物語、ではありません。

それぞれ、一人一人が、
物語を持っているはずです



人に知られる、メジャーな物語を、
持つ人だけが、
ヒーローのような気がしますが。

人それぞれは、自分の物語においては、
主人公なのです。


報告:長沼光彦




  
タグ :物語主人公


Posted by 京都ノートルダム女子大学      人間文化学科  at 17:27Comments(0)日本語日本文化領域

2018年02月17日

羽生結弦が金メダルです


羽生弓弦が、金メダルを獲得しました。
すばらしいですね。



その後の、ダイジェストを見ていると、
怪我を乗り越え、成功を勝ち取った、
という報道がされています。


こういう説明の仕方を、
物語(ストーリー)というのだと、
昨日お話しました。

怪我(発端)→克服(経過)→成功(結末)、
という3段階のプロセスに、
出来事がまとめられているわけです。



羽生選手が、怪我をしたこと、
怪我を治したこと、
練習をしたこと、
金メダルをとったこと、
それぞれ、事実であることに、
間違いはありません。


ただ、これらは報道陣が、
知っている範囲の事実で、
羽生結弦本人には、
もっといろいろな経験が、
あるはずです。


怪我の克服以外にも、
物語があるかもしれません。


つまり、経験は、
いろいろな形で、
物語る可能性があるのです。


自分では、気づかないことでも、
物語になる可能性があるでしょう。


報告:長沼光彦  


Posted by 京都ノートルダム女子大学      人間文化学科  at 22:25Comments(0)日本語日本文化領域

2018年02月16日

誰もが物語を持っている


昨日は、オリンピックで、
入賞出来なかった選手でも、
それぞれ物語を持っている

という話をしました。



話を広げれば、
私たちは、誰もが、
物語を持っています。

そして、それを知ってほしい、
という気持ちを持っているのではないか、
と思います。


そういうわけで、インスタや、
ツィッターをしたい、
という気持ちになるのではないでしょうか。


ただ、インスタや、ツィッターは、
物語というには、
はじまり、つづき、おわり、
という展開がありません。

物語の素と、
いうべきものかと思います。


これらを、物語にしていくには、
それなりに整理して、
語る、話をする、あるいは、書き綴る、
必要があるでしょう。


普段から、そこまで、
自分の物語を、
つくりあげる人は、
あまりいないかもしれません。


しかし、ときには、
物語ることが必要なときも、
あるのではないかと思います。


報告:長沼光彦  


Posted by 京都ノートルダム女子大学      人間文化学科  at 23:34Comments(0)日本語日本文化領域

2018年02月12日

一緒に暮らすところからはじめる

昨日は、他者の尊重が、
グローバル社会では、
必要とされる、という話をしました。




文科省が提案する、
アクティブラーニングで、
グループワークを通じて、
他者理解を学ぶことが、
求められるのも、
そういう理由からです。


では、実際グローバル社会で、
どのようにして、他者尊重を、
行っているのでしょうか。


たとえば、
海外から来た人たちが、
滞在中、快適に過ごせるように、
配慮する、ということがあります。


駅など交通機関で、
複数の言語で表示される看板が、
あります。

すべての言語を表示するのは、
不可能ですが、
英語以外に、中国語や韓国語など、
観光で訪れる方が多い国の言語を、
表記するようになってきています。



また、文化や宗教が異なると、
生活習慣の違いで、
配慮すべきことがあります。


これも、最近話題になっているので、
ご存じかと思いますが、
イスラム教を信じる方たちのために、
ハラールレストランが、
設置されています。

イスラムの教えでは、
神がよしとしたもののみを、
食することが、
戒律で決められています。

ハラールは、イスラムの教えで、
ゆるされたものを指します。


そのハラール食品を使った、
レストランが、
国内で増えています。

京都でも、ハラール認証を受けた、
ラーメン屋さんがあることが、
報道されました。



グローバル社会での他者尊重とは、
異なる文化、習慣を持つ人たちが、
共に住めるような、
環境を整えるところから、
はじまります。

一緒に暮らせなければ、
おつきあいは、はじまりません。

様々な考え、多様な文化を持つ人々と、
交流するには、
生活する、という、
一番基本的なところを、
整える必要があるわけです。


人間文化学科では、
こういう考え方を、
大切にしています。

コミュニケーションについて、
考え、実践する授業を設けているのも、
そういう理由からです。

報告:長沼光彦


  


Posted by 京都ノートルダム女子大学      人間文化学科  at 16:19Comments(0)国際文化領域(多文化理解)日本語日本文化領域アクティブラーニング

2018年02月06日

意地かプライドか 「三四郎」を読む


夏目漱石「三四郎」を読む授業の話です。



学生の話を聞いていますと、
三四郎が美禰子のことを、
好きなのに、
プライドを捨てることができない、
というところが印象に残ったようです。


三四郎は、小説を読む限り、
あまり積極的に行動しない、
今で言う、
草食系男子、という感じもします。


しかし、それでいて、明治の若者らしく、
女性に対して、自分の方が偉い、
という、プライドを持っているようでもあります。


三四郎は、友人のしでかした失敗のおかげで、
美禰子からお金を借りることになります。

どうも、三四郎は、社会的に、
一人前ではない、と、
当時男性から思われていた、
女性から、
お金を借りることに、
違和感を抱いるようです。


実は、この場面、三四郎がまだ、
一人前の社会人ではないことを、
自覚せざるを得ない場面でもあります。

美禰子と結婚したいとしても、
そもそも、その相手からお金を借りてるというところで、
経済的な基盤がないことが、
わかってしまうわけです。


男としてのプライドとか、
言っている以前の段階と、
いうことになるでしょう。


どうやら、漱石は、
恋愛は、単に、
当人同士の、恋情だけで、
成り立つものではない、
と言っているようです。

経済的基盤、
社会的地位、
男女の間の力関係、
そういう、ややこしいものが、
絡んでくるので、
単純な、純粋な恋愛は、
成り立ちにくい、
と言っているのではないか、
と思います。


学生の中には、
そういうややこしさを乗り越えて、
好き、って言ったらいいんじゃないか、
と意見を述べます。

そういうのが、本当の恋愛じゃないか、
というわけです。


確かに、そういう社会のしがらみを乗り越える人なら、
惚れてしまうかもしれませんね。

三四郎は、草食系男子というよりも、
そういう社会のしがらみを、
乗り越えられない人なのかもしれません。



漱石は、「三四郎」のあとに書いた作品で、
そういうしがらみを乗り越えてしまう人の、
話を書いています。
「それから」と「門」ですね。

よろしければ、
続けて、読んでみてください。


報告:長沼光彦

  


Posted by 京都ノートルダム女子大学      人間文化学科  at 22:28Comments(0)授業紹介日本語日本文化領域

2018年02月04日

豆まきをされましたか

昨日は節分で、
豆まきをされたでしょうか。



学生の皆さんは、
一人暮らしだと、
豆まきまでは、
しないかもしれませんね。


全国的に定着した感のある、
恵方巻きは、
スーパーや、コンビニに、
置いてあるので、
召し上がったかもしれません。


節分は、本来、
春の始まりを祝う行事です。

豆まきのもとである、
追儺(ついな)という、
鬼をはらう行事は、
旧暦では、大晦日の行事でした。

旧暦だと、今頃だったわけです。


中国など旧正月を祝う地域は、
行事をこの頃に行うのも、
旧暦にしたがうからです。


そんなわけで、
新しい年の始まりを、
再度祝う気持ちで、
節分を行うわけですね。


私もとりあえず、
豆を食べて、
いわしも食べておきました。

邪気ははらえたでしょうか。


報告:長沼光彦  
タグ :節分


Posted by 京都ノートルダム女子大学      人間文化学科  at 19:41Comments(0)日本語日本文化領域

2018年02月03日

【お知らせ】 「日本語と古典」ゼミ 卒業制作展を開催しています

 
 「日本語と古典」ゼミに所属する4年次生の卒業制作展を、本学学術情報センター図書館1階で開催しています。




 いずれも力作ぞろいで、3年次から始まる専門演習ゼミで構想を得て、2年がかりでじっくり取り組んだ成果です。

 本格的に制作に取り掛かったのは4年次になってからですが、就職活動や教育実習など、多忙をきわめる中、コツコツ合間を見つけては努力を積み重ねてきました。




 ゼミ生たちの努力の成果をぜひ御覧ください。図書館ご入館の際は、館員に展示参観のため来場した旨、お告げ下さい。

 ラインアップは以下の通りです。

1.南百華さん(和歌山信愛高校出身)  「般若心経掛け軸の制作 ~中国名跡「般若心経」再現の試み~」
  
  中国の書の名人、王羲之、楮遂良、徽宗の三人が「般若心経」を書いたらどうなったかを再現し、掛け軸に仕上げました。





2.阪口茉柚子さん(ノートルダム女学院高校出身)  「『大和言葉 女性のための厳選五十語~きれいはことばから~』の制作」

  女性としてきちんとした言葉遣いができるようになるために大和言葉の使い方ガイドを制作しました。




3.K・Aさん  「『滋賀方言カルタ』の制作~滋賀方言研究調査の結果として~」

   49枚の札で遊びながら自然に滋賀方言が学習できるようにカルタを制作しました。


4.信太ひかりさん  「『コイノウタ♡』~若者のための古代和歌導入冊子~の制作」

  古代の恋の歌を100首選び、現代若者の肉声が聞こえてきそうな「超訳」で口語訳を作成、イラストも添えて冊子にしました。







5.S・Hさん  「日本語方言地図の制作 ~『オナモミ』『ナスリツケル』等の全国調査」

  植物「オナモミ」(通称「ヒッツキムシ」)などについて全国の方言呼称を調査し、方言地図を制作しました。





2月9日(金)まで展示しています。よろしくお願いします。


(報告者:ゼミ指導担当 堀勝博)




  


Posted by 京都ノートルダム女子大学      人間文化学科  at 17:00Comments(0)学生の作品日本語日本文化領域

2018年02月02日

美禰子の行方 夏目漱石「三四郎」を読む


試験期間に入る前の、
最後の授業で、
夏目漱石「三四郎」を読み終わりました。



美禰子は、
家族で交流のあった野々宮さんと、
交際があるように、
三四郎は思っていました。


しかし、野々宮さんと美禰子は、
考え方で合わないところがあるようです。

一方で、三四郎と美禰子が、
話す機会が増えていきます。

また、美禰子は後半で、
絵のモデルとなっていることが、
明らかになります。

その絵の場面は、
三四郎とはじめて出会ったときの、
美禰子の様子でした。


そういうエピソードが重なると、
三四郎と美禰子は、
結ばれるのかな、
とも思えます。


ところが、美禰子は、
野々宮さんでもなく、三四郎でもなく、
第三の男性と結婚することになります。


あまり明確に理由も言わないので、
美禰子の気持ちが、
良くわからない、
ということがあります。

受講した学生の皆さんの、
解釈もいろいろです。


そもそも、
美禰子は三四郎に、
興味がなかったのだ、
という人もいます。


そのように、様々な解釈ができるところに、
「三四郎」の面白さがあるのだと思います。


じっくり自分で読んでみて、
自分の「三四郎」の物語を、
組み立ててもらえると良いと思います。


小説の読解は、
そのように、自分で作り上げる面が、
あります。


報告:長沼光彦  
タグ :「三四郎」


Posted by 京都ノートルダム女子大学      人間文化学科  at 19:35Comments(0)授業紹介日本語日本文化領域

2018年01月28日

ゲームは社会的メディアです


学生に勧められた、
スマホゲームをした話を、
これまでに何回かしました。



ゲームは、
個人が楽しむ娯楽ではありますが、
同時に、その世の中で共有される願望や、
メッセージを伝える、
メディアでもあります。


たとえば、どうぶつの森は、
自分の好みにあった場所をつくり、
人に知ってもらいたい、
という願望を、
反映していると思います。


ツィッターやインスタや、
個人の表現という点では、
共通している面があります。


文化を研究しようと思う人は、
対象とするメディアが、
どのような願望やメッセージを、
反映しているのか、
分析します。


とはいえ、ゲームは、
表面どおりのメッセージを、
伝えるているとは限りません。


たとえば、
悪を退治するファンタジー世界を描く、
ロールプレイングゲームは、
正義がテーマのように見えます。

しかし、実際に満たされるのは、
敵より強くなるという、
自己を成長させる気持ちです。

現実の世界で、
成長する実感は、
なかなか得られませんが、
ゲームの世界では、
時間をかければ、
着実に成長します。


そういう表面の物語に隠された、
裏側の願望や理想を、
読み取るのが、
文化研究の方法のひとつです。


報告:長沼光彦  


Posted by 京都ノートルダム女子大学      人間文化学科  at 22:07Comments(0)日本語日本文化領域

2018年01月26日

東京の人は迷子を放っておく? 「三四郎」を読む


少し前に、道で手助けをした人を、
見かけた話をしました




夏目漱石「三四郎」を読みますと、
東京では、困った人がいても、
手助けをしない、という、
エピソードが登場します。

これも、前に少し触れました。)


東京では、迷子がいても、
誰かが助けるだろう、
警官か誰かが何とかするだろうと、
手をさしのべない、
というのです。

三四郎は、自分の故郷、田舎では、
建前がしっかりと残っているので、
そんなことはできない、
とはじめは思います。

しかし、やがて、
東京では、自分の本音で、
行動している、
と考え直します。

それが都会流の、
自分の気持ちに忠実な、
人間に生き方だと、
いうわけです。



ところが、そういうふうに、
自分の気持ちを中心にすると、
一方で、他人から放っておかれる、
孤独を感じる場合があります。

三四郎が好意を抱く、
美禰子が感じるその孤独は、
ストレイシープ(迷子、迷える子羊)と、
いう言葉で表現されます。


自分中心の人たちが多くなり、
孤独がつのれば、
荒野をさまようような気持ちになることも、
あるのでしょう。


ここにいたり、
「三四郎」という作品は、
読者に問いかけていると思います。


建前からの解放が、
自由と感じられるときもあるのですが、
建前には、建前なりの、
役割があるのかもしれません。

とはいえ、今更、建前の世界に戻るのも、
難しいでしょう。

そのときに、人と人をつなぐものは、
何でしょう。


そんなむずかしいことを考えなくても、
先日見かけたように、
さっと手を差しのばせる人も、
いるわけですが。





報告:長沼光彦

  


Posted by 京都ノートルダム女子大学      人間文化学科  at 20:44Comments(0)日本語日本文化領域