2015年09月29日

アクティブラーニングで文学研究をしてみました

本日は、アクティブラーニングスのやり方を、
文学研究の授業に応用してみました。
アクティブラーニングで文学研究をしてみました

文学を読みましょう、という昔の大学授業は、
教員がお話して、学生が聞くというパターンでした。

しかし、せっかく大学に入って、文学を学ぶのですから、
教員の話を聞くだけでなく、
主体的に読解、分析してほしいと思っています。


そこで、文学の読解の方法を、
シンプルな形でワークショップにしてみました。
題材は、「走れメロス」です。


まず、してほしいことは、
ひとつひとつの言葉にこだわる、
ということです。

そこで、メロスの性格が書かれていると思われる部分を、
付箋に書いて抜き出し、グループの中で、
比較してもらいました。
アクティブラーニングで文学研究をしてみました


何となく読み飛ばしてしまいそうな言葉にも、
文学作品はていねいに、意味をこめて書いています。

例えば、「メロスには政治がわからぬ」と初めの方に、
書いてあるのですが、これはいい意味なのでしょうか、
わるい意味なのでしょうか。

無知、という意味で読めば、悪いことのような気もしますが、
政治を「駆け引きする」という、少しずるい意味としてとれば、
悪巧みをしない純粋な男だという、良い意味にもとれそうです。

もっと言うと、太宰治がこの小説を書き、発表した時代では、
政治がどういう意味で使われていたのかな、
と考えてみる必要があります。
アクティブラーニングで文学研究をしてみました


そうやって、言葉を取り出して、
比較検討してみると、メロスがけっこう、
複雑な性格、あるいは、矛盾した性格だということが、
見えてきます。

中学のとき教科書で読んだときには、
気づかなかったメロスの行動の細かいところに、
気づいたという感想ももらいました。

そこが、ていねいに、ひとつひとつの言葉に、
こだわってみるという、効用です。
アクティブラーニングで文学研究をしてみました


もうひとつ大切なことは、
こういう作業をしてみないと、
なかなか実感できないということです。

教員の話を聞いているだけでは、
忘れてしまうようなことも、
自分が取り組んでいるので、
印象に残ります。


もうひとつ、本学の特徴かもしれませんが、
みんなで作業をすると、
楽しくノって、取り組むことができます。

話し合えば、いろいろとアイデアが出て、
気づくこともあります。

そういう意味で、今日の授業は、
学生の皆さんの話を聞いて、
私の方もいろいろと発見のあるものとなりました。


報告:長沼光彦



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Posted by 京都ノートルダム女子大学      国際日本文化学科(人間文化学科)  at 21:51 │Comments(0)授業紹介日本語日本文化領域

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