2014年10月20日

2014年度学内助成 国外研修助成金(短期)成果報告書

イギリスの学会での発表風景



2014年6月19日から20日まで、イギリスのUniversity of East Angliaで開催された国際シンポジウムEast Asian Translation Studies Conferenceに参加してきました。主催国のイギリスをはじめ、アメリカ、中国、台湾、香港、韓国、日本などの国と地域から150名以上の研究者が一堂に集まって、言語翻訳について研究発表と白熱した議論を行いました。

 二日目の6月20日に、私は ‘Translation of English Textbooks during the Meiji Era –A Comparative Study between Chinese Moral Maxims and its Japanese Editions –’ というタイトルで発表しました。

 本発表はイギリス人の John Francis Davis が編纂し、ロンドンで出版した中国語学習教科書Chinese Moral Maxims (『賢文書』)の日本での出版経緯、使用状況、またその出版に関わった洋学者である中村正直と John Francis Davisの関係について調査したものです。この研究では、幕末明治初期において、英語学習の需要が高まる中で、中国語・英語の教科書がしばしば日本人の英語学習教材として使用されていたことを念頭に、 Chinese Moral Maximsもその一つであったことを検証しました。それを可能にしたのは、やはり幕末明治初期の知識人たちの漢文力でした。換言すれば、「漢字と漢文は日本の西洋文化受容に一役を担ったと言える」という結論に至りました。

 発表後、会場からたくさんの質問とアドバイスをいただきました。これを励みに今後より一層研究に精進したいと思います。そして、このような機会を実現させていただいた大学の助成金制度にも感謝致します。

                                                                   文責:朱鳳


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Posted by 京都ノートルダム女子大学      国際日本文化学科(人間文化学科)  at 12:41 │Comments(0)教員の研究活動

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