2016年04月30日
立木先生の立体パズル教育の原点はノートルダムでの授業!
人間文化学科で、学生が情報処理士の資格が取得できる
ようにしたのは、2004年度のことでした。
20単位分の授業を揃えるために、
いくつも新しい科目を新設した際に、
知り合いの先生方に非常勤講師をお願いしました。
その一つが、京大の立木秀樹先生にお願いした
「情報科学概論」でした。
「情報科学(コンピュータ・サイエンス)を教えて下さい。
ただし、文系の女子大生が楽しめる授業を!」
という難しい注文をつけた責任と自分自身の勉強のため、
この授業を依頼した私も、受講生として毎週、この授業に
出席していました。
「再帰的な手続きという情報科学の考え方を教えるために、
工作をしてもいいかな?受講生みんなで一つの
シェルピンスキー四面体を作ってみようと思う」
と立木先生から相談された時は
「おもしろそう!ぜひやって下さい」
と賛成して、詳しく話を聞いていたものの、内心、
学生がどんな反応をするかにはドキドキしていたのです。
女子大生にとって、いや多くの普通の人にとって、
「再帰的な手続きの概念」というものは、理解しづらいと
思ったので。
でも、この工作を最初から学生たちは楽しんでくれて、
お手伝いをしていた私自身も、とっても楽しくて、
最後に、作り上げたシェルピンスキー四面体の四角い影が、
プロジェクターを通して前のスクリーンに投影された時には、
教室中に感動が広がりました。
以下が、その時に私が写した写真です。

その授業を体験した卒業生は、今でもその時のことを
よく覚えているといいます。あれはまさに、時代を先取りした、
アクティブラーニングだったと言えるのではないでしょうか。
その後、立木先生はこの研究で大きな成果を出されています。
Imaginary Cube
http://www.i.h.kyoto-u.ac.jp/~tsuiki/icube.html
のページからリンクされている、
教育活動、京大博物館での展示、パズルや本の発売…。
シェルピンスキー日除けの商品への応用、などなど。
教育活動の最初に、京都ノートルダム女子大学の
名前も記されています。
そのような縁で、今回、6月11日(土)にノートルダムの
公開講座で講演していただくにあたって、立木先生は、
このような文章を書いて下さいました。
公開講座について詳しくは、http://www.notredame.ac.jp/hc/kk/2016/ をご覧下さい。
人間文化学科の公開講座
「わかる・たのしい・おもしろい!心を育てる教育とは?
~パズルや手芸を使って学ぶプログラミングと数学~」
報告:吉田智子
追伸:公開講座の講師打ち合わせの日のことついては、
http://notredameningen.kyo2.jp/d2016-05-01.html に書きました。

ようにしたのは、2004年度のことでした。
20単位分の授業を揃えるために、
いくつも新しい科目を新設した際に、
知り合いの先生方に非常勤講師をお願いしました。
その一つが、京大の立木秀樹先生にお願いした
「情報科学概論」でした。
「情報科学(コンピュータ・サイエンス)を教えて下さい。
ただし、文系の女子大生が楽しめる授業を!」
という難しい注文をつけた責任と自分自身の勉強のため、
この授業を依頼した私も、受講生として毎週、この授業に
出席していました。
「再帰的な手続きという情報科学の考え方を教えるために、
工作をしてもいいかな?受講生みんなで一つの
シェルピンスキー四面体を作ってみようと思う」
と立木先生から相談された時は
「おもしろそう!ぜひやって下さい」
と賛成して、詳しく話を聞いていたものの、内心、
学生がどんな反応をするかにはドキドキしていたのです。
女子大生にとって、いや多くの普通の人にとって、
「再帰的な手続きの概念」というものは、理解しづらいと
思ったので。
でも、この工作を最初から学生たちは楽しんでくれて、
お手伝いをしていた私自身も、とっても楽しくて、
最後に、作り上げたシェルピンスキー四面体の四角い影が、
プロジェクターを通して前のスクリーンに投影された時には、
教室中に感動が広がりました。
以下が、その時に私が写した写真です。

その授業を体験した卒業生は、今でもその時のことを
よく覚えているといいます。あれはまさに、時代を先取りした、
アクティブラーニングだったと言えるのではないでしょうか。
その後、立木先生はこの研究で大きな成果を出されています。
Imaginary Cube
http://www.i.h.kyoto-u.ac.jp/~tsuiki/icube.html
のページからリンクされている、
教育活動、京大博物館での展示、パズルや本の発売…。
シェルピンスキー日除けの商品への応用、などなど。
教育活動の最初に、京都ノートルダム女子大学の
名前も記されています。
そのような縁で、今回、6月11日(土)にノートルダムの
公開講座で講演していただくにあたって、立木先生は、
このような文章を書いて下さいました。
講演タイトル「立体パズルや工作の中で数学に出会う」
京都大学 人間・環境学研究科/総合人間学部 教授 立木秀樹
こんな問題を考えてみよう。「直交する三方向から見て正方形に見える立体は何でしょうか?」もちろん立方体は一つの答えであるが、それ以外にもそういう立体はたくさんありそうだ。そのような立体(イマジナリーキューブと呼ぶことにします)について調べているうちに、面白い数学に出会い、その美しい性質を用いた立体オブジェやパズルを制作し、いつの間にか大学での授業以外にも小、中、高等学校等で出前授業をたくさんするようになっていた。
このイマジナリーキューブを用いた教育の原点は、2004年度に京都ノートルタム女子大学で行った「情報科学概論」の授業にある。シェルピンスキー四面体という、たくさんの正四面体がくっついて出来たイマジナリーキューブを授業中にみんなで工作した。再帰的な手続きという情報科学の重要な考え方について工作を通じて体感しながら学ぶのが目的で、工作自体が楽しかったが、それ以上に、完成した立体に光をあてて、影の穴がふさがってきれいな四角形になった瞬間、教室全体が数学的現象に対する畏怖の念につつまれた。
数学は見て楽しむことよりも、なぜそうなるのか、その理由を各自の頭で納得することの方が本当は重要なのだが、工作を通じて構造が分かっており数を使わないで可視化して考えられる分、その論理的な仕組みも明快だ。この講座では、イマジナリーキューブのパズルを楽しみながら、数学の不思議を体感しましょう。
公開講座について詳しくは、http://www.notredame.ac.jp/hc/kk/2016/ をご覧下さい。
人間文化学科の公開講座
「わかる・たのしい・おもしろい!心を育てる教育とは?
~パズルや手芸を使って学ぶプログラミングと数学~」
報告:吉田智子
追伸:公開講座の講師打ち合わせの日のことついては、
http://notredameningen.kyo2.jp/d2016-05-01.html に書きました。
