マレーシア国立大学主催のオンライン学会発表

京都ノートルダム女子大学      国際日本文化学科(人間文化学科)

2022年03月14日 07:05

 マレーシア国立大学主催のオンライン国際学会が2021年9月に
行われ、そこで研究発表(英語)をしました。
 邦題は「日本の大学生のアラビア語学習動機づけにおける
自律性に対するアラブ文化への興味の影響」です。



 この研究は学会で発表された研究のベスト10に選ばれました。
 名古屋工業大学鷲見克典教授との共同研究です。



 この研究の目的は、アラビア語を自分から学ぼうとする性質(動機づけにおける自律性)は、アラブの観光、宗教、文学といったアラブ文化への興味があるほど強いだろう、という仮説をたしかめることでした。アラビア語は日本ではあまり教えられていない、日常生活でみかけることの少ないことばです。こうしたことばを自分から学ぼうとする性質をあきらかにすることで、アラビア語の効果的な学習や教育にいかすことができます。
 アラビア語を学ぶ学生に調査を行い、得られたデータを分析しました。アラビア語専攻学生、アラビア語以外の外国語専攻学生、外国語以外の専攻学生の3グループについて、アラブ文化への興味がアラビア語学習動機づけにおける自律性に与える影響を検討しました。その結果、アラブ文化への興味は、3グループの学生いずれにおいても、アラビア語を自分から学ぼうとする性質に直接的な影響を及ぼすことが支持されました。さらにその影響は、アラビア語以外の外国語専攻学生よりも、アラビア専攻学生でやや強いこともわかりました。
 私は本学でアラビア語を教えるなかで、アラビア書道の映像やアラブのポップスを紹介したり、エジプト人講師からエジプトにおける俗信について説明していただくなど、アラブ文化を積極的に授業にとり入れる工夫を惜しみません。これはアラブ文化への関心を高めることで、アラビア語学習へのやる気を強くしていってほしいからです。

国際日本文化学科教員 鷲見朗子

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