文化の航跡研究会

京都ノートルダム女子大学      国際日本文化学科(人間文化学科)

2013年02月08日 20:20

2月8日(金)16時30分より、
人間文化学科の教員が主催する研究会、
文化の航跡研究会を開きました。

大学の教員は、日々研究活動を行い、   
その成果を学生の皆さんに伝えようと
しています。
こういう研究会は、学科の中でも、
行われますし、
大学全体で行われることもあります。

今回は、服部昭郎先生の発表で、
「古都像の醸成
エディンバラ異界譚」という題です。

17世紀の古都エディンバラを舞台とした、
トーマス・ウィアーという人物にまつわる、
奇怪な伝説が、今回の題材です。
トーマス・ウィアーは、その背徳行為から、
裁判にかけられたのですが、
やがて悪魔だというわさが起きるのです。

もちろん、実際に悪魔であるはずはないのですが、 
トーマス・ウィアーが悪魔だと見なされるような、
所行をしたのは確かです。

どうやらその行動の根底には、
律法不要論という、
人間が現世でどのような行いをしようとも、
信仰さえあれば神に救われるという、
ファンダメンタルで不条理な信仰を、
持っていたようなのです

悪魔だとされた奇怪な伝説の裏側には、
あくまで人間的な理由があったのです。
奇怪な事件も、それはそれで面白いのですが、
その伝説の背後にある歴史的事実を知ることで、
また興味が広がります。

今回は学生の皆さんも大勢参加してくれました。
古都エディンバラの魅力、
悪魔の不思議な伝説、
伝説の裏側に隠された事実。
多彩な話題に刺激されたのか、
熱心に質問をしてくれました。
おかげで研究会は盛会となりました。

まだ参加したことのない方は、
ぜひ次の機会に参加してください。
授業とはまた違った、
先生方の今一番興味のある話を、
聞くことができます。


報告 長沼光彦







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