本学科では、教職課程を履修すれば、中学・高校の国語科教諭免許が取得できます。
国語が好きな人、図書館が好きな人、子どもに接するのが好きな人、履修者それぞれの動機から、毎年4~6名の学生が課程を履修しています。
学科に教職課程ができてちょうど15年経ちました(初の卒業生が出てから12年目)が、十数名の先輩が教育現場で専任教員として活躍しています。
さて、その教職課程の最後の関所のような科目が、8年前に導入された「教職実践演習」という科目です。
その人物が、本当に教員に適しているかどうか、最終見極めが行われる科目です。
この日は、教科の指導力に関する授業が行われました。
苦手な学生たちが多い漢文の教材を用いて、指導内容のポイントを作成するという授業でした。
今回は、インターネットにも参考書にも絶対に載っていない、漢文の白文を自力で読解し、朗読し、書き下し文を作成し、指導のポイントを明確にできるかという課題でした。
相談したり教え合ったりできないように、一人ずつ別々の文章でした。それを独りで読み解いて、他の人に伝わるように解説するところまでが課題です。
履修者たちは、初めて見る漢字の行列を見ながら、難渋していました。
もう一つの条件、それは紙媒体の漢和字典を使うことでした。
最近は、どの学生も電子辞書かスマホで何でも調べようとして、紙の漢和辞典の引き方を知らない者が多くなりました。
教職課程履修者も紙の辞書に慣れていないようで、必要以上の時間がかかって、とても苦労していました。
それでも3時間ほどかけて文章の意味が分かってくると、だんだん顔が明るくなってきました。
文章を読み解く面白さが分かったようです。
この体験を、教壇に立ってから、ぜひ活かしてもらいたいと思います。
(課程担当:堀勝博)