年末ですが、今年の思い出から一つ紹介します。
博物館学芸員資格取得の科目の一つに「博物館実習Ⅰ」があります。
この中で、受講生は毎年、何か展示テーマを学生の目線で考えて
小規模な展示を開催します。
今年は議論の末、「美しい空物(からもの)展-幸福の残留物(ぬけがら)たち-」と題して
受講生と人間文化学科の教員が所有する「なんらかの入れ物」を紹介しました。
「空物(からもの)」は今回の実習のなかで生まれた造語で、
「かつてなにかの入れ物としてつかわれていた容器」を指します。
包装・保護といった用途を終えた後も、なぜか処分されていない容器、
そこにはなにか理由があるはず。
背景にひそむエピソードも取材して、解説も執筆しました。
(日本美術がお好きな方は、ここに唐物(からもの)=舶来品もかけられていることにお気づきかもしれません)
ささやかな展示ですが、幸いなことに、ご覧いただいた方には好評をいただいたもようです。
受講生たいは、この経験を通して
「企画を立案し、わかりやすく伝える」ことを深めてくれたことでしょう。
(もっと掘り下げた解説を!キャッチコピーを!と煽られた記憶だけが残っていないことを祈ります)
(報告:吉田朋子)