祇園祭に行ってきました ―3年次生「専門演習」クラス2

京都ノートルダム女子大学      国際日本文化学科(人間文化学科)

2017年08月22日 17:00


次に通りかかったのは、芦刈山です。「芦刈」とは、大和物語などに出てくる有名なお話で、夫婦愛、固く結ばれた夫婦の絆をモチーフにしています。




ご神体は、落ちぶれて葦を刈る物語の主人公、元・夫です。右手に鎌、左手に刈り取った葦を持っています。衣装の一つ(旧衣装の小袖)に、天正17年(1589年)に制作されたものがあり、祇園祭のご神体の衣装としては現存最古だそうで、重要文化財に指定されています。この祭りの歴史の古さがうかがえますね。




人形の御頭はさらに古く、天文6年(1537年)に作られたとのこと。現在はレプリカを用いているそうです。




写真は、巡行の際に山を飾る懸装品の一つ、見送り。年によって使用されるものが異なり、右側が山口華楊画伯の「鶴図」を原画として織られた綴織、左側が江戸時代後期の「唐子喜遊図」で、今年は右の「鶴図」の方を使用するそうです。




こちらは、豊臣秀吉の陣羽織模様をもとに平成に入って新調された胴懸の綴織です。おもしろい鳥獣の図柄ですね。

晴れの日を飾る一つひとつの用品に、古くから多くの人々が熱い思いを籠めてきたことがわかります。


(報告者:堀勝博)



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