吉澤健吉先生 ホスピタリティ京都

京都ノートルダム女子大学      国際日本文化学科(人間文化学科)

2017年05月15日 16:28


5月9日火曜日のホスピタリティ京都は、
吉澤健吉先生を、ゲストにお迎えしました。



吉澤健吉先生は、
京都産業大学教授ですが、
本学の法人理事をお務めいただいています。

大学に務められる以前は、
京都新聞の記者として、
京都文化を支える方たちを取材してきました。

吉澤先生より、
ホスピタリティ京都のゲスト講師の方たちを、
ご紹介いただいています。





今回は、そのご経験をふまえ、
「ファジーな京都文化」の題で、
お話いただきました。


京都文化の特徴は、
ファジー(あいまい)なところにあります。

たとえば、何かお願いをしたときに、
「考えときます」と返事をいただいたら、
京都では、婉曲なお断りだと、
受け止めなければなりません。

関東の人間だと、「考える」と言われると、
少しは可能性があるのかと思ってしまいますが、
実際は、可能性はないのです。


京都の人と交流がないと、
まちがった受け止め方をしてしまいそうですが、
はっきりと断って、相手の気分を害さないようにする、
配慮なのです。


こういうファジーな感性は、
例えば、人間と自然を明瞭に分けない、
調和的な心の在り方や、
空白や余韻から想像を喚起する、
日本人の精神と、
共通しています。

その意味では、
京都文化独特のものというよりも、
日本の伝統に根ざすものです。


グローバル化社会の中で、
あらためて、日本人独自の、
物事の捉え方を見直してみては、
いかがでしょう。

吉澤先生から、
そのようなメッセージをいただきました。


報告:長沼光彦



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