旅人をもてなすこと
聖書を読んでいると、
旅人をもてなすこと、
がたびたび取り上げられます。
互いに兄弟としていつも愛し合いなさい。
旅人をもてなすことを忘れてはいけません。
そうすることで、ある人たちは、
気づかずに天使たちをもてなしました。
(ヘブライ人への手紙 第13章 1-2)
キリスト教が愛を重んじる、
といわれるのは、
このような言葉からきています。
一方で、この言葉は、
人を思いやることが難しい、
とも言っているように思います。
旅人のように、
よそから来た人を、
大切にすることは、
なかなかできない。
だからこそ、
そういう気持ちを持とう。
そうすれば、
神の使いをもてなすような、
貴重な体験をすることができる。
自分の身近ではない人に対する、
思いやりの大切なことを、
忠告しているのだと思います。
ただし、人は、身近な人、
兄弟や友人に対しては、
自然と思いやるような気持ちは、
持っています。
その気持ちを、旅人、他者にまで、
広げることが大切なのでしょう。
兄弟として愛しなさい、とは、
そのような意味かと思います。
どのようなつらい出来事が起きても、
テレビを通じて見ているだけでは、
なかなか実感できないかもしれません。
しかし、そこに身近な人がいると思えば、
その出来事に対する気持ちの持ち方も、
変わってくるでしょう。
旅人へのもてなしとは、
そのような、他者への気持ちの持ち方を、
言っているのではないかと思います。
報告:長沼光彦
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