小説・詩・マンガの“ちょっと深い読み方”

京都ノートルダム女子大学      国際日本文化学科(人間文化学科)

2013年03月26日 14:17



小説、詩、マンガは好きですか?
ふだん、文学作品をどのように読んでいますか?


京都ノートルダム女子大学では、
3月22日、オープンキャンパスが開かれ、
多数の高校生の参加をいただきました。

人間文化学科のブースではご覧の通り、文学を専門とする
長沼光彦先生による体験イベントが開かれました。

テーマは、
小説・詩・マンガのちょっと深い読み方
 ~内容を分析しながら「読解」してみましょう  です。

太宰治「走れメロス」、
中原中也「汚れつちまつた悲しみに」、
尾田栄一郎「ONEPIECE」を使って、

それらをさらっと読むのではなく、
深く読むための方法などを解説。

小説、詩、マンガ好きの皆さん、
きっと、楽しみながら、
かつ じっくりと講義を聞いていらっしゃったのではないでしょうか。

解説する長沼先生も楽しそうですね。

そこで、長沼先生に、
本ブログでも、少しばかり模擬授業の中身を解説していただきましょう。


平野「長沼先生、今回のオープンキャンパスにお越しいただけなかった方の為に、
    簡単に、模擬授業の内容をご紹介いただけませんか?
    もちろん、直接ご講義いただいた方がいいのでしょうけれど・・・・・・。」

長沼「深く読むためには、細かい所をゆっくりじっくり注目することが必要です。
   マンガも細かい絵の表現を見たりすると楽しいですね。

   小説では、言葉に注目すると良いでしょう。

   言葉の意味や、当時どのような文脈で使われていたかなど、
   注目してみると発見があると思います。

   「走れメロス」も友情の物語として読んでもよいのですが、
   深読みすると、メロスはけっこうエキセントリックな人物に見えてきます。

   例えば「メロスには政治が分からぬ」という一節が出てきます。
   政治が分からないにもかかわらず、
   王様は悪人だと直感で判断し、激怒しています。

   現代の感覚からいうと、あまり理性的な人物ではありませんね。
   また、そんな行動が友人のセリヌンティウスも巻き込んでいきます。

   友情を前提として王様の人質にしてしまうのです。
   そんな人を友人に持ちたいと思うでしょうか。

   へそ曲がりな読み方かもしれませんが、
   そういうこだわりを持って読むと、作品を読解するのが楽しくなってきます。」


平野「ただ読み進めるのではなく、じっくり考えながらこだわりを持って読む!
    同じ作品でも随分と楽しく読めそうですね。
    
    また、そのように読むことで、より印象深く心に残りそうです。
    長沼先生、ありがとうございました。」




  ゲスト:長沼光彦
  報 告:平野美保

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