2016年08月05日
2年次生 前期「発展演習」プロジェクト 合同発表会を行いました
昨年度に引き続き、今年も人間文化学科2年次生必修科目「発展演習」前期クラスのプロジェクト合同発表会を行いました。
従来の受け身型授業に代わり、自分たちが中心になって課題を探求し、相互に協力しながら、積極的に学んでいくというアクティブラーニングの方法を本学科でも取り入れようということで、始めたものです。
今年前期の該当クラス発表テーマは、以下の通りです。
堀担当クラス ・・・掛け軸入門
朱先生担当クラス ・・・京都のおみやげと俳句制作
鷲先生見担当クラス ・・・ 京のふぁんたじー
まず、堀担当クラスでは、誰もが目にしたことがありながら、あまりその詳細について知ることがない「掛け軸」について調べようという趣旨で、以下のテーマ別に発表しました。
掛け軸の歴史、構造、作り方、茶道との関係、内容や意味(書画)など、いろいろな観点から発表しました。
発表が多岐にわたったため、時間切れとなり、この後予定されていた、各自が制作した掛け軸紹介ができなかったのが残念でした。これらの掛け軸は、大学キャンパスのどこかに掛けられる予定ですので、探してみてください。
朱先生担当クラスは、京都のおみやげショップをフィールドワークで取材し、素敵なおみやげ・グッズを写真に撮って、それらにちなんだ自作俳句を発表していきました。
長い列 餅待ちきれず 焦る思い
これは、有名な出町ふたばというお店で、名物の豆餅を買う時の心境を詠んだ作品です。超人気店で、土日には、行列が4重にも5重にもなって並んでいます。午後の早い時期に完売してしまいますので、経験した人なら、痛いほどわかるでしょう。「餅」が冬の季語であることもちゃんと紹介されていました。
麦落雁 ばあちゃんの味 なつかしい
これは、麦焦がしで作った落雁を食べて、その素朴な味わいに、なつかしさを感じ、祖母を思い出したというものです。麦焦がしは、関西では「はったい粉」と言い、湯に溶いてよく食べたものです。最近でも売っているのでしょうが、やはりなつかしさを感じさせる味ですね。ちなみに「麦落雁」は、夏の季語です。
学生たちが作った、写真・俳句パネルは、現在図書館南側ガラス壁、ユージニア管1階パサージュに展示していますので、ごらんください。
最後に発表した鷲見先生クラスは、2つのグループに別れ、京都を舞台としたファンタジーを、ペープサートと演劇という形で上演しました。
最初のグループは、書画カメラとプロジェクタを用いて、「梅津の長者」をペープサートで上演しました。
京都の梅津(右京区)に住む貧乏な老夫婦が、親切にしてあげた尼さんから一文銭をもらい、それがきっかけで金持ちになっていき、家の貧乏神が出ていって、七福神が住むという昔話です。
BGMで始まり、ペープサートの背景となる絵画がすばらしく、またナレーターを務めた向井理奈さんの語りがすばらしいものでした。聞けば、高校時代に放送部だったとかで、本学科の話し言葉プログラムに関心があるとのことです。
昨年度後期クラスでも同じ話がペープサートで発表されましたが、今回は書画カメラを用いていて、背景画なども工夫され、全体の印象はまったく異なるものになっていました。
もう一つのグループは、「羅生門の鬼」を演劇で発表しました。羅生門に跋扈(ばっこ)する鬼を、武勇で名を馳せた渡辺綱が退治する話です。原話では、綱が鬼の腕を切り落とすストーリー展開ですが、彼女たちは、鬼の首飾りを奪う演出にしていました。鬼との格闘のシーンなど、迫力があり、発表の最後を飾る大スペクタクル(ちょっと大げさですが…)になっていました。
以下、参加者の感想です。
【M・Yさん】 私の家にも掛け軸があるので、興味深かったです。一人一人役割があって、詳しく調べられていたので、すばらしいと思いました。掛け軸の絵に深い意味があったことを知り、驚きました。
【N・Kさん】 一人二句ずつオリジナルの俳句を作られていて、あたたかみのあるやさしい句ばかりで、心が和みました。実際にお店に足を運ばれて作った句だから、親しみやすさがあったのだと思いました。
【K・Eさん】 どちらの劇もよく考えられていて、見入ってしまいました。ペープサートは初めて見ました。BGMもついていて、本格的でした。台詞もそれぞれの配役が感情をこめて読んでいて、好印象でした。後半の劇の方は、衣装などにも凝っていて、よかったです。戦闘シーンなど、本格的でした。とても恥ずかしかっただろうと思いますが、堂々と演技されていました。
〔報告者:発展演習前期担当 堀勝博〕
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