2016年03月30日

京都で映画を観る サウルの息子

またまた、四条にある京都シネマで、
映画を観ました。
京都で映画を観る サウルの息子

「サウルの息子」
ハンガリーの監督、
ネメシュ・スロー演出の映画です。

第68回カンウ国際映画祭グランプリ
アカデミー賞外国語映画賞
を受賞しました。


映画は、木々が並ぶ、
林らしきところから始まります。

林らしき、というのは、
カメラのピントが合っていないため、
もやもやとした画面だからです。

つい映写機が壊れているのではないか、
と思ってしまいました。


しかし、主人公らしき人が現れると、
その周辺だけ、ピントが合っています。

なかなか不思議な表現の映画です。



映画の始めに、字幕で示されるのですが、
第二次世界大戦中に、
ナチスドイツが、ユダヤ人を強制収容した、
アウシュビッツで働かされた、
ユダヤ人の話なのです。

アウシュビッツでは、
ユダヤ人が大勢虐殺されました。
この出来事はホロコーストと呼ばれています。

その虐殺に荷担させられたのが、
ゾンダーコマンドと呼ばれる、
ユダヤ人です。

彼らもまた一定期間働かされると、
殺されるのです。



どうやら主人公は、そういう境遇に耐えられず、
周囲が見えなくなっているようです。



その主人公が、虐殺されるガス室の中で、
自分の息子を見つけます。

そして、何とかして葬儀をあげたいと、
奔走します。

その行動が、この映画のすべてです。
ただし、主人公の行動には、
そんなことをして良いのか、
判断に困るところが、
たびたび現れるように思いました。

そのあたりは、自分で映画を観て、
確かめてみてください。


見終わると、人間が重んじるべきものは、
何だろうか、と考えさせられます。

それは、思いやり、とか、愛、とか、
いうような言葉では表現できないものです。

映画は言葉で表現されないために、
考えさせられる部分が多いのです。

報告:長沼光彦



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Posted by 京都ノートルダム女子大学      国際日本文化学科(人間文化学科)  at 17:00 │Comments(0)国際文化領域(多文化理解)国際文化領域(芸術と思想)京都

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