2015年10月05日

数学者による言語表現技術ワークショップの開催!

後期の授業が始まって5日目の10月2日(金)の16:30から18:00に、
ソフィア館4FのS402教室で、言語表現技術を磨くワークショップが
開催されました。

講師に来て下さったのは、香川大学 工学部の富永浩之先生。

香川大学の工学部公認サークル プログラミング研究所(KBIT SLP)
の学生さん4人と一緒にノートルダムを訪れ、ワークショップを
開催して下さいました。

数学者による言語表現技術ワークショップの開催!


数学者による言語表現技術ワークショップの開催!


説明文、報告文、意見文を言ったり書いたりするための
言語技術を磨くには、訓練が必要ということで、
その訓練方法をいろいろ紹介して下さいました。

数学者だけあって、論理的に説明されるので、
すーっつと納得できました。

数学者による言語表現技術ワークショップの開催!


「試験の答案の文章というのは特殊だ。普通の説明文というのは、
知らない人が読むが、答案の文というのは知っている人(先生)が読む。
『どう説明するかが知りたい。どれほどわかっているかが知りたい』人が
読むという、特殊な文なので、それをわかって書かないといけない。」

という説明にも、なるほどなぁ~と思いました。

後半に、「20の質問で、その人が考えた『何か』を当てる」という
ゲームを行いました。

「それは生物ですか?」
「宅急便で送る程度の段ボールに入りますか?」
「電気で動きますか?」
「あなたは今日、それを見ましたか?」

などという質問をして、Yes か No か わからない のいずれかで答えてもらうと、
最初の10個の質問で世の中のものを約1000に分けた一つに絞り込め、
次の10個の質問で約100万個に分けた一つに絞り込めるので、
的確な質問をしていけば、大抵のものは当たるそうです。

当日の答えは、「ショートケーキ」でした。

8つ目の質問あたりで、食べるものだということがわかり、
9か10つ目の質問でスイーツであるだろうということはわかり、
その後は、どんな種類のケーキか?を特定するための質問が
続きました。

おもしろいゲームだったので、友達とやってみてくださいね。

さて、事前に届いた当日のワークショップの案内文は、
こんな感じでした。


理系国語や情報国語と私が呼んでいる、情報伝達の手段としての
表現技術について、ゲームを交えて実習しましょう。また、
その前提となる論理思考についても、地頭を鍛えるゲームとして
実習します。

高校生への模擬授業、留学生への日本語教育、社会人への研修として、
実施している内容です。就職面接の対策にもなります。

具体的には、20の質問、説明文の構成、報告や感想の
受け答えなどを扱います。まあ、こんなんばっかじゃあ面白くない
かもなので、うちのサークル生の自己紹介的なLT(ライトニングトーク)
などを盛り込むかもしれません。

ノートルダムの吉田智子先生とは、私が学生の頃から、
テクニカルライティングの教育について、いろいろ検討していました。
当時は、その重要性が理解されず、教科書の出版計画が難航したこと
もありました。今では、多くの大学で、科目として設置されるようになりました。

そうなんです。

およそ四半世紀前、富永先生が京大の数理解析研究所の院生さん
だった時代からの知り合いで、その頃に私たちは、
「KABA自由大学 テクニカルライティング講座」の講師を担当しながら、
このテーマについて話し合っていました。

あの頃、熱く語っておられた富永先生が、あれから25年ほどの間に、
日本語の表現技術に関する数々の実習(ゲーム)を生み出されていた
ことに、感動しました。

遠いところを、本当にありがとうございました。

報告:吉田智子

追記

この日、別の大学からこのワークショップを聞きに来られた先生が、このブログを読まれて以下の補足を送ってきて下さいました。

「対象をおよそ半分に絞り込めるような質問を繰り返せるかどうかが勝負なんですよね。下手な質問だと絞り込めない。」

そうなんです。今回の「20の質問」では、みごとに対象を絞り込める質問が繰り返されたから、早い段階でスイーツだということが判明したのでした。

また、やはりこのブログを読まれた別の先生から、「20の質問のサイト」の存在を教えていただきました。http://www.20q.net/

最後に。

なぜ、20の質問の最初の10の質問で、世の中のものを1000に分類したうちの一つに特定できて、次の10(つまり20)の質問で、100万に分類したうちの一つに特定できるかの計算結果です。

2の10乗は、1,024 で、
2の20乗は、1,048,576 でした。

タグ :言語技術

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Posted by 京都ノートルダム女子大学      国際日本文化学科(人間文化学科)  at 18:17 │Comments(0)情報関連の資格や活動国語科教諭免許

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