2015年09月06日
2015年度 香港日本語教育実習 レポート
香港での日本語教育実習より帰国しました。今年は8月20日から31日までの12日間、5名の実習生が、香港中文大学専業進修学院の学生たちを対象に、のべ40時間の日本語授業を担当しました。同学院での実習は5年目を迎え、この時期になると卒業したOBやOGたちも授業を受けに来てくれるほどの、恒例行事となりました。
今年は、初めて日本語を学ぶ人のための初級講座が1クラス、日常生活で使う基礎日本語を教える中級講座が2クラス、大学生や社会人が用いるレベルの日本語をマスターする上級講座が1クラス開設され、5名の実習生がすべての種類のクラスを担当しました。
初級クラスでは、「あいうえお」からカタカナまで教え、中級では「~てある」「~ておく」の用法、「~と、~たら、~なら」の用法、「やる、くれる、もらう、あげる」の用法など、上級では、「かなり、なかなか、相当、ずいぶん」の用法、「決して、ちっとも、少しも、めったに、とても」の用法など、それぞれに難しいテーマばかりです。
しかし、5名の実習生たちは、ひるむことなく、夏休みも返上して教材研究に取り組み、指導案やパワーポイント教材の作成に全力を挙げました。指導教員の私からOKをもらうまで、何度もダメ出しをされますが、みんな音を上げることなく、互いに励まし合いながら、出発直前まで努力を惜しまず、よい授業ができるようがんばりました。
その甲斐あって、5名の実習生いずれも最終日までにはすばらしい授業ができるようになり、専業進修学院専任教授の先生方からももったいないお褒めの言葉をいただきました。
最終日に行った、日本文化紹介の授業では今年は、午前中が「日本の伝統的な子どもの遊び」、午後が「かるた大会」を取り上げました。「遊び」では、日本から持参したけん玉、お手玉、あやとり、だるま落とし、トントン相撲などのほかに、いす取りゲームや花いちもんめなども行い、みんな童心に帰って大いに盛り上がりました。午後のかるた大会では、これも日本から持ち込んだドラえもんかるた、ちびまる子ちゃんことわざかるた、ポケットモンスターかるた、クレヨンしんちゃんことわざかるた、ちはやふるかるた(百人一首)など、香港で大人気のアニメキャラクターもののかるたで、こちらも白熱。初めて日本語を学んだ学生も、習ったばかりの「あ」「か」など一文字に集中して参戦。5回戦の総得点で優勝したのは、将来日本で声優として活躍することを夢見ているというニコラスさんでした。
その日の夜、みんなでビクトリアピークに上り、香港の夜景を眺めました。それまで雨模様だったのですが、山頂に上がった頃には雲も晴れて、すばらしい景色を見ることができました。
今年の実習生5名は、モチベーションも高く、結束力があり、毎日の実習を心から楽しみつつ精励したところが特筆できます。大いなる達成感を得て、帰国の途に就いたことでしょう。10月15日には、成果報告会を行い、後輩たちに、この実習で得たことを伝えてくれる予定です。
以下、5回シリーズで、報告会より一足先に、各実習生の香港レポートを、このブログに掲載したいと思います。乞うご期待!
(報告者:日本語教員養成課程担当 堀勝博)
日本語教育実習Ⅲ(香港実習) レポート 〈続〉 越智瀬莉香
日本語教育実習Ⅲ(香港実習) レポート 越智瀬莉香
日本語教育実習Ⅲ(香港実習) レポート 福島明星(ふくしま あかり)
日本語教育実習Ⅲ(香港実習) レポート 松本若菜
ブラジルから ―海外ボランティア日本語教師・近藤ゆみさん
前期授業から ―京都工芸繊維大学での日本語教育実習
日本語教育実習Ⅲ(香港実習) レポート 越智瀬莉香
日本語教育実習Ⅲ(香港実習) レポート 福島明星(ふくしま あかり)
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ブラジルから ―海外ボランティア日本語教師・近藤ゆみさん
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