2012年06月25日

ゼミ生との京都洋館巡り

 
 図書館の本棚に置いてある井上章一の『京都洋館ウォッチング』(新潮社 2011年)
に惹かれて、2週間前に3年のゼミ生と四条界隈にある洋館を探索する計画を立てました。

 大型台風が去った後の6月20日、梅雨季節の京都に青澄んだ空が現れました。
6月特有な蒸し暑さも無く、微かな風を受けながら、洋館巡りのプチツアーを
スタートします。

 まず、四条通りを挟んで向かい合っているレストラン菊水(1926年)と南座(1929年)
を外から眺めます。両建物はほぼ同時代に建てられたものですが、それぞれ違う雰囲気を
持っていました。

 外観的には一見、あまり特徴がないように見える菊水ですが、レトロな昔懐かしい
郷愁的な気持ちを起こさせてくれる建築物です。これに対して、南座の外観は
唐破風と千鳥破風の屋根作りで、通り過ぎる人びとに強い印象を与える建物でした。

 次は観光客の群れを縫いながら歩いて、最終目的地の長楽館へ。途中八坂神社で、
学生たちが「占いみくじ」をしたり、円山公園で祇園祭の山鉾収納庫を確認したりして、
わいわい言いながら、長楽館に着きました。



 長楽館は明治のたばこ王、村井吉兵衛が
1909年に立てた迎賓館です。ここでたくさんの
世界的な要人を迎えられたそうです。
いまでもその気品と豪華絢爛な佇まいが
見る人を魅了しますが、西洋の建物が少なかった
当時には、きっと京都の人びとに
衝撃と驚嘆を与えたに違いありません。

 私たちは「貴婦人」と言う部屋に案内されて、
窓の外の北山を眺めながら、休憩を取りました。
部屋の中の調度品はすべて当時のもので、
恐らくその多くはヨーロッパからの輸入品でしょう。

 また現在の喫茶店としての演出も、心にくいほどにすばらしい。
喫茶用のコースターはなんと当時の村井たばこの箱の模様でした。
お茶を飲みながら、村井吉兵衛に招かれた要人の一人と
錯覚さえ覚える居心地の良さにしばらく酔いしれました。

 今回の洋館探索は、伝統的な建物を多く有する京都では
洋館も何の違和感もなく共存していることに感心させられました。

 学生とさっそく次回の洋館巡りの計画も立てました。  報告者 朱鳳


「学生の感想文」


 洋館と言えば、古くて幽霊が出そうな建物を想像していたのですが、
意外と「え?あれがそうなの?」という感じでした。祇園近くの南座もその一つなんですが、
とても築約80年には見えませんでした。10年前に出来たと言われても、信じてしまうほうほどです。

 次に行った円山公園内にある長楽館は、喫茶店になっていました。ケーキを頂いたのです
が、とても美味しかったです。館内はモザイクタイルが敷いてあったり、鏡が沢山あったり
とお洒落でした。京都に古い洋館があるとは知らなかったので、
今回の洋館巡りはとても興味深いのもでした。(YKさん)



 八坂神社では皆で縁結びの神様にお参りし、おみくじをひきました。恋みくじと占いみくじ
の2種類があったけど、恋みくじは別にいいよね、ということで占いみくじをひきました。
←こんなことをしているから恋と縁がないんですよね( ̄ー ̄)おみくじは末吉でした。
「迷えば不運有り」だそう。直感で選ぼう‼

 次に行った長楽館は、明治時代に建てられた当時の応接室や喫煙室などを
そのままカフェとして利用しているので、当時にタイムスリップした気持ちになりながら
優雅で贅沢なティータイムが楽しめました。現実を忘れるひとときでした。ゼミの課題が
ある現実から逃避(エヘ♡)

 窓から眺める景色はとても綺麗で、部屋ごとに内装が違うので見ているだけでも
楽しめました。私たちのゼミは少人数なので気軽に外に出掛けることができて、
とても楽しいフィールドワークでした。(NMさん)


ゼミ生との京都洋館巡り

ゼミ生との京都洋館巡り

ゼミ生との京都洋館巡り
報告者 朱鳳

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Posted by 京都ノートルダム女子大学      国際日本文化学科(人間文化学科)  at 20:12 │Comments(0)京都フィールドワーク

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