2018年01月11日

精霊の守り人を読む


上橋菜穂子『精霊の守り人』

最近読んだものではないのですが、
NHKのドラマを観ましたので、
紹介したいと思います。



『精霊の守り人』は、
この世ではない世界が見える人が、
登場します。

人間の生きる世界の、
すぐ隣に、
人間とは異なるもの、
精霊などが住む世界がある、
という物語です。



別の世界が見える、
とか口にしたら、
え~!?、と言われそうですが。

私たちも、自分の知らない世界は、
わりとあったりします。

マツコの知らない世界、
という番組がありますが、
案内されてはじめて、
こういうことをしている人がいるんだ、
と気づいたりします。

知らない、ということは、
見えない、ということなんですね。


勉強も、そういう側面があります。

生物学を勉強すれば、
生物学の見方で、
世の中が見えます。

数学を勉強すれば、
数学の見方で、
世の中が見えます。


『精霊の守り人』は、
ファンタジーなのですが、
そういう、ものを別の視点でみること、
というテーマが描かれています。

自分の世界の視点でしか、
ものを見ることができない人は、
行き詰まることがあります。

そのときに、別の世界の視点、
別の世界の価値観で、
物事を見直すことで、
打開するヒントが得られることがあります。

『精霊の守り人』も、
別の世界の視点を得た人が、
世界を救う話になっている、
と思います。

この話は、実は、
先の「経験をリセットする」の話と
つながっています。


報告:長沼光彦

  


Posted by 京都ノートルダム女子大学      国際日本文化学科(人間文化学科)  at 22:23Comments(0)日本語日本文化領域