2018年09月04日

青銅器と漢字の起源


 京都には様々な博物館、美術館が点在しています。ここでは、私の「言語文化概論」で使用している泉屋博古館の図鑑「泉屋博古」を資料にして、青銅器と漢字の起源について紹介します。
 今でこそ、漢字は私たちの日常生活におけるコミューニケーションに欠かせない道具の一つになっていますが、大昔は王様が神様との対話をするためだけに使用する文字だったことはご存じですか。いにしえの中国の国家行事は主に祭祀でした。祭りごとを通して、神様に国家運営の凶吉を占ったり、収穫物を奉納したりしました。その祭祀に使われていた青銅器に古い漢字(金文)が刻まれていました。その古い漢字は漢字の起源の一つであり、青銅器をかたどった象形文字も多いのです。今日私たちが使っている漢字にその面影がまだ多く残っています。
 
左の写真に映っている青銅器は「鼎」(てい)と言います。訓読みで言うと「かなえ」となります。「鼎」の字は、この器の形からかたどったものです。祭祀の時に、神様へ献上する食べ物を入れる食器です。三本足があるのが特徴で、安定感がある外見から、ずっしりと、貫禄のあるようなすわったさまという意味も持っています。「鼎談」ということばは、この意味を取って生まれたものです。三人の学識経験のある専門家が座ってある話題について議論することを指します。「対談」とはやや重みの違うことばであるということは、この青銅器の重みからも感じ取れるでしょう。ちなみに、鼎は中国において、王の権威の象徴でもありました。
 


もう一枚の写真をみてみましょう。これも食べ物を入れる食器で、「豆」(とう)と言います。食べ物の豆(まめ)とはまったくちがうものです。「豊」という漢字はまさしく、「豆」という食器を使って、神様へ収穫物を奉納している場面を表現している文字です。現在の日本の常用漢字では、「豊」は「曲」と「豆」で構成されていますが、本来の漢字は「豐」です。「豆」の上に載っているのは稲穂をかたどったもので、つまり、秋に収穫した稲穂を食器に載せて、神に奉納し、神からいただいたゆたかさに感謝することを表現しています。
 ということで、「言語文化概論」は漢字の歴史を中心に講義する授業です。また、歴史以外に、私たちの日常生活と関わりのある常用漢字、人名用漢字、コンピュータ用漢字も話題にします。興味のある方は是非聞きに来てください。

報告:朱鳳


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Posted by 京都ノートルダム女子大学      人間文化学科  at 12:02 │Comments(0)国際文化領域(多文化理解)

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