2018年03月31日

香港日本語教育実習レポート  田中ひかるさん 3(完)


実習を終えて 3(完)

     京都ノートルダム女子大学 人間文化学部 人間文化学科3年次生 田中ひかる


 今回の実習では、特にCUSCS(香港中文大学専業進修学院)1年生AクラスとCクラス、2年生Bクラスのみなさんにはお世話になった。私たちの授業に来てくれたのは、1年Cクラスの学生たちが多かった。最初の授業では、1番後ろに座っていたのに、最後の方は、1番前を陣取るようになっていたのが嬉しかった。

 最後の文化の授業も、ふだんは授業がない日なのに、1年Cクラスを中心に、わざわざ多くの学生たちが受講しに来てくれた。中にはアルバイトを休んでまで来てくれている学生もいた。Aクラスにも「最後の日の文化の授業、来てね」と声をかけていたので、多くの学生が来てくれた。

香港日本語教育実習レポート  田中ひかるさん 3(完)
 (湾仔〔ワンチャイ〕駅でSCS1年生のキーさんが自撮りしてくれる)

 文化の授業が終わった後で、1年生Aクラスの人たちから手紙をもらった。自分が知っている日本語を最大限に使って書いてくれているのがとても伝わる文面だった。全日程が終わったら、Aクラスの男子たちからご飯に行こうと誘われていた。学校の近くでお昼に行く予定が、急遽Cクラスの学生たちも一緒に行くことになり、学校からバスに乗って九龍の街まで出かけて行った。

香港日本語教育実習レポート  田中ひかるさん 3(完)
  (受講してくれた学生さんから手紙をもらう)

 楽しい食事が終わって帰途に就こうとしたとき、宿泊先のホテルに戻る約束の時間に遅れそうなタイミングになっていたので、香港の学生たちがみんな「自分たちのせいだから、堀先生に謝りに行く」と言って、私たちをホテルまで送り届けてくれた。その完璧な心遣いには、本当に感激した。

香港日本語教育実習レポート  田中ひかるさん 3(完)
  (『みんなの日本語』第1課の授業)


 実習最終日となった自由観光の日も、同じメンバーと一緒に過ごした。朝からホテルまで迎えに来てくれて、紙袋いっぱいのお菓子とCクラスの代表からお手紙をもらった。そのおみやげをいったん部屋に置いてから、ミニバスに乗って香港のリゾート地として有名な赤柱〔スタンレー〕に向かった。香港の伝統的な朝ごはんを食べることを企画してくれていた。一日赤柱を観光したが、いろんなところを案内し、一生懸命日本語で説明してくれた。

 その後、ミニバスと電車を乗り継いでカラオケに向かった。日本語の歌ばかり歌ったが、みんな本当に上手で、日本の歌が好きなんだなと感じた。そして、カラオケの最後の曲の画面に「来てくれてありがとう またきてね」という文字が日本語で現れたのには驚いた。きっと店を予約したときに、スタッフに頼んでいたのだろう。とても感動した。

香港日本語教育実習レポート  田中ひかるさん 3(完)
  (カラオケ画面に浮き出たメッセージにびっくり) 

 最後にみんなで写真を撮った。手紙も渡すことができた。別れ際には、私たちが乗ったトラム(路面電車)を走って追いかけてきてくれ、まるで映画のワンシーンのようで、思わず泣いてしまった。Cクラスの学生さんからもらった手紙には、「いろんなところに連れていけなくて残念です」と書いてあった。十分あちこち連れて行ってもらったのにと思った。

香港日本語教育実習レポート  田中ひかるさん 3(完)
 (トラムの駅で別れを惜しむ)




 2年生の学生たちともたくさん関わることができた。見学に行けないクラスもあったのは残念だったが、私たちの授業に来てくれたので、親しく交流することができた。みんな本当にいい人たちで、いろんなところに連れて行ってくれた。私たち実習生4人の好物を覚えていてくれていて、それぞれに別々のプレゼントをもらった。火鍋のレストランなど、香港のご飯屋さんをたくさん案内してくれた。

 風邪気味で咳をしている私を見て、「これが効くよ」と言って薬を買ってきてくれたり、本当にうれしくなるほど親切にしてもらった。2年生たちは、私たちが日本に帰る時、時間や距離もいとわず、空港まで見送りに来てくれた。せっかく来てくれたのに、微熱があり喉が痛かったので、みんなに全然話しかけられなかったことがとても申し訳ない思いだった。


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  (SCS 2年生B組のみなさん  鰂魚涌〔Quarry Bay〕の駅にて2ショット・タイム)



 今回の実習でたくさんの人々に出会うことができた。日本人よりも日本のことが大好きな学生たちばかりなので、それに答えないとという思いでみなさんと接した。香港の人たちにとって同い年ぐらいの日本人と話をする機会はとても貴重なことなのだと実感した。日本語を勉強している生徒や学生たちに現地で出会えて私にとってもすごく貴重な体験となった。今でも毎日香港の人たちと連絡を取っている。行く前はあんなに気乗りしなかったのに、来てよかったと心から思える実習になった。一生の思い出になったと感じている。  (完)

香港日本語教育実習レポート  田中ひかるさん 3(完)
 (香港島北角のレストラン・富臨皇宮にて香港在住の大学・専門学校の先生方と会食)











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Posted by 京都ノートルダム女子大学      国際日本文化学科(人間文化学科)  at 16:00 │Comments(0)授業紹介日本語日本文化領域日本語教育国際交流

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