2017年11月07日

「三四郎」の授業に、高校生がいらっしゃいました


本日の、日本近代文学講読
夏目漱石「三四郎」を読む、の授業に、
高校生の皆さんがいらっしゃいました。



大学の授業を体験してみよう、
ということで、
参加していただきました。


途中の回から聞いても、
よくわからないかと思い、
今までのストーリーを、
振り返りながら、
「三四郎」が、どんな小説か、
お話しました。


はじめから聞いている、
大学生の受講生の皆さんには、
「三四郎」のストーリーを、
ちょっと俯瞰した、
いつもと違う視点で、
紹介しました。


ひとつは、夏目漱石が、
人間と社会の関係を、
物語に反映させる作家だ、
という話をしました。

「三四郎」は、恋愛、青春を、
扱っていますが、
その恋愛や、青春の背景には、
明治40年頃の、日本社会の、
良い面も、悪い面も、
反映されています。

大学生の三四郎の立場からすると、
これから世の中に出て、
出世していく可能性、希望を抱きながら、
上京してきます。




ところが、明治以降の近代的な東京は、
三四郎にとって、
必ずしも、快適な場所ではありません。

人間関係が故郷とは異なり、
それぞれが自分の自由で、
生きているおかげで、
孤独を感じる場合もあります。

人を思いやろうという建前よりも、
自分の快適を目指す本音を、
素直に追い求めているのです。



三四郎が心惹かれる、
美禰子という女性は、
一見、華やかで、芯の強そうな人ですが、
実は、孤独を抱えています。

「迷える子(ストレイシープ)」
と、自分のことを、
考えているようです。


しかし、男性中心の社会では、
この美禰子の孤独は、
誰にも知られないようです。

女の人の内面に、
近づこうとする男は、
いないのです。

迷える子に、
手をさしのべてくれる人は、
いないのですね。



ただ、三四郎は、
美禰子の孤独に、
気づきます。

華やかな恋愛ではなく、
孤独を共有する恋愛。

そういう恋愛が、成立するのかどうか、
「三四郎」は、近代を生きる人の孤独を、
描きながら、
問いかけてきます。


報告:長沼光彦






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Posted by 京都ノートルダム女子大学      人間文化学科  at 21:48 │Comments(0)授業紹介日本語日本文化領域

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