2017年07月07日

サンフランシスコ大学リッチ学院滞在記(1)

サンフランシスコ大学リッチ学院滞在記(1)
2017年に大学の海外研究(長期)助成金をいただいて、現在サンフランシスコ大学リッチ学院(Ricci Institute, University of San Francisco)で研究生活(2017年4月1日〜2017年9月20日)を送っています。





サンフランシスコ大学リッチ学院滞在記(1)
 サンフランシスコ大学は京都ノートルダム女子大学と同じく、カトリック系の大学で、








サンフランシスコ大学リッチ学院滞在記(1)
大学のシンボルはメインキャンパスにあるこの大きな教会です。私が滞在しているリッチ学院はメインキャパスと道を一本隔てているローンマウンテンキャンパス(Lone Mountain)にあります。そのシンボルマークはなんと言ってもこの長いステップです。外観はローマのスペイン広場に似ているので、愛称はスペイン・ステップとなっています。





サンフランシスコ大学リッチ学院滞在記(1)

サンフランシスコは海に近いので、天気の良いときには、山頂にあるキャンパスから美しい海を眺めることが出来ます。
 ところで、リッチ学院はイエズス会宣教師マティオ・リッチ(Matteo Ricci、1552-1610)の名前に由来する研究所です。



サンフランシスコ大学リッチ学院滞在記(1)
彼はフランシスコ・ザビエルの意思を受け継いで中国に来た宣教師で、彼が中国語で書いたキリスト教教義の書物(『天主実義』)、数学書(『幾何原本』)、世界地図(『坤與万国地図』)などは、日本を含め東アジアとヨーロッパとの東西文化交流の架け橋になりました。リッチ学院はマティオ・リッチの精神を掲げて、東アジア(主に中国と日本)と西洋の文化交流、特にキリスト教文化交流を研究する機関です。毎年6月〜8月まで夏期セミナーが開催されます。


サンフランシスコ大学リッチ学院滞在記(1)


運良く私は今年の夏期セミナーに参加することが出来ました。世界各地からの研究者が一堂に集まり、各自の研究テーマを発表したり、情報交換したりしています。「19-20世紀の宣教師のカメラレンズを通して見る中国大陸と台湾」、「アメリカ在住中国人カトリック信者の葬儀、墓に関する研究」「北京にある最初のカトリック宣教師の墓石について」など魅力的な話が満載です。
サンフランシスコ大学リッチ学院滞在記(1)










サンフランシスコ大学リッチ学院滞在記(1)
私も6月27日に「宣教師の中国語学習教材とイエズス会士の写本との比較」(英語のタイトルはPaul Perny’s DIALOGUES CHINOIS-LATINS-A Comparative Study on a Jesuit’s Manuscript)というタイトルで発表しました。このセミナーは、新たな研究視点を見つける絶好の場所です。まだまだセミナーが続きますが、興味のある方はリッチ学院のフェースブックをフォローしてください(https://www.facebook.com/usfricci/)。また、リッチ学院は毎年キリスト教、東西文化交流を研究している海外の大学院生、学者に研究助成金も出しています(http://www.ricci.usfca.edu/fellowships.html)。京都ノートルダム女子大学の教員、大学院生にもお勧めです。
 サンフランシスコ大学リッチ学院滞在記(1)

サンフランシスコに来てすでに3ヶ月過ぎましたが、ここに来て、一番感銘を受けたの多文化の共存共栄です。サンフランシスコは、アメリカ、ラテン、アジアなど様々な人種と文化を融和した多文化の都市です。公共施設、銀行の看板は必ず英語、スペイン語、中国語で標記され、バスの車内案内も3カ国語でアナウンスされています。また、いくつかの授業も見学させていただきましたが、アメリカの学生、外国人留学生の区別はなく、英語の上手下手にかかわらず、積極的に質問をすることが印象的でした。これは単に学生の資質だけではなく、彼らを質問させる教育方法、授業環境に大きな要因があると思います。教員は常に“What do you think about it? Tell me your opinion!”、“Ask me questions!”と言っています。いつか私の授業でも、もっと学生と議論出来る環境、そして学生の個性と創造性を大切にする授業にしたいと思います。
 次回はサンフランシスコの町並みを紹介したいので、乞うご期待。
報告:朱鳳



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Posted by 京都ノートルダム女子大学      国際日本文化学科(人間文化学科)  at 17:00 │Comments(0)国際文化領域(多文化理解)教員の研究活動

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