2017年01月02日

ローグ・ワン スターウォーズストーリー 京都で映画を観る


正月休みで、映画を観に行く方も、
いらっしゃるかと思います。

学生の中に、スターウォーズを観ている、
という人もいましたので、
取り上げました。
(これも、京都で観ました。)

(写真は、映画館と、三条通あたりです。)
ローグ・ワン スターウォーズストーリー 京都で映画を観る


スターウォーズも、長く作られている映画で、
1977年が最初ですから、なんと40年です。

観ているという学生も、旧作をDVDで観て、
近作を映画で観るという、パターンのようです。


ややこしいのですが、
1977年から作られた作品が、
シリーズの、4話、5話、6話にあたり、
1999年から作られたものが、
1話、2話、3話にあたります。
2015年から作られているのが、
7話、8話、9話です。

今回のローグ・ワンは、
4話の前のエピソードということになります。
ローグ・ワン スターウォーズストーリー 京都で映画を観る


ローグ・ワンは、世間のまとめ方でいうと、
スターウォーズを、戦争映画ぽく描いた、
ということになるようです。


スターウォーズだから、
戦争映画ではないのか、
と聞かれそうですが、
スターウォーズの話の筋は、
騎士物語に近いと思います。

フォースという特別な力を持った騎士(ジェダイ)が、
悪のフォースを駆使する暗黒騎士と戦うという話です。
(ファンの人からは、違うと言われそうですが、
ここでは、簡単にまとめておきます。)


1977年のシリーズの魅力のひとつが、
フォースです。
宇宙のパワーと一体化して、
超人的な力を発揮するわけですが、
主人公が、修行を経て活躍する物語を観て、
オレもこういう力をつかいたい、
と思った人が大勢あらわれました。
(暗黒パワーに憧れた人もいました。)


ところが、1999年のシリーズでは、
フォースは特別な才能を持つ人だけが、
駆使する力だと、再定義されました。
修行したからといって、
誰でも、騎士(ジェダイ)になれるわけではない、
ということになったのです。

これには、反発するファンも多く、
イメージがだいぶ変わってしまったようです。
ローグ・ワン スターウォーズストーリー 京都で映画を観る


ただ、この変更には、
時代の変化も影響しているように思います。


1977年は、誰もが、
力を得る可能性がある、
そういう夢を描く時代だったのだと思います。

1999年は、持てるものと、
持たざるものとの差が、
明確になった時代です。

むしろ、1999年のシリーズは、
力を持つがゆえに、
不幸になっていく人物を、
描いていました。


そして、2015年は、
力を持つ不幸から、物語は、
はじまっています。
1999年の物語を反復し、
そこを超える(変える)物語を、
提供するのではないか、
と思っています。

個人的には、
コミュニティの物語になるのでないか、
と勝手に予想しています。
(アナと雪の女王とか、
ベイマックスとか、とどこか、
共通してくるのではないか、
と思います。)
ローグ・ワン スターウォーズストーリー 京都で映画を観る



そして、ローグ・ワンですが、
ここには、スーパーパワーを持った、
人物は出て来ません。

メインストリームからはずれた、
よせ集めの集団、ローグ(ならず者)が、
スターウオーズの、
重要なエピソードに関わる、
という話の流れになっています。

(ただし、女性主人公は、
実は重要人物なので、
主流からはずれた、というのは、
正しくない言い方です。
物語上、メインストリームからはずれた、
位置に立たされている、ということです。)


スーパーパワーを持っていないので、
登場人物たちは、
闘いの中で、ぼろぼろになっていきます。

そのへんがリアルに感じられ、
こういうスターウォーズを観たかった、
という反応も出てきています。
ローグ・ワン スターウォーズストーリー 京都で映画を観る


ただ、スターウォーズは、本来、
スパーパワーを持った者の、
活躍を描く映画です。

パワーを持たない人達の活躍が、
共感を呼んでいることころに、
現代らしさがあるのだと思います。

持たざる者の生き方を描くのが、
現代の物語だということですね。



かつては、自分の可能性を信じるのが、
若者だと、言われた時期もありました。

こういう物語が、受け容れられるのだとすると、
時代の雰囲気も変わっているのだと思います。


報告:長沼光彦






同じカテゴリー(日本語日本文化領域)の記事画像
教職実践演習の授業から  ―漢文を読み解くおもしろさ
堀勝博教授最終講義写真館
深泥池・上賀茂フィールドワーク2  (令和2年12月)
深泥池・上賀茂フィールドワーク1  (令和2年12月)
お出汁の うね乃  ワークショップ体験(令和2年11月)
KBS京都 海平和アナウンサーとのトーク
同じカテゴリー(日本語日本文化領域)の記事
 教職実践演習の授業から  ―漢文を読み解くおもしろさ (2021-02-23 22:22)
 堀勝博教授最終講義写真館 (2021-02-05 12:13)
 君をばましてをしとこそおもへ ー堀勝博教授最終講義ー (2021-02-05 12:09)
 深泥池・上賀茂フィールドワーク2  (令和2年12月) (2021-01-24 17:00)
 深泥池・上賀茂フィールドワーク1  (令和2年12月) (2021-01-23 18:10)
 お出汁の うね乃  ワークショップ体験(令和2年11月) (2021-01-16 23:28)

Posted by 京都ノートルダム女子大学      国際日本文化学科(人間文化学科)  at 17:00 │Comments(0)日本語日本文化領域国際文化領域(多文化理解)

※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。