2016年09月16日

月は見えなくとも


昨日、9月15日は、中秋の名月でした。

ただ、ここのところつづく雨模様で、
きれいに見ることができなかったかもしれません。
月は見えなくとも


兼好法師「徒然草」は、
次のようなことを言っています。
(国語の教科書でもおなじみですね。)


花は盛りに、月は隈なきをのみ見るものかは。

雨に向かひて月を恋ひ、垂れ込めて春の行方知らぬも、

なほあはれに情け深し。


桜は満開のとき、
月は雲に邪魔されずに煌々と明るいときが、
最も良い見所だろうか。

雨が降っているときに、
月を見たいと思うような時や、
家に閉じこもって、
春が過ぎゆくのを知らない場合でも、

直接に見るよりも、むしろ、よりいっそう、
心を動かされるものではないだろうか。


結局、物事の美しさを決めるのは、
人間の心だということです。

花を見たい、月を見たい、
という心があればこそ、
美しく見えるわけです。
月は見えなくとも



昨日のテレビのニュースで、
月をクローズアップして、
映していたところがありました。

ありがたいのですが、
兼好法師に言わせれば、
野暮かもしれませんね。

見えないときは、
見えないなりの楽しみ方を、
しても良いのかなと思いました。

(そんなわけで、下の写真は、
昨日の写真ではありません。)
月は見えなくとも


報告:長沼光彦


タグ :中秋の名月

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Posted by 京都ノートルダム女子大学      国際日本文化学科(人間文化学科)  at 18:11 │Comments(0)日記日本語日本文化領域

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