2016年03月05日
『京都動物ものがたり』の読み聞かせを行いました
先日、京都市立左京図書館「お楽しみ会」で、人間文化学科の日本語・古典ゼミ4年次生諸君が、『京都動物ものがたり』の読み聞かせ活動を行いました。
「お楽しみ会」とは、左京図書館近隣住民の方々が立ち上げたボランティアグループ「けやき」が主催するイベントで、子どもたちに、絵本の読み聞かせや手遊び歌などを通して、図書館に親しんでもらおうという趣旨で月1回開催されます。
今回は、ゼミ生たちが、左京図書館のご協力を得て、その「お楽しみ会」にお邪魔し、10分の時間をいただいて、自分たちが制作した『京都動物ものがたり』の中から2つのお話を選び、読み聞かせをすることにしました。
読み聞かせの対象が、幼稚園児など小さな子どもたち中心ということだったので、そのまま読むだけでは理解してもらえないだろうということで、ゼミ生たちは、1ヶ月ほど前から作戦を練りました。みんなで話し合った結果、決まった方針は、絵本の本文をもとに、シナリオを作り、よりお話を立体的にするために、ペープサートをこしらえて、朗読劇にしようということでした。
シナリオの作成は、4年間演劇部で活躍した矢部杏奈さんが中心に進めてくれました。
何度もリハーサルを行い、本番に臨みました。
出し物は、「蜘蛛の知恵」と「和気清麻呂と猪」の2本立てです。
当日は、赤ちゃんから小学生まで10人以上の子どもたちとその親御さんたちが集まりました。
子どもたちが相手とは言え、初めてそのような場で読み聞かせを行いますので、少し緊張した面持ちで、ゼミ生たちは自己紹介を行い、朗読劇を始めました。
ペープサートの蜂、蜘蛛、お坊さんを動かしながら、声色を作り、お話を始めると、子どもたちは真剣な表情で聞いてくれました。
やはり劇にして正解でした。
2つ目の出し物、和気清麻呂の話では、政権をめぐる道鏡との政治的対立を、子どもたちに分かってもらうために、バトル風に演じました。誰が言い出したか「スーパーウルトラキヨマロ・パーンチ!」で清麻呂が道鏡をやっつけるクライマックスは、子どもたちにも受けたようでした。
その後、「けやき」の方や図書館司書の方の朗読が行われ、会の最後に、参加した子どもたちに絵本をプレゼントしました。嬉しそうに絵本をもらう子どもたちを見て、ゼミ生たちも満足げでした。
この絵本制作活動は、卒業研究の一環として行われただけでなく、京都市左京区のまちづくり活動として認定され、このように地域の方々と積極的な連携・関係を持つボランティアの性格ももつものでした。12月には、北山ふれあいセンターでお年寄りのみなさんに読み聞かせ活動を行い、好評を博しました。
大学の中だけでは決して体験することができなかったであろう、貴重な学習、出会いがゼミ生たちには何よりの宝物になったと思います。
3月中旬には卒業して、それぞれの途を歩むわけですが、このささやかな活動で得たことが、今後の人生の糧になれば幸いです。
〈報告:堀勝博〉
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