2015年09月04日

 「発展演習I ~京都を英語で紹介するための英語トレーニング講座」こぼれ話~」

英語を発展させる演習奮闘記

「発展演習」は1年次の基礎演習の文字通りの発展形として、通常2年次で履修します。

この演習では、原則として担当教員の専門に即して授業が組み立てられますが、グローバル化に伴う英語力の需要の増大のことを考え、昨年度までと違って教員(小川)の専門の音楽美学ではなく、思い切ってかつての専門、英語学を活かした演習を上のようなタイトルで開講してみました。

まず京都という世界に名だたる都市の歴史・文化的背景を学びました。日本人が外国人に京都といわず日本のことを紹介するときに壁に突き当たるのは、英語力のなさにもまして、実際には自国の文化への認識不足によるということが多いようです。導入で京都の太古からの歴史秘話などに全員が驚いたあと、次はこの演習の中心課題、考えていることをいかに簡易な構造の英語で表現できるかを学ぶ段階です。これは日本語特有の表現と英語らしい表現のギャップを埋めることでもあるのですが、これがまた中・高6年間で単語・熟語記憶主義が染みついた学生たちの感覚では難しいことのようでした。

英語的な感覚で英語らしい簡潔な表現へ。それはかなりの量の実戦的授業でしたが、最終回は英語のネイティヴ・スピーカーに来てもらっての授業になりました。学期の最初に予告したときは、案の定、学生たちは少し尻込み気味。

でも実際にJacoba Akazawa先生が、オランダからオーストラリアへの移民としてのご自分の幼少期の経験や、英語を身に着けていくときの苦労などを英語で話されると学生たちの気持ちもほぐれました。また、若いときに中国に行くつもりがひょんなことから日本に来て、以来、ずっと京都で暮らすことになったことを話され、家族の写真などを見せながら「世界はみなさんに開かれているのです」と言われと、英語で聞き話すことに対する恐怖感はどこかへ飛んで行ってしまいました。その結果は明らかで、全員が英語をあやつって思うことを表現する実践を楽しみました。


Jacoba Akazawa 先生と受講生たち
写真:Jacoba Akazawa 先生と受講生たち(最終授業を終えて)


これを機会に京都検定などの資格を取り、それをもとに世界の京都を英語で紹介できるようになりたいと言う学生もでてきたのは大変うれしいことです。

報告・写真:小川 光


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Posted by 京都ノートルダム女子大学      国際日本文化学科(人間文化学科)  at 17:29 │Comments(0)授業紹介

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