2016年09月12日

なぜ、うまくいかない話が読まれるのか


ハッピーエンド、うまくいく話が、
好きですよね。

見ていて、すっきりします。



一方で、うまくいかない話、
人を裏切ってしまう話、
ちょっと悪いことをしてしまった話、
そういうエピソードも、
小説や映画や漫画の中にも、
あります。


小説でいうと、太宰治の作品なんかが、
そうですね。
嘘をつく、見栄を張る、
裏切る、仲違いする、
などという、エピソードが語られます。

そんな話ですが、
読者は多いですね。

なぜでしょう。



人は、うまくいかないから、
うまくいく話(ハッピーエンド)を、
楽しみたくなります。

一方で、うまくいかない自分を、
認めてほしい、という気持ちもあります。

小説や映画のうまくいかない話は、
そういう自分と身近な人物を描いています。

こういうことあるよな、
という共感が得られます。



おそらく、人は、
うまくいくという夢(ハッピーエンド)も、
いつか実現したいと思い、
うまくいかない自分と、
同じ境遇の人を見つけたい、
とも思っているのでしょう。

だから、世の中には、
ハッピーエンドの話もあれば、
うまくいかない話もあるのです。


報告:長沼光彦
  


Posted by 京都ノートルダム女子大学      国際日本文化学科(人間文化学科)  at 17:00Comments(0)日記日本語日本文化領域