2016年09月05日

知性って何だ


大学は、知性を身につけるところ、
だといわれます。

では、知性とは何でしょう。



私の考えでは、
知性と知識は違います。

知識は、すでに結論が出ていることを、
頭の中に入れたものです。

例えば、794年に平安京に遷都が行われた、
というような、歴史上の事件に関する情報は、
知識です。



ところが、こういう知識は、
年々書き換えられます。

例えば、かつては、
鎌倉幕府の成立は、1192年となっていました。

源頼朝が征夷大将軍に任じられた年を、
鎌倉幕府の成立としていたのです。


ところが最近、異説が出てきました。
1185年に、平家が壇ノ浦で滅亡し、
頼朝が日本国総守護・総地頭となり、
守護・地頭を設置しました。

このことから、
頼朝が実質支配を獲得したと見なして、
鎌倉幕府の成立を、
1185年と考えるが有力になりました。

(今、中高生の皆さんは、
すでにそのように習っていると思います。)




こういうふうに、知識を書き換え、
物事の見方を変えるのが、
知性です。

知識を身につけるのも大切です。
また、その知識がどのようにして、
生み出されたのか、考える姿勢、
知性を身につけることも大切です。

大学は、そういう考える姿勢、
知性を鍛える場所なのです。



本学が勧める「冒険」は、
知性の冒険でもあります。


報告:長沼光彦
  


Posted by 京都ノートルダム女子大学      国際日本文化学科(人間文化学科)  at 17:30Comments(0)日記授業紹介