2016年06月08日

正義の味方も対立する 京都で映画を観る 国文学概論


もう上映は終わりましたが、
春先に、ヒーロー映画が続けて公開されました。

「スーパーマンVSバットマン」
「キャプテンアメリカ シビルウォー」



いずれも、正義は勝つ、
という単純な話になっていません。

たまたまなのかわかりませんが、
どちらも、ヒーローが闘うことにより、
一般の人たちが被害を受ける、
話が中心になっています。

正義が、ときに迷惑になる、
という話になっています。



近年の世の中の情勢をふまえた話でありますが、
ヒーローの正義を疑う、という話は、
アメリカでは、1986年のコミック、
「ウォッチメン」にすでに見ることができます。

(「ウォッチメン」は、2009年に映画化されています。)


私たちは、正義の味方が悪をやっつける、
というストーリーに憧れるわけですが、
まじめに考えると、
一人の人間が、 正義を担うことができるのか、
と考えざるをえないわけです。

ヒーローも、ひとつ間違うと、
独裁者になる、ということですね。



日本でも、そういう認識は、
だいぶ前から、
エンターティメントに影響を与えています。

仮面ライダーやウルトラマンが、
内輪もめをする話も、
すでにあります。


そんなわけで、
最近のヒーローは、
正義ではなく、個人的な信条にしたがい、
闘っています。

「ONE PIECE」の主人公は、
主に仲間のため、あるいは自分の夢のために、
闘います。



もちろん、
文学も、人間の掲げる正義を、
あまり信用していません。

「走れメロス」も、
メロスの思い込む正義が、
試される話になっています。

こういう話は、授業、
国文学概論でもしています


報告:長沼光彦
  


Posted by 京都ノートルダム女子大学      国際日本文化学科(人間文化学科)  at 17:00Comments(0)日記授業紹介